ー味噌たきー

 味噌はたんぱく質を多く含む食品である。米飯を中心とする日本人の食生活には、必須アミノ酸が不足しがちである。 味噌のたんぱく質はそれらを補う上で、古来から大きな役割を果たしてきた。鉄分やビタミン類・ミネラル類も豊富な優れた食品である。 がんの予防効果もあるという。肉や魚の生臭みを消す矯臭効果もあり、日本人の食生活には欠かすことのできない調味料の一つでもある。 ただし、摂りすぎると塩分の摂取過剰を招くおそれがあるので注意が必要である。
 各家庭では、最近まで自家製の味噌を造り、食してきた。
 「味噌たき」は、当地方では冬至から立春頃までの農閑期に行われることが多かった。
 庭先にかまどを築き、大きな釜をかけて、水に浸しておいた大豆を蒸す。大豆が柔らかくなったら臼に入れ、杵でついて砕く。そこに 麹(米麹・麦麹・豆麹)と塩を加えて、均等に混ぜ合わせる。それを大きな味噌樽(木製の樽)に詰めて仕込む。家によっては、味噌樽の中に 蒸した大豆と麹・塩を入れ、人がその樽の中に入って足で踏みながら混ぜ合わせて仕込むという方法で味噌造りをした。その後、1年間ほ どかけて、じっくりと醸成・発酵させて味噌は完成するのである。
 家族が食べる一年分の味噌を仕込むために、2〜3日間くらいかけて味噌たきをする家が多かった。
 麹と大豆の配合割合や塩加減などにより、食味や風味・出来具合も違ってくるため、それぞれの家ごとに異なる「手前味噌」が造られた 。気候や風土・好み等によって・各地に独自のものが発達し、変化に富んだ味噌が造られている。
 最近では、手間のかかる自家製の味噌たきはほとんど行われなくなった。市販の製品を購入し利用する家庭が多くなったためである。
 三芳では、「かあさんの味工場」で、地元産の大豆を利用しての味噌造りが行われている。その製品は「鄙の里」の売店等で販売され好評で ある。

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