リニア中央新幹線
環境影響評価方法書に対する各地の審議状況



2011年9月にJR東海から公表された環境影響方法書に対し、同年11月10日まで、一般からの意見提出が受け付けられました。法律(環境影響評価法)では、一般からの意見が締め切られてから90日以内に、関係都県は市町村長からの意見を受けた、県としての意見を提出することになっています。
 
したがって同年秋以降、リニア中央新幹線の通過する市町村や都県において審議会が開かれ、いくつかの自治体ではその議事録が公開されています。
 
お住まいの自治体が、前代未聞の巨大&未知の超伝導リニア建設に際し、住民の生活環境や自然環境の保全に対してどれほど真剣に向き合っているか、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

 

のついているのはPDFファイルです。容量が大きいのでダウンロードしてご覧になることをお勧めします。

各都県の意見(知事意見)

 東京都知事審査意見書 2012年2月27日 (707KB) 掲載ページ 
 神奈川県知事意見 2012年3月5日 (319KB) 掲載ページ 
 山梨県知事意見 2012年2月23日 (342KB) 掲載ページ 
 静岡県知事意見 2012年2月24日 (339KB) 掲載ページ  
 長野県知事意見 
2012年2月24日 (186KB) 掲載ページ 
 岐阜県知事意見 
2012年2年28日 (18KB) 掲載ページ 
 愛知県知事意見 
2012年2月23日 (177KB) 掲載ページ 

東京都では、都の条例により意見書の名称が異なっているようです。

各都県での審議の議事録

東京都 
 第1回審議(2011/10/26 平成23年度東京都環境影響評価審議会第7回総会 297.8KB 掲載ページ
リニアに関する部分は27ページと33ページの一部だけ。実質的には、まだ何も行われていない段階での審議です。


神奈川県 
 第1回審議(2011/10/17 平成23年度 第4回神奈川県環境影響評価審査会)議事録 
 第2回審議(2011/11/29 平成23年度 第5回神奈川県環境影響評価審査会)議事録 
 第3回審議(2011/12/26 平成23年度 第6回神奈川県環境影響評価審査会)議事録 
 第4回審議(2012/1/23 平成23年度 第7回神奈川県環境影響評価審査会)議事録 
 第5回審議(2012/2/13 平成23年度 第8回神奈川県環境影響評価審査会)議事録 
 第6回審議(2012/2/28 平成23年度 第9回神奈川県環境影響評価審査会) 議事録 

山梨県 山梨県環境影響評価等技術審議会 一覧の掲載ページ
 方法書の審議 (計4回) 方法書への知事意見 準備書の審議(第1回H25.10.25 第2回H25.11.11) 
静岡県 
 第1回審議(2011/10/14 平成23年度 第1回静岡県環境影響評価審査会) 議事録(358KB) 関連資料等 
 第2回審議(2011/12/8 平成23年度 第2回静岡県環境影響評価審査会) 議事録(279KB) 関連資料等
 第3回審議(2012/1/19 平成23年度 第3回静岡県環境影響評価審査会) 議事録(331KB) 関連資料等
 第4回審議(2012/2/3 平成24年度 第4回静岡県環境影響評価審査会) 議事録(253KB) 関連資料等 

 関連資料には、あわせて質疑応答の概略等も掲載されています。

静岡県では南アルプス核心部が工事現場となります。環境保全に対する態度をめぐり、「南アルプスという場所につき、通常以上に慎重な自然保護を求める」委員と、「法律を満たせば文句を言われる筋合いはない」との主旨を繰り返し主張するJR東海社員とのケンカ腰になったやりとりが散見されます。後者はいくらなんでもひどいと思います。JR東海側には、大自然に対する謙虚さが微塵も感じられない…。

長野県 中央新幹線に係る環境影響評価手続き一覧  
 
第1回審議(2011/11/4 平成23年度 第3回長野県環境影響評価技術委員会) 
 第2回審議(2011/12/14 平成23年度 第5回長野県環境影響評価技術委員会)  
 第3回審議(2012/1/18 平成23年度 第6回長野県環境影響評価技術委員会)  
 第4回審議(2012/2/3 平成23年度 第7回長野県環境影響評価技術委員会) 
あわせて質疑応答の概略も掲載されています。

 第1回目の審議では既存調査の不備が非常に多く指摘され、それへの回答が第2回審議で述べられているのだけども、その回答がほとんど「次回(3回目)までに用意する」「準備書に記載する」ばかり。
それでは、事業者側の見解に対する意見提出ができなくなってしまうのではありますまいか?
準備諸段階で回答することは、事実上「何も行わない」のに等しいのではありますまいか?


岐阜県 掲載ページ
 
第1回審議 (2011/12/26 岐阜県環境影響評価審査会) 議事録概要版70.5KB) 
 第2回審議 (2011/1/31 岐阜県環境影響評価審査会)  議事録概要版(56KB)
  第1回目では、何となく「まあ、あまり深くは追求しないでおきましょう。穏便に…。」といった雰囲気が読み取れます。ただ、11ページ目あたりの電力消費と二酸化炭素排出量予測については委員から厳しい意見が出されており、興味深く感じられます。いっぽう、第2回目では沿線環境調査の既存資料として掲載された地質・地形・生物分布がきわめていい加減であり、特に活断層とウラン鉱床の記述が間違いだらけと指摘。

愛知県 
 第1回審議(2011/12/6 愛知県環境影響評価審査会 158.5KB 掲載ページ
「磁界は、まあ、心配ないんじゃないの?」といった、なんだか煮えきれないような審議という印象を受けます。横浜市あたりとはえらい違い…。 
 第2回審議(2011/12/27 愛知県環境影響評価審査会リニア中央新幹線部会 掲載ページ
 第3回審議(2012/2/6 愛知県環境影響評価審査会リニア中央新幹線部会 掲載ページ


各都県に提出された沿線市町村の意見

横浜市長意見(2012/1/25 517KB) 


川崎市長意見(2011/1/26 188KB)
 掲載ページhttp://www.city.kawasaki.jp/30/30kansin/home/assess/assess.html
あわせて意見のポイントも掲載されています。「調査、予測方法等については、計画が具体化された段階で、事前に本市と十分協議し、新たな環境影響評価項目の予測が必要になった場合には、その環境影響評価項目を追加して行う必要がある」という表現は、いい加減な方法書のままでなし崩し的に計画を進めることがないよう、釘を刺すものだとして評価に値すると思います。
静岡市長意見(2011/12/27 掲載ページ
 また、静岡市が設置した南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会の議事録も公開されています。
第10回静岡市南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会(2011/11/2)の議事録および同委員会の意見書 

長野県内市町村の意見(飯田市、松川町、高森町、阿智村、喬木村、豊丘村、大鹿村、南木曽町)意見(2012/1/18)

中津川市長意見(2011/12/19)

名古屋市長意見(2012/1/27 177KB)
 冒頭に「事業の必要性に対する説明が不十分であり、国民に対して丁寧な説明が必要」と明記。

愛知県内関係市の意見(名古屋市、春日井市、犬山市、小牧市)長意見(2012/1/27)

沿線の市における審議議事録

世田谷区
 
2011/12/14 第6回世田谷区環境審議会 
 
概要の説明がなされただけのようです(P38-41)。 
 2012/1/27 第一回世田谷区環境審議会 
 都知事に提出された区長意見の説明だけのようで、どのような話し合いが行われたのか分かりません。
川崎市 
 第1回審議(2011/12/7 平成23年度 第5回川崎市環境影響評価審議会)  
 事業者説明だけであり、省略されています。
 第2回審議(2011/12/20 平成23年度 第6回川崎市環境影響評価審議会
「方法書がまともでなく、審議をおこなえない。そもそも、方法書と呼べるレベルに達してるのかもわからない」という、厳しい注文が出されています。 
 第3回審議(2012/1/18 平成23年度 第9回川崎市環境影響評価審議会
 答申案の確認作業だけのようです。

横浜市 (一覧) 
 第1回審議(2011/11/28 平成23年度 第13回横浜市環境影響評価審査会 225.4KB)
 2回審議(2011/12/13 平成23年度 第14回横浜市環境影響評価審査会 194.7KB)
 「リニアが完成すると羽田〜大阪の航空便がなくなるので、トータルでCO2排出量は減る。」という、ヘリクツのようなJR東海側の主張がなされているようです。その他にも、トンネル進入時の衝撃波の詳細な情報が非公開とされてまして、これらに対して委員から「対応が不適切」という発言が相次いでいます。
 第3回審議(2011/12/26 平成23年度 第15回横浜市環境影響評価審査会 206KB)
二酸化炭素排出量の予測・表現についての不適切さと、リニアのトンネル進入時の衝撃波について過小評価ではないかという審議が中心。「巡航速度500km/hの飛行機(YS-11)がトンネルに突っ込むようなものなのに小さく見せかけているのでは?」という指摘は痛烈。
 第4回審議(2012/1/23 平成23年度 第16回横浜市環境影響評価審査会 201KB)
答申の確認作業だけのようです。

静岡市 
 ※第1回審議(2011/10/17 平成23年度 第2回静岡市環境審議会 152KB)
 第2回審議(2011/12/19 平成23年度 第3回静岡市環境審議会 128KB) 
概略だけですが、「このまま決まってしまうのは懸念だらけ」とのこと。

中津川市 
 
2011/12/7 平成23年度 第1回中津川市環境保全審議会 )
 歓迎の言葉から始まり、15分おきの停車を求める言葉で締めくくられるという、環境影響評価とは程遠い内容…。

名古屋市 
 
第1回審議(2011/10/20 平成23年度 第8回名古屋市環境影響評価審査会 212.0KB 掲載ページ)
 
第2回審議(2011/11/22 平成23年度 第9回名古屋市環境影響評価審査会 164.9KB 掲載ページ
 
第3回審議(2011/12/21 平成23年度 第10回名古屋市環境影響評価審査会 178.2KB 掲載ページ
 
第4回審議(2012/1/24 平成23年度 第11回名古屋市環境影響評価審査会 21KB 掲載ページ


東京都(および都下の自治体も)は何をしているのかよくわかりません。いつの間にか意見書だけが公表されています。
 

こちらはJR東海のページへ
中央新幹線計画段階環境配慮書(平成23年6月7日)
中央新幹線環境影響評価方法書(平成23年9月26日)


環境影響評価(アセスメント)のあらまし 
 環境省 環境影響評価上方支援ネットワーク
   

各地の環境影響評価審議が混乱している元凶
国土交通省 交通政策審議会 陸上交通分科会 鉄道部会 中央新幹線小委員会
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s304_sinkansen01_past.html

における沿線環境調査に対する審議の議事録(2010/10/20 第9回中央新幹線小委員会 317.5KB)
(うち33〜42ページ
および配布資料

まったく審議なんてしていません。
そもそも読んでいて、悪どい「意見のすり替え」以外には、「ここはおかしいのでは?」と疑問をわかせるほどの分量もありません。
それでもとりあえず突っ込んでみました
これが国家的プロジェクトの環境調査ですか?



 世の中にはリニア中央新幹線構想を諸手を挙げて歓迎しておられる方も多いようですが、単に「速いからいいじゃん」「新しい(?)技術は何でも素晴らしい」「地域活性化の切り札」と無思慮に歓迎するのではなく、こうした各地で公開されている環境影響への審議内容にも目を通し、本当にこの構想は信頼できるのかどうか、見定めていただきたいと思います。
 
 新しい技術ーしかも地球上に前例のないーというモノの実態を知ることもなく(知ろうともせず?)受け入れてしまい、その後で取り返しのつかない事態を招いてしまうことを、これからも繰り返すのでしょうか



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