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神奈川県教育委員会は、定時制高校の夜間給食を廃止する方向です。
定時制には給食が必要です。
【ルポ かながわ】食育、地域と一体 2010年12月12日朝日新聞神奈川版
瀬野小栄養士の森山康子さん 給食の裏側 HPで連載 感謝の心醸成目指す 2010年12月5日中国新聞
体力テスト低迷、県教委が生活改善推進へ/神奈川 2009年12月19日神奈川新聞
「学校給食甲子園」で優勝した栄養教諭 宮沢富美子さん 2009年12月17日東京新聞
新教育の森:偏食欠食の大学生、学生食堂が「食育」 2009年11月25日毎日新聞
菓子パンだけは朝食? 欠食? 線引きに苦悩/神奈川の教育現場 2009年09月25日神奈川新聞
2010年12月12日 朝日新聞神奈川版
ここ数年、国をあげて「食育」がもてはやされている。そんな時代を先取りするように、30年前から食に取り組んできた小学校がある。地域の協力を得ながら、子ども自身が農作物を育て、食べることを実践してきた。キーワードは「楽しみながら」。現場をのぞいた。(佐藤善一)
11月末、午前7時半。横浜市泉区和泉町の畑に、軍手に長靴姿の子どもたちが集まった。気温は10度以下。ほっぺたが赤い。
「今日の給食で使うダイコンをとります。太ったモノを選んでね」。市立いずみ野小学校栄養職員の宗像千佳さん(41)が声をかけた。
同小児童の有志24人が参加する農業グループ「学び隊」。パッと畑に散り、中腰になって1本ずつ真剣な目つきで品定めを始めた。9月に種をまいて間引きし、雑草を何度も抜き、虫を一匹ずつとって世話をしてきた成果だ。
ダイコンを引き抜くたびに周囲で歓声や奇声が上がる。葉っぱが1メートルほど放射線状に伸び、子どもが抱えると顔が隠れてしまう。大きさを競い合う表情はどれも得意げだ。
学び隊が世話する約150坪の畑は地元農家の横山正美さん(59)から借り、農作業をイロハから教わっている。住民ボランティアも加わり、作業は週2回。横山姓が多いため、子どもたちも「正美さん」と呼ぶ。
1年間を通して作る農産物は20種類ほど。白菜の成長は遅れているというが、この日も、翌日の給食に使う小松菜、真っ赤に色づいたラディッシュも収穫した。「これだけ喜んでくれたら、苦労も吹き飛ぶ。こちらが幸せをもらってます」と正美さん。
いずみ野小は周辺の宅地開発に伴い、1978年に開校した。もともと農業地帯で、今も田畑が多く点在している。校外に田畑を借り、授業でのサツマイモ、コメ作りは30年以上も続く。
農業を接着材に、地域住民を巻き込んだ食育活動はユニークで、注目されている。
収穫した13本のダイコンは中華あえとなって、その日の給食に並んだ。教室には収穫までの苦労や思いが書き込まれた学び隊の「パクパクだより」が配られ、「嫌いな人も一口食べてみて」と言葉が添えられた。
「もったいなくて葉っぱも捨てられない。いとしくておいしくて」と5年の隊員、岡本彩奈さんと池野睦さん。おかわりが相次ぎ、中華あえはあっという間に無くなった。
同校に赴任して7年目の宗像さんは農家を口説き、食材を給食にとり入れてきた。畑を取材し、給食だよりやビデオレターで子どもたちに農家を紹介。学校に招いて交流してきた。おいしい農産物をつくる農家は、子どもたちの身近な「ヒーロー」になった。
農家の子どもも多く、保護者の食材を使うことも。5年の石井裕大君の父親が作る野菜も給食に出た。「ちょっと恥ずかしかったが、みんなが『おいしい』と食べてくれてうれしかった」
「農家の声や思いを知り、野菜を作る苦労を体験することで、食への興味が広がり、楽しみながら食の大切さを学んでいきます」と宗像さん。牧野京子校長は「野菜作りは子どもを核に、学校と地域、地域同士を結びつける役割を果たす。子どもは体験し、様々なことを学び、成長していってます」と話した。
食育ブームを後押しするように、学校給食法が2009年4月に改正され、給食を通した食育指導の充実が目標に盛り込まれた。
食育基本法に基づく食育推進基本計画には、給食で使う地場の農産物について、今年度中に都道府県平均の利用割合を30%以上にするという目標が掲げられた。
文部科学省のサンプリング調査によると、08年度の地場農産物利用の全国平均は23・4%。トップは大分県の44・7%だった。神奈川は12・9%で、大阪、東京、山梨に次ぐワースト4位。「利用割合は生産地が当然高くなるが、首都圏は地場野菜の値段も高く、同じようにはいかない」と県教委保健体育課は話す。
県教委が09年12月に実施した独自調査に基づき、給食に県内産を使う市町村の状況をみると、トップは28・6%の松田町。次いで27・2%の二宮町だった。人口が密集する横浜市(12・7%)、川崎市(11・2%)は平均の13・3%を下回っている。
368万人が暮らす横浜だが、実は市域の約7・5%は農地だ。市内の直売所も1千カ所あり、全国有数という。
市も食育を後押ししようと、今年9月に「食育推進計画」を作った。06年からは、11月の地産地消月間に学校給食で市内産のダイコンや白菜を使ってもらう事業を進めている。市教委は「季節によって地場野菜でも安いモノはある。できるだけ給食で使うようにすすめている」という。
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| 学校始業前の早朝に、その日の給食に使うダイコンを収穫する児童たち=横浜市泉区和泉町 | 給食の時間に地場でとれた野菜について説明する栄養職員の宗像千佳さん=横浜市泉区和泉町のいずみ野小学校 |
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2010年12月5日 中国新聞
きょうの献立の写真に続いて、色鮮やかなホウレンソウやサツマイモなどの食材が山と積まれたカット。白菜を切る、湯気の立つ大鍋の中をかき混ぜるといった調理風景も交じる。瀬野小(広島市安芸区)のホームページ(HP)の「給食トピックス」コーナーだ。
同小の栄養士森山康子さん(40)が、校内で作る給食をテーマに連載する。デジタルカメラを手に調理場を取材。毎日の給食献立を素材から調理作業まで紹介するHPは、市内では同小だけだ。
連載のきっかけはHP担当教諭の「食育を発信できないか」との投げ掛けだった。初回の5月19日、食育の四つのポイントとして、栄養バランス▽食文化▽食の安全▽感謝の心―を掲げた。
最も伝えたかったのは感謝の心。児童にとって給食は身近だが、立ち入りが制限される調理場は縁遠い場所だ。野菜の下ごしらえは大半が手作業で食べやすい大きさにカットしたり、昆布を一つ一つ星形に切り抜いたり。そんな調理の裏側を紹介したかった。調理員奥田雅子さん(46)は「作業を見てくれたら、しっかり食べてくれるかも」とHPに期待する。
料理の説明も、ゆで上がりの目安や別の調味料を使ったバリエーションなど家庭での調理の参考になるよう配慮する。「岩国レンコンは穴が九つあって、普通のレンコンより多い」といったうんちくも盛り込む。「内容が深い」と保護者にも評判がいい。
中国料理や揚げ物類が好きな子が多いが、バランス良く栄養摂取できる和食を食べさせたい。広島市ではいりこ、昆布、大豆の3品目の伝統的な健康食材を献立に定期的に組み込む。HPでもこの3品目に加え、切り干し大根やひじきなど児童が苦手な食材ほど何度も登場する。
「『また切り干し大根か』と思われるかもしれないが、それが日常の食。献立はありきたりでも、家庭では入れない具が入っていた、同じ食材でもこれなら食べやすい、といったヒントを見つけてもらえたら」
家庭での食育実践を期待し、丹念につづった給食の記録。今月3日で92回を迎えた。(澄田真)
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| 調理作業を撮影する森山さん(右端)。給食に掛ける手間と愛情を伝えたいという |
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2009年12月19日 神奈川新聞
文部科学省の全国体力テストで、県内の小学5年と中学2年の結果は昨年に続いて低迷した。県教育委員会は「今後の指導に役立てるためのテストであり、順位は関係ない」とするものの、「ほとんどの種目で全国平均を下回っているのは残念なこと。これまでの取り組みを検証して改善を図りたい」としている。各校で生活習慣の見直しなどを推進する方針だ。
8種目の実技テスト結果を1〜10点で評価した体力合計点(80点満点)の都道府県別(公立)の比較では、県内の小学5年は男子が53・07点で42位(昨年39位)、女子が52・38点で最下位の47位(同46位)。中学2年は男子が39・39点で41位(同41位)、女子が45・58点で39位(同40位)だった。
種目別で県内の記録が全国平均を超えたのは、小学5年男子の握力、50メートル走と、同女子の長座体前屈にとどまった。中学2年は、昨年同様に男女とも全種目で全国平均を下回った。
県教委保健体育科によると、昨年の結果を受けた分析で、福井県など全国体力テストや学力テストで好成績を残している地域では、運動、睡眠、食事などの生活習慣のバランスがいいことなどがあらためて確認されたという。
そのため、各校ではこれまでにも増して児童、生徒に対し「朝食をしっかり食べる」「十分な睡眠を取る」など、生活習慣の見直し指導に力を入れている。休み時間に子どもたちが外で遊ぶように教員が働き掛けることや、体育の授業の工夫、部活動の活性化なども重視している。
また、今後は、教員が指導する際の言葉の掛け方や、ボールの投げ方などの運動のこつまできめ細かく盛り込んだ冊子を作成し、各校に配布するという。
◇
行政刷新会議の事業仕分けで大幅縮減を求められた文部科学省の全国体力テストは、来年度予算の概算要求で約2億8千万円が計上されている。前年度と同様の調査結果が17日公表され、学校現場からは「今後は抽出調査で十分だ」と削減を支持する声も出ている。
文科省はこれまで、小中学生らを対象に50メートル走や反復横跳びなど8種目の運動能力を抽出で調査してきた。刷新会議はこの調査との重複を指摘し、全員調査の必要性に疑問を投げ掛ける。
長崎県の小学校教員(51)も「授業時間を減らされているのに、書類作成や調査票の記入に丸1日かかる。現場の負担感は大きく、全員調査はやめてほしい」と話す。
予算編成が大詰めを迎え、文科省は抽出調査への変更について検討を始めた。だが、同省幹部は「従来の調査と同じでは意味がない。数年に一度全員調査を実施し、実態把握をする方法もある」と頭を悩ませる。
東京都内の公立小校長は「体力は目に見えにくく、個々の子どもが自分の体を見つめ直すいい機会になった」と調査に一定の理解を示した。
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2009年12月17日 東京新聞
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2009年12月02日 神奈川新聞
茅ケ崎市教育委員会は1日、現在弁当持参が基本となっている中学校給食について、デリバリーランチを導入するための調査・研究を行う方針を示した。同日開かれた市議会12月定例会の本会議で、滝口友美氏(公明)の一般質問に答えた。
滝口氏によると、デリバリーランチとは当日朝に申し込み、昼休みに届けてもらう弁当配給システム。大阪府箕面市の中学校で今年9月から導入。価格は400円で、1日100人前後が利用しているという。県内では寒川町や愛川町の中学校でも、弁当と併用してデリバリー方式の給食を実施している。茅ケ崎市は同様の取り組みとして、2004年12月から06年3月までの間、市立中学校3校で弁当販売を試行的に実施したものの、あまり利用されなかったという。
和田誠一教育総務部長は「昨今、いろいろな事情で弁当を持たせることが難しい家庭もあり、持参しなかった生徒のために教員がコンビニ弁当を買いに行っている」と学校現場の状況を説明。デリバリーランチ導入への課題として、衛生管理や栄養面、事業者の有無などを挙げる一方、「(弁当販売の)試行から数年が経過しており、まずはニーズを含む現状を再確認しながら、調査・研究をしていきたい」と答弁した。
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2009年11月25日 毎日新聞
無理なダイエットに走ったり、1人暮らしの不規則な食生活で、大学生の栄養バランスが崩れている。大学の学生食堂は実家へ食堂利用履歴を通知したり朝食専用の食券を発行するなど、さまざまな知恵をこらして学生の「食育」を進めている。【井崎憲】
◆食事内容詳細に印字
クレジットカードの利用履歴のような用紙には、熊本大(熊本市)のある学生が、大学生協食堂を利用した月日と時間帯、メニュー、栄養価などの詳細なデータが1カ月分、印字されていた。全国の大学で521カ所の学生食堂を運営する全国大学生活協同組合連合会(東京都杉並区)加盟の九州の7大学生協が04年から始めた「ミールカード」サービスの一環で、リポートは希望に応じて本人や保護者宅に毎月、郵送される。
熊本大の場合、食事代を前払いする形で17万5000円(1年生16万円)のミールカードを購入すれば、生協食堂で毎日1100円までの食事が最大280日分利用できる。食堂の精算レジで記録された食事内容はコンピューターサーバーに蓄積され、利用履歴のリポートに使われる。カード購入者にプレミアムを付けたうえ、保護者にも大学生の食生活に関心を持ってもらうことで、偏食や欠食を防ごうと始まった。
全国大学生協連の広報担当は「仕送りしても、食費を切り詰めて他のものに使われることもある。親は食事にしか使えないカードを買ってあげることで安心できるし、利用履歴リポートを見て、どんな食事をしているのか分かるので好評です」と話す。ミールカードは現在、全国約70大学の生協に広がっている。

「今の学生は栄養バランスへの意識はあるが、実態が伴っていない」。東京農業大(世田谷区)生協の茂木芳久専務理事は同大に通う学生の気質をそう説明する。
学生たちは3年生の早い段階から就職活動で生活スケジュールが窮屈になっている。さらに不景気で仕送りを減らされているため、アルバイトを増やす一方、食費は節約する不健康な生活を送る傾向にある。
全国大学生協連が60年代から実施している学生生活実態調査では、昨年秋の段階で、1人暮らしの食費は1カ月2万4430円。70年代後半と同じ水準だった。
東京農大生協食堂は、1回の平均利用額が一般食堂より割安の約400円。それでも、利用者は減少している。茂木さんは「経験上、不景気になると安い生協食堂の利用は増えるが、今回の不況は相当深刻なようだ。コンビニでおにぎりなどを買ってテークアウトで食べる学生が多い」と話す。
食堂では食券のつづりを20食分1万円、80食分4万円で発行している。代金は保護者が振り込み、学生が食券を受け取る際に「保護者への報告はがき」が手渡される。親とのコミュニケーションを増やしてもらうことで、食生活改善のきっかけになればという狙いがある。食券は現在、下宿生を中心に約160人が利用する。
昼食時に利用していた同大醸造科学科3年、田村良樹さん(21)は和歌山県出身。実家はお酢の醸造元だけあって、栄養バランスにはかなり気を使うという。「自炊して作り置きもしています。食券は親が代金を振り込んでくれたので、昼食代は心配しなくていい。今の時代、恵まれている方だと思います」と話した。
内閣府が今年2〜3月、首都圏や関西を中心に大学生約1200人に食に関する実態や意識を調べた調査がある。所属学部を四つに大別して見ると、食事の栄養バランスを意識している割合は▽医歯薬学67・9%▽人文科学59・5%▽理工農学・家政58・5%▽社会科学58・1%。医学部系学生をはじめとして、関心は決して低くない。全体で見ると、男性より女性、自宅生よりも自宅外生のほうが栄養バランスへの意識が高い傾向だった。
一方、大学生で目に付くのは朝食を抜く傾向で、朝食をほぼ毎日食べる割合は61・1%。全国学力テストの生活調査で「毎日食べている」と答えた中学3年生の81・2%(08年度)と比較してかなり低くなっている。食べない主な理由として▽「もっと寝ていたい」60・5%▽「身支度などの準備で忙しい」39・1%▽「朝食を食べるのが面倒」32・1%−−などが挙げられている。
「せめて朝食だけは」と、午前中の早い時間帯に限って割引などを実施し、食堂利用をアピールする作戦が各大学で行われている。
京都大(京都市左京区)は07年の生活実態調査で、朝食を毎日とる自宅外生が59・6%と前年より6・3ポイントダウンし全国平均も下回った。このため、大学生協が運営する食堂は昨年4月から、午前8時〜同10時半の朝食帯専用食券を発行、12%のプレミアムを付けて売り出したところ、1日の朝食利用者は前年の240人から650人に増えた。自宅外生の朝食摂取率も64・9%に伸び、今年もほぼ同様の取り組みを続けている。
慶応大の学生組織「学生健康保険委員会」は06年から、組合費還元の一環として、朝食サービス週間を設けて無料や格安の朝食を提供している。
今年は6月8〜12日の5日間、1年生の多い日吉キャンパス(横浜市港北区)の食堂で朝食時間帯に500円相当の和食定食を100円で提供した。初日はすぐに100食を完売し、期間中で800食の利用があった。慶応大学生健保は「利用者アンケートでは7割以上が朝食を取るきっかけになったと回答した」と話しており、来年も続ける予定だ。

大学生の中でも下宿生は生活で相当の裁量権があり、それが悪いことに食生活の乱れにつながっている。大学は食育の最後の場。栄養バランスの取れたメニューや食育情報を提供する場として生協などが運営する学生食堂は貴重で、もっとアピールしていいし、大学も巻き込んでカリキュラムに食育を盛り込む必要がある。海外で仕事相手と食事になれば自国の食事情が話題になるもの。魅力的な国際人になるためにも、きちんとした食習慣を身につけてほしい。
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■ことば
食物の生産方法や摂取方法、食品の選び方のほか、食に関する文化などについて、広い視野から教育すること。栄養バランスの偏った食事や男性の肥満・生活習慣病、女性の過度のダイエットが目立ち、自給率低下や食品をめぐる安全上の問題も相次いだため、05年に食育基本法が施行された。国や自治体のほか、教育関係者についても食育への理解を推進することが求められている。
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2009年9月25日 神奈川新聞
朝食を食べない国民の割合を0%に-。国は2010年までの目標値を掲げ、食育を推進している。子どもの朝食欠食率は少しずつ低下してきたとされるが、手軽な食品が巷(ちまた)にあふれ、朝食を食べたのか欠食なのか、その線をどこで引くかはっきりしない。牛乳や野菜ジュース、ゼリー飲料を飲むだけで朝食? チョコやクリームなどの菓子パンは? 朝食の定義は、国の関係機関、教育現場でも悩ましい問題だ。
■厚労省は厳格化 朝食の定義は? 内閣府食育推進室に聞くと、栄養が取れるか取れないかが問題とし、「飲み物だけでも何も食べないよりはベター」という。「例えば、コーヒーにミルクと砂糖を入れれば朝食とするなど定義はあると思うが、正確には調査先に聞いて」と回答。
20、30代男性の朝食欠食率を調べた厚生労働省の調査では欠食の定義を、【1】菓子、果物、乳製品、嗜好(しこう)飲料などの食品のみ【2】錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンク剤のみ【3】何も食べなかった-としている。同省生活習慣病対策室は「例えば菓子パンは(パンではなく)菓子」と解釈。欠食の対象という。
■ぼやける境界線 一方で、子どもの朝食欠食率を調査している文部科学省所管の独立行政法人「日本スポーツ振興センター」は、朝食欠食を定義していない。設問は「必ず食べる」「1週間に2〜3日食べないことがある」「1週間に4〜5日食べないことがある」「ほとんど食べない」からの選択だけだ。
同センター食の安全課は「菓子パン1個で朝食とみる人もいれば、栄養面では朝食でないという人もいる。(栄養補助食品の)ゼリー飲料は栄養バランス的には食パン1枚よりもいいけれど…」と、困惑した様子。「ライフスタイルはさまざまなので、朝食の定義をどこまで決めていいものか分からない」
神奈川県は03年3月に食育推進計画「食みらいかながわプラン」を策定。子どもの朝食欠食率については、12年度までに0%に近づける目標を立てた。
同計画では「望ましい朝食の献立例」として、主食と主菜、副菜、みそ汁などを例示しているが、朝食の欠食に関する定義はない。
県教委保健体育課給食班によると、1日に必要なカロリーを3食でバランスよく取っていれば、どんな内容でも立派な食事。バナナ1本という形態もあり、良い朝食、悪い朝食というのはないという。
■"自分流"の解釈 県内の公立小・中学校の校長らは「飲み物だけでは朝食にならない」という点ではおおむね一致した見解だ。川崎市川崎区の小学校のある校長は「ご飯やパンを付けて朝食といえる」。「炭水化物の摂取で1日の活動を保持できる」「授業で集中力を持てる」と、主食を重要視する意見は多い。
「咀嚼(そしゃく)活動を伴わなければ食事でない」と指摘するのは、横浜市港南区の中学校長。南足柄市の小学校の校長も「歯と口を動かすことで目が覚めて、一日のスタートが切れる」と噛(か)む食事を望ましいとしている。
一方で、「夜にご飯をたっぷり食べて朝は軽く済ます家庭もあり、一概に内容について云々(うんぬん)できない」(相模原市の小学校長)との声もあった。
朝食とおやつの線引きでは、校長らはメロンパンやジャムパンなどの菓子パンはおやつ、コロッケなどの総菜を挟んだ調理パンやレーズンパンは朝食との考えが多い。「甘い菓子パンでもスープや目玉焼きなども一緒に食べれば朝食」(南足柄市の小学校)と全体のバランスをみる意見も。
「ジャムパンはおやつだが、食パンにジャムを塗るというのは朝食」(川崎市川崎区の小学校長)と言い切る意見がある一方、「食パンにジャムというのは、ご飯にノリと同じといえるのか」(相模原市の小学校長)と思い悩む声もある。
定義があいまいなままの朝食欠食の調査には、調べる意味自体への疑問の声も上がっている。
川崎市幸区の小学校長は「オレンジジュースや牛乳だけで朝食といえるならば何のための調査か」と指摘。「子どもの健康や成長にはどういう朝食が望ましいのかを追求する調査ならば、ふさわしい朝食をしっかり定義付けるべきだ」
◆朝食欠食の調査 独立行政法人「日本スポーツ振興センター」が公立小・中学校に2006年1月に行った全国調査では、「ほとんど食べない」と回答したのは小学生3・5%、中学生5・2%だったが、07年11月の調査では、小学生1・6%、中学生2・9%に減少。厚労省が約3600世帯約8900人に行った調査では、06年11月に30・5%だった20代男性の朝食欠食率は、07年11月には28・6%に減少。一方で、30代男性は22・8%から30・2%に増えた。県教委保健体育課によると、県内の公立学校を対象にした07年度調査では、朝食を「ほとんど食べない」「食べない日の方が多い」と答えた割合は小学生5・0%、中学生11・3%、高校生17・1%。00、01年の調査よりもいずれも欠食率は減少した。
朝食の欠食の線引きはどこか、意見を募集しています。神奈川新聞報道部教育担当あてにメールでhoudou@kanagawa-np.co.jp
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