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コイルのQ

トロイダルコイルのQ

アミドン社のカーボニル鉄トロイダルコアを使ったいくつかのコイルのQを計ってみました。

T50/6とT37/6

サイズT50/T37、6材(黄)を使用し、いろいろな巻数(インダクタンス)におけるQを計ってみました。使用線材は、すべてPEW0.4φです。使用線材太さによりQに差がでます。巻数が19t位までは大きな差にはなりませんが、23t位以上になると0.3φの線材を使った場合にくらべ、10位大きな数になります。

T37/2およびT37/10

サイズT37、2材(赤)および10材(黒)を使用し、いろいろな巻数(インダクタンス)におけるQを計ってみました。線材は、PEW0.4φです。

Qは、自作のコイルQ計測アダプタを用い計測しました。Qアダプタで測定可能範囲の周波数におけるQを測定しました。グラフ上のマークが実際の測定データです。曲線は、そのデータをもとに近似曲線を引いたものです。

インダクタのQ

アキシャルリード型マイクロインダクタ(約2φ)のQを計ってみました。

Qは、自作のコイルQ計測アダプタを用い計測しました。Qアダプタで測定可能範囲の周波数におけるQを測定しました。グラフ上のマークが実際の測定データです。曲線は、そのデータをもとに近似曲線を引いたものです。

スパイダーコイルのQ

ICラジオのための優秀なコイルを求めて、いろいろな材料を使ってコイル試作、Qも調べてみました。見かけはみすぼらしいですが、比較的大きなQが得られるようです。

「イラストボード」製7スロット巻枠スパイダーコイル
「イラストボード」(商品名)を使った7スロットの巻枠です。
「イラストボード」製11スロット巻枠スパイダーコイル
「イラストボード」(商品名)を使った7スロットの巻枠です。
「ゴールデンボード」製7スロット巻枠スパイダーコイル
「ゴールデンボード」(商品名)で作った7スロットの巻枠です。このコイルの作り方(685KB)を参照して下さい。
スター型7ポール丸棒巻枠コイル
12mm厚ベニヤ板に6mm丸棒を7本(半径55mmの円、360/7度間隔)取り付けたものです。ベニヤ板、丸棒は有り合わせのものを再利用したものです。
スター型7ポール竹串巻枠コイル
4mm厚ベニヤ板に直径3mm竹串を7本取り付けたものです。ベニヤ板、竹串は有り合わせのものを再利用したものです。これ以上、薄い板、細い串では線を巻く時に 掛かる力に耐えられなくなります。
(参考)ファイバー製15スロット巻枠スパイダーコイル
ミズホで購入した昔ながらの15スロットのファイバー巻枠です。

試作してみたコイルのデータを整理してみました。ベニヤ板タイプの”スター型”コイルのQは、なかなかいい数値が出ています。ゴールデンボード製の厚紙コイルもなかなかの出来です。ただし、厚紙は何でもというわけにはいきません。紙質の硬いものが良いようです。
”星形”という見た目の形もちょっと良いのですが、巻く時も簡単です。スパイダーコイルでは、巻いている途中で巻き方向を間違えたり、スロットを飛ばしたりしがちですが、スター型コイルは間違えれば、すぐ分かります。

       
巻枠材 巻枠形態 巻数 巻線サイズmm インダクタンスμH浮遊容量pF備考
イラストボード(紙) 11スロットスパイダー 30t(ポリエステル線0.4φ) 120/100 201 6.7 "イラスト201uH"
イラストボード(紙) 7スロットスパイダー 41t(ポリエステル線0.4φ) 120/95 341 8.0 "イラスト341uH"
ゴールデンボード(紙) 7スロットスパイダー 24t(ポリエステル線0.4φ) 105/85 123 6.3 "ゴールデン123uH"
ゴールデンボード(紙) 7スロットスパイダー 40t(ポリエステル線0.4φ) 105/85 359 6.3 "ゴールデン359uH"
スター/丸棒 5ポール星型 15t(ポリエステル線0.4φ) 95 134 5.8 "スター/丸棒"
スター/竹串 5ポール星型 14.5t(ポリエステル線0.4φ) 95 112 5.5 "スター/竹串"
ファイバー ミズホ15スロットスパイダー 72t(ポリエステル線0.5φ) 70/35 333 3.2 "ミズホ"

スパイダーコイルのQ

<注>
インダクタンスは、ディジタルインダクタンス計(秋月電子)で測定しました。
浮遊容量は、グリッドディップメータ(三田無線製)でコイルの自己共振周波数を計り、先に測定したインダクタンスを元に計算しました。
Qは、自作のコイルQ計測アダプタを用い計測しました。上のグラフは、測定値(マークで表示)をもとに近似線を引いたものです。
参考のため、FCZコイル「1R9」(10Sタイプ)を測定しました。FCZから公開されているデータでは、Q=85ですが、ここでは、約70くらいです。それを参考に他のデータを見てください。

微小インダクタンスの測定

小数点以下の微小インダクタンスコイルのインダクタンスを測るのは、浮遊インダクタンスの影響等でなかなか計測は難しいものです。
微小インダクタンスのコイルと正確なコンデンサで構成された共振回路の共振周波数を測定することにより、インダクタンスを算定してみました。共振周波数の測定には、ここではFRMSを使ってみました。
二つの共振周波数を測ります。
@正確なコンデンサCo(ここでは、100pFを使用)と任意のインダクタンスのコイルLo(ここでは、10uHインダクタを使用)で構成される共振回路の共振周波数f1
Aその共振回路のコイルLoに、さらに計測したい微小インダクタンスのコイルを加えた(直列接続した)共振回路の共振周波数f2
Bこの結果から、次の2つの式ができます。

Cこの連立方程式から、微小インダクタンスLxは、

より、求めることができます。ただし、単位は、コンデンサ(pF)、インダクタンス(uH)、周波数(MHz)とします。
<註>:
1.コンデンサCoは、正確なものが必要です。
2.インダクタンスLoは、任意です。測定しやすい共振周波数が得られるもので良いでしょう。
3.周波数f1、f2の測定は、周波数の正確な絶対値は必要ではありません。
ただし、f1、f2の差分を正確に取る必要があります。
4.Lx算出の計算式は、MS-Excelにでもセットしておけば簡単に求められます。

測定アダプタ外観
FRMS−Out(信号源)、FETアダプタを接続するBNC-Jコネクタ、コンデンサやコイルを接続するヘッダソケットを直接にラグ板に取り付けています。<構成>
共振周波数の測定
共振曲線から共振周波数を読み取ります。100pFと10uHで共振周波数は、4.8〜4.9MHz前後です。

トロイダルコイルの測定例

「トロイダルコイルの活用」の計算式で算出したインダクタンスに比べ、約10数%のずれがあります。インダクタンスの小さいものほど、その差は大きくなります。これは、信号源(FRMS-Out)やFETアダプタによる共振回路への影響、基準コンデンサCoの精度(ここでは、±2%のものを使用)、トロイダルコイル自身の浮遊インダクタンス 等の影響があるものと思われます。

コア・巻数計算値(uH)測定値(uH)偏差(%)
T37−6/10t0.3000.350+17
T37−6/11t0.3630.412+13
T37−6/12t0.4320.484+12

<測定周波数:4.8MHz>