![]()
神奈川県教育委員会は、定時制高校の夜間給食を廃止する方向です。
定時制には給食が必要です。
高校生の就活は例年になく厳しく、内定率は7割/神奈川県内 2010年03月02日神奈川新聞
高校奨学金の貸付月額、選択幅拡大を検討/神奈川県教委 2010年02月25日神奈川新聞
滞納に過去の授業料も貸し付け 09年度、高校生に厚労省 2010年02月12日共同通信配信
日系人家庭実態 教研集会で報告 貧困で欠食、何度も転校… 2010年01月26日神奈川新聞
日教組教研集会:山形で開幕 /山形 2010年01月24日 毎日新聞(山形)
貧困や格差の報告相次ぐ…日教組が教研集会 2010年01月24日 読売新聞
【社説】社会展望 そこにある「貧困」知る 2010年01月06日神奈川新聞
国保無保険の高校生世代1万人 親が保険料滞納で 2009年12月16日共同通信配信
【投書】貧困撲滅へ勉強したい 2009年12月15日東京新聞
貧困率:母子家庭など一人親世帯で54.3% 厚労省調査 2009年11月14日毎日新聞
無保険の子:高校生も救済 18歳まで、来夏にも交付−−厚労省方針 2009年11月08日毎日新聞
無保険の高校生:救済対象外、数千人存在 厚労省が調査へ 2009年11月05日毎日新聞(夕刊)
<貧困率>06年時、日本15.7% 先進国で際立つ高水準−−政府初算出 2009年10月20日毎日新聞
日本の貧困率は15・7% 07年、98年以降で最悪 2009年10月21日神奈川新聞(共同通信)
参院補選アンケート 高校授業料無償化 2009年10月21日朝日新聞(神奈川)
学ぶ権利、格差に「NO」 高校生も政治に訴え 2009年09月01日朝日新聞
【選択のとき 09総選挙】争点を歩く (1)格差 2009年08月24日朝日新聞(京都)
月収10万円未満4割 奨学金受ける高校生の母子家庭 2009年07月28日朝日新聞
働く高校生も派遣切り、雇い止め 2009年07月27日読売新聞
2010年03月02日 神奈川新聞
卒業を控えた高校生の就職戦線が例年になく厳しい。神奈川労働局の1日の発表によると、1月末の県内の内定率は73・5%で、前年同時期の83・2%から9・7ポイント下がった。高卒対象の求人数も半分程度にとどまっている。
「親に頼れない事情があるので、なんとか就職したい」。横浜市内で2月15日に開かれた企業説明会。高校3年生の女子生徒(18)=横浜市南区=が、企業のブースを懸命に回っていた。
事務職志望だが「高校生の求人は少ない」と感じている。仕事が見つからなければ、今のコンビニエンスストアのアルバイトを卒業後も続けるつもりだ。
就職内定率の性別の内訳は男子75・6%(8・8ポイント悪化)、女子70・5%(11・2ポイント悪化)。例年のペースでは1月末時点で8割を超えるが、今年は極めて鈍い。高卒者対象の求人数は6969人(前年同期比45・7%減)と大きく減少。自動車や機械関連の製造業では7割近く落ち込んでいる。
ただ統計上は高卒者の県内求人倍率は1・46倍。実数をみれば求人が求職を上回っている。求人の絶対数が減った分、ミスマッチが目立つ状況だ。
横浜市内の部品メーカーは高卒者採用を絶やさず、今年は横須賀市内から2人を採用した。社長は「地元に仕事は乏しいはず。社会的役割だと考える」と言い切る。横浜市内で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人も2年前から高卒新人の採用を始めた。人手不足の介護現場だが「他業種経験者がすぐに働くのは難しい職種。新卒者を教育する方がよい」(担当者)。
生徒の希望職種と企業の求人職種のずれが壁になる。学校でも進路相談で介護分野などの求人の紹介をしているが、「就職が決まらないからといって、生徒を無理に誘導しても結局は早期離職につながる」(県教委)とのジレンマもある。
このページのトップへ
![]()
2010年02月25日 神奈川新聞
県教育委員会は25日、高校奨学金の貸付月額の選択幅拡大に向け、前向きに検討する方針を明らかにした。県議会本会議で、竹内英明氏(自民、横須賀市)の一般質問に、山本正人教育長が答えた。
高校奨学金の貸付月額はこれまで一律で、国公立の生徒は2万円、私立の生徒は4万円だった。県教委は2010年度から選択制を導入し、国公立は1万8千円か2万円、私立は3万円か4万円を選べるようにする。
山本教育長は「貸付月額の選択制は、奨学金を借りやすく、返しやすい制度にする観点から検討してきた。少額の貸付月額を選択してもらうことで、限られた予算を有効に活用し、より多くの生徒への貸し付けが可能になる」などと選択制の狙いなどを説明。
選択幅の拡大については、「今回の改正趣旨に沿うものであり、4月以降の選択の状況をしっかりと把握し、奨学生と保護者からの意見も伺い、前向きに検討していきたい」と語った。
このページのトップへ
![]()
2010年02月12日 共同通信配信
厚生労働省は12日、授業料を滞納し今春の卒業が危ぶまれている高校生を対象に、2009年度に限り、過去にさかのぼって授業料の貸し付けができる制度を設け、都道府県に通知した。
事業は、都道府県の社会福祉協議会が実施する「生活福祉資金貸付事業」の教育支援資金。高校生は月額3万5千円を上限に借りられるが、これまで年度をまたいで滞納した授業料をさかのぼって融資を受けることはできなかった。
無利子で返済期限は20年間。未納総額を一括しての借り入れも可能。政府は10年度から高校授業料の無償化を行う方針のため、09年度限りの措置とする。
大学生については、奨学金などほかの支援制度が充実していることから、事情に応じて融資を検討する。
このページのトップへ
![]()
2010年01月26日 神奈川新聞
景気悪化で日系ブラジル人家庭などが深刻な貧困に陥り、子どもが朝食を抜いたり転校を繰り返したりする状況が、山形県で25日まで開かれた日教組の教育研究全国集会で報告された。
群馬県の小学校の男性教諭は、派遣社員でブラジル人の父親の転職などに伴い関東各地で7回の転校を繰り返してきた父子家庭の3年生男児について報告。
友達ができずに孤独感を持っていたことから、「笑顔大作戦」と名付けたクラス作りに取り組み、図工の模型製作など男児の得意分野を同級生にアピールし、自信を持ってもらうよう努めた。男児は友達もできた一方で、朝食も食べずに登校する日が増えた。転入から3カ月後、また転校してしまった。同教諭は「経済状況に振り回され短期間で転校する例が増えている。子どもたちにはせめて良い思い出を持たせたい」と話した。
三重県の小学校の女性教諭は、ブラジル人の母親が仕事に就けず、会社員の長女の収入でやりくりしている母子家庭の1年生女児について報告。
女児の家ではガスや電気が止められる事態も。女児が放課後学習の帰り道に「お母さん働いていない。首になった」「お風呂はね、冷たい水なの。凍える」と告白するのに心を痛めた。同教諭は一家を励まそうと何度も家庭訪問。母親がブラジルのダンスを教室で教える授業を実現し、女児にも母親にも自信をつけてもらえたという。
このページのトップへ
![]()
2010年01月24日 毎日新聞山形
23日始まった日本教職員組合(日教組)の第59回教育研究全国集会(教研集会)は、山形市平久保の山形ビッグウイングで開かれた全体集会に全国から集まった教員ら約3000人が参加した。午後からは山形、上山、天童の3市の会場で開かれた分科会に分かれ、実践報告と議論を繰り広げた。24日も各分科会で報告がある。
全体集会で、中村譲委員長は「6〜7人に1人の子供が就学困難な相対的貧困層にいる。『貧困と格差』を解消し、機会均等の教育条件整備を図ることが課題」とあいさつ。門脇玄県教組委員長は、1951年刊行された山元村(現上山市)の中学生がつづった詩・作文集「山びこ学校」を紹介しながら「厳しい中にも人々の助け合いがあった時代と違い、現代は、自己責任と切り捨てられてしまっている」と述べた。
全体集会には、大泉敏男連合山形会長や山口常夫県教育長が来賓として出席した。
「家に食べるものもお金も無く、小麦粉をこねてうどんにして晩ご飯に食べた」「夏服が買えない」「ガスが止められ水のシャワーでしのいでいる」−−。格差拡大などで生じた貧困家庭に置かれた子供の実態を北陸地方の高校の女性教諭(59)が、教研集会の「自治的諸活動と生活指導」の分科会で報告した。女性教諭は「『低学力』や『問題行動』の原因の多くは、貧困などで家庭の生活基盤が崩れた社会矛盾の結果だ。所得格差が教育格差に直結している」と主張した。
女性教諭は、小麦粉をこねたうどんを食べた生徒や、弁当を持ってこられず、友達から弁当の残りをもらっている生徒を紹介した。勤務先の高校の保護者には、派遣や非正規の労働者が多く、08年秋のリーマン・ショック以降の深刻な不況による保護者の困窮が生徒の生活を直撃している現状を訴えた。
そんな中で、女性教諭は、お金の都合がつかず修学旅行に行けなくなった生徒とは、じっくり話し合い、家庭の現実を直面させた。「お母さんは派遣で一生懸命働いて頑張って倒れた。お金が無いのはお母さんが悪い訳ではない」と生徒自身の言葉で気持ちを整理させた。
また、社会保障費の削減や所得格差の広がりなど現在の社会状況を授業で取り上げた時には「生活保護を受けているから定額給付金をもらえない」と、1人の生徒が話し始めたのをきっかけに、アルバイトで授業料を払ったり、家計を助けている生徒が多いという現実をみんなに話した。
一方で「公務員の先生に、民間の苦しい生活は分からない」と、貧困に苦しむ保護者から責められたり、家庭環境が原因で荒れる生徒に悩み精神疾患で休む教員が増えている現状も報告した。
参加者からは「私の地域も同じ。骨折しても医者に行けない小学3年生や、靴が無くて裸足で通学する女児がいる」(山口)などの意見が出た。
女性教諭は「貧困や貧困に伴う問題は、生徒自身や家庭が原因ではなく、社会の構造に問題があることを生徒に伝えたい。そして、問題から逃げずに向き合い、おかしいと声を出せる大人になってほしい。我々教員も、子供と悩みを共有し、受け止めていくことが重要ではないか」と話した。【林奈緒美】
全盲で知的障害があり、質問に「はい」と「いいえ」の意思表示でしか答えられなかった盲学校中等科の生徒が、2年間の粘り強い指導と学習で、友達と簡単な会話ができるまでになった。山形盲学校(上山市)の金子みどり教諭(48)が、教研集会の障害児教育の分科会でこんな報告をした。金子教諭は「言葉は単なる道具ではない。言葉を覚えたことで、行動が積極的になり、人間関係が豊かになった。人が持つさまざまな能力が引き出された」と話している。
金子教諭が07年から2年間担任した中等科の全盲で知的障害のある生徒は、相手の質問には、「ハ」と発音して「はい」の意思を、お尻を横に振って「いいえ」の意思を示して答えるのが精いっぱい。この他、意思を示すサインは「食べたい」「おしっこ」などわずか20個。発音も「ハ」や「キャ」など6個の音しか発せられなかった。そのうえ、サインも音も意思と無関係に出すことも多く、母でさえ生徒が何を言いたいのか分からなかった。何が食べたいのかを聞くだけで膨大な時間がかかった。
金子教諭は「サインと発音できる音を増やせば、生徒が周囲に働きかけ、より豊かで楽しい生活を送れる」と考えた。頭に拳を添えるポーズは「ごめんなさい」、両手をたたく時は「もっと」、片手をほおに当てる仕草は「おいしい」−−など写真と解説付きのサインの一覧表を作成。また、「熱が出た」など使わなければならない言葉から順番に、生徒と一緒にその言葉を表す新しいサインを決めた。同時に、意味を意識して発音するよう特訓した。
2年後、サインは170に増えた。音を組み合わせることで▽「ウア」で「歌」▽「アプ」で「アップル」▽「チャ」で「着席」−−などと音を単語と対応して発音できるようになった。生徒はそれまで受け身でおとなしかったが、サインと音を覚えるに従い、母を呼んで音楽を流すよう頼んだり、友達が欠席すると涙を流す仕草をして「悲しい」と表現するなどさまざまな意思を示すようになった。
金子教諭は「言葉で生徒の生活が豊かになった。まるで人形のようだった生徒が、感情を人間的に細やかに表せられるようになった。人の持つ可能性に驚いた」と、言葉の持つ力は大きいと話した。【林奈緒美】
教研集会全体集会の会場となった山形ビッグウイング周辺には、全国から右翼団体約30団体約150人が集まり、街宣車約30台に乗り、拡声機で大声を張り上げ、日教組の集会開催に抗議した。
県警は県外も含め約1500人の警察官を動員して警備。周辺の道路を関係者以外進入禁止にした。右翼団体は徒歩や街宣車で、進入禁止の突破を図り、機動隊と一時小競り合いになったが、検挙者やけが人は出なかった。【浅妻博之】
このページのトップへ
![]()
2010年01月24日 読売新聞
日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)が23日、山形市などで3日間の日程で始まった。長引く不況の影響もあり、初日から貧困や格差に関する報告が相次いだ。
「(自宅の)ガスや電気を止められた」「弁当代がないからお昼抜き」。北陸地方の県立高校の女性教諭(59)は、日ごろ目の当たりにしている生徒たちの肉声を紹介した。
家族3人で1週間を2000円でしのぐ女子生徒や、母子家庭の母親が過労で倒れ、修学旅行代が払えない男子生徒もいて、「家計を支えるため、子供にアルバイトをさせて」と頭を下げる親もいるという。女性教諭は、「貧困や格差は社会全体の問題。子どもの責任ではない」と訴えた。
宮城県の公立中学校の高木克純(よしずみ)教諭(53)は、教育費の問題を社会科の授業で取り上げた事例を報告。高校授業料が無償化されても、制服代などもあり、初年度は30万円以上が必要だと説明すると、生徒からはため息が漏れたという。消費者金融の実態や派遣切りの現実なども授業で扱う高木教諭は、「自分を守る力を付けてやりたい」と話す。
保護者の負担軽減のため、市販の教材は使用せず、針金や電池などで電磁石を作った事例報告を24日に行う鹿児島県の公立小学校の事務職員(39)は、「学校も出来ることに取り組まなければ」と力を込めた。
こうした現実について、23日の全体集会では、日教組の中村譲委員長が「現政権の下で改善が進むと期待している」と語り、文部科学省の高井美穂政務官は、「教育は本来、社会全体を活性化させるもの。第一線で任に当たる日教組にも一層のご努力をお願いしたい」と述べた。
このページのトップへ
![]()
2010年01月06日 神奈川新聞
「格差」という言葉が社会に広がってどれほどたつだろうか。いっこうに解消されることなく世の中に横たわった格差のぬかるみから黒い芽を出すかのように、このところよく使われるようになってきたのが「貧困」という言葉である。
勝ち組、負け組などの相対的、表面的な表現が主だった「格差」と違い、「貧困」にはその日の生活にも事欠くという絶対的な重み、深刻さがある。社会のひずみが、ある部分では行き着くところまできてしまったということであろう。
政府は昨年10月、初めて「相対的貧困率」を発表した。それによると、全人口の可処分所得中央値の半分に満たない貧困層の割合は、2007年の調査で15・7%。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国で4番目に高い数字だった。
見逃せないのが、ひとり親世帯の貧困率が54・3%と、極めて高い割合になったことだ。最近では「子どもの貧困」という言葉もよく使われるようになった。十分な教育を受けられないだけでなく、1日3度の食事を食べられなかったり、満足な医療が受けられなかったりする子どもが増えている。
相対的貧困率は、国民の格差を示す色合いが強く、生活困窮者の割合とイコールではない。だが、もちろん、手をこまぬいたままで経済状況が良くなれば解消するという問題でないことは明らかだ。特にひとり親世帯の貧困は、貧しさが親から子へと引き継がれ、格差が固定化していく悪循環を表している。すぐにでも対策が必要な瀬戸際にあると認識すべきだ。
警察庁のまとめによると、刑法犯の発生が03年以降全国的に減り続けている中で、昨年はひったくりや万引、強盗が増加した。中でもコンビニを狙った強盗は5割以上の増加だ。この種の強行犯は「不況型犯罪」とも呼ばれ、失業率や貧困率の上昇との関連が指摘されている。
貧しさは、それが社会の一部分であっても全体に不安を与える。影響を受けるのは平穏な暮らしを求めるすべての人だ。その解消には労働、医療、福祉、税のあり方など、あらゆる分野への目配りが必要となる。
新しい年に「貧困」の言葉の重みをかみしめ、特に自分は無縁だと思っている人たちが、社会全体の問題ととらえることから始めなければならない。
このページのトップへ
![]()
2009年12月16日 共同通信配信
保護者が国民健康保険(国保)の保険料(税)を滞納して子どもが“無保険”状態になっている問題で、厚生労働省は16日、4月に施行された改正国保法の救済措置で対象外とされた高校生世代が約1万600人いるとの調査結果を発表した。
厚労省は来年の通常国会に国保法の再改正案を提出し、高校生と同年代の若者を含む高校生世代も、中学生以下と同様に救済措置の対象に加える方向で検討している。
昨年12月の改正国保法で、中学生以下については今年4月から救済措置が導入され、親などが保険料を滞納していても6カ月間有効の短期証が交付されることになったが、高校生世代は対象外だった。
調査は今年9月に全国の自治体を通じて実施。都道府県別にみると、もっとも多かったのが神奈川県の1180人で、福岡県の1118人、千葉の947人が続いた。
このページのトップへ
![]()
2009年12月15日 東京新聞

このページのトップへ
![]()
母子家庭などの一人親世帯の相対的貧困率が06年時点(07年調査)で54.3%だったことが厚生労働省の追加調査で分かった。03年時点は58.7%で、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最悪だった。やや改善されたとはいえ、依然、半数以上が貧困状態で、先進国の中で最悪の水準だ。
相対的貧困率は、国民一人一人の所得を順に並べ、真ん中の人の所得額(中央値)の半額(貧困線)に満たない人の割合。06年時点で、中央値は228万円、貧困線は114万円だった。
厚労省は10月20日、政府として初めて国民全体の相対的貧困率を発表、06年は15.7%だった。追加調査では、子供がいる現役世帯(世帯主18〜64歳)のデータを拾い直した。その結果、子供がいる現役世帯の相対的貧困率は12.2%で、大人(18歳以上)の数で分けると「大人が2人以上」は10.2%、「大人1人」が54.3%だった。
山井和則厚生労働政務官は「大人1人の家庭は母子家庭が多い。子を抱えて正社員になれない中、貧困状態の脱出が難しくなっている」と分析した。
母子家庭の当事者団体、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事は「政府は数字を出したのだから『ゆゆしき事態』と認識し、行動計画をたててほしい」と話した。【佐藤浩】
このページのトップへ
![]()
親の国民健康保険(国保)の保険料滞納で生じた「無保険の子」問題で、厚生労働省は上限を「15歳以下の中学生」としてきた救済対象を、「18歳以下の高校生世代」にまで広げる方針を決めた。来年の通常国会に国保法の再改正案を提出し、来年夏にも導入する。今年4月実施の救済策で放置されていた、数千人規模の「無保険の高校生」に新たに保険証が交付されることになった。
中学生以下の「無保険の子」には今年4月から、短期保険証(期限6カ月)が一律交付されている。同省は、「18歳未満の救済」を掲げていた民主、社民、国民新の3党が政権に就いたことなどから、高校生世代の救済についても検討。救済対象の人数などを把握するために、今月、市区町村を通じて初の全国調査を始めた。
法改正の可否についても省内部で議論した。児童福祉法が対象年齢を「18歳未満」としている▽民主党がマニフェストで「高校の実質無償化」を掲げ、高校生の心身の健康確保が必要−−などの観点から、来年の通常国会への法案提出を決めた。
救済範囲は「18歳に達した年度の年度末まで」になる見込み。国保会計は市区町村が管轄しているため、新たな国庫負担(予算措置)は不要となる。
「無保険の高校生」については昨年度、毎日新聞が全市区町村を対象に独自調査を実施。回答があった1103自治体のうち、少なくとも330自治体に4367人存在することが判明している。ただ、実数を把握していない自治体も多く、年内にもまとまる予定の国の全国調査結果が出るまでは正確な全体像は不明。厚労省は、人口比率などから割り出した推計値から、全国で7000人程度とみている。
高校生世代の救済については、子育て支援や人道上の理由から、独自に救済に乗り出している自治体もある。札幌市が昨年12月、独自に保険証を交付したのをはじめ、毎日新聞の調査では、昨年度、全国155自治体(回答数のうち14%)が独自救済策を導入している。【平野光芳】
厚生労働省の方針決定で、来年夏にも、高校生世代の「無保険の子」が保険証を手にすることになった。今年4月に始まった中学生以下の救済に続き、「子どもは社会で守る」との意思が1年越しで完遂されることを評価したい。ただ、問題の背景にある、国民健康保険(国保)の制度疲労や子どもの貧困などの課題も忘れてはならない。
国保料滞納を生む要因の一つが、割高な料金だ。国保は市区町村を単位とする相互扶助が原則で、事業主負担もなく、保険料が会社員の数倍に達する場合がある。高齢者や非正規雇用労働者の加入が増え、「お金がない人から無理やり徴収する」性格が強まっている。
一方、保険証があっても、窓口で3割負担すらできなければ、そもそも病院には行けない。政府が先月公表した、06年の「子ども(17歳以下)の相対的貧困率」は14・2%で、03年の13・7%より悪化している。
「無保険の子」問題では、独自に高校生世代に保険証を交付している自治体もある。厚労省の方針決定を受け、救済の輪が一日も早く、全国に広がってほしい。同時に、国と自治体、加入者の負担のあり方など国保制度の見直し議論や、親から子への貧困の連鎖を断つための手厚い支援にも目を向ける必要がある。【平野光芳】
このページのトップへ
![]()
2009年11月05日毎日新聞(夕刊)
親の国民健康保険(国保)の保険料滞納で生じた「無保険の子」問題で、厚生労働省は5日、昨年12月の国保法改正で救済の対象外とされた「高校生世代」の子どもの実態を全国調査する方針を決めた。「無保険の高校生世代」は全国で数千人規模存在するとみられているが、公式な調査は初めて。結果は年内にもまとまる見込みで、救済対象の拡大を求める声が一層高まりそうだ。【平野光芳】
「無保険世帯」で暮らす、高校生世代の人数(今年9月時点)を全国の都道府県を通じて集計。国はその後、救済拡大の必要性を判断する。
「無保険の高校生」については昨年度、毎日新聞が全市区町村を対象に独自に調査を実施。回答があった1103市区町村のうち、少なくとも330自治体に4367人存在することが判明したが、公的なものも含め、これ以外の全国調査は行われていない。
一方、中学生以下の「無保険の子」については昨年9月、厚労省が初めて実態調査を実施。約3万3000人いることが判明し、昨年12月の国保法改正で今春から、滞納世帯でも通常の保険給付が受けられるよう、期限6カ月の短期保険証の交付が市区町村に義務化された。
しかし、高校生世代については、民主党が昨年11月、社民、国民新と3党で救済対象を「18歳未満」とする改正案を提出したが、当時与党だった自民党が「親の滞納を助長する」などと難色を示し、対象外になった。
今回の調査では、中学生以下の救済策についても、親が役所に受け取りに来ることができないなどの理由から、保険証が無保険世帯に届いていない実態についても調べる。こうした調査が行われるのも初めて。
中学生以下の子どもへの保険証交付方法は市区町村の裁量に任されており、窓口交付などばらつきがある。それぞれの利点と問題点を分析して、確実に子どもに保険証を届ける方法を検討する方針。
このページのトップへ
![]()
2009年10月20日 毎日新聞
長妻昭厚生労働相は20日、国民の貧困層の割合を示す指標である「相対的貧困率」が、06年時点で15・7%だったと発表した。日本政府として貧困率を算出したのは初めて。経済協力開発機構(OECD)が報告した03年のデータで日本は加盟30カ国の中で、4番目に悪い27位の14・9%で、悪化している。日本の貧困が先進諸国で際立っていることが浮き彫りとなった。
相対的貧困率は、国民の年収分布の中央値と比較して、半分に満たない国民の割合。今回政府はOECDの算出方法を踏襲した。06年の子供(17歳以下)の「子供の相対的貧困率」は14・2%で、同様に03年のOECDデータの13・7%(30カ国中、19位)より悪化している。
03年のOECDデータで貧困率がもっとも悪いのは、メキシコ(18・4%)で、トルコ(17・5%)、米国(17・1%)と続く。最も低いのはデンマークとスウェーデンの5・3%。
長妻厚労相は「OECDの中でもワーストの範ちゅうに入っており、ナショナルミニマム(国が保障する最低限度の生活)と連動して考えたい。来年度から支給する子ども手当で貧困率がどう変化するかもシミュレーションしていく」と述べた。【佐藤浩】
政府による初めての「相対的貧困率」の測定結果が20日公表された。ここ数年、日雇い派遣など非正規雇用労働者が増加するなど低賃金労働が広がり、格差、貧困層の拡大が社会問題化する中で具体的な数字として貧困の一端が浮かび上がった。
これまで、政府による貧困率の測定が行われなかった背景には、「日本に貧困層はいない」という思い込みと、貧困率が明らかになった場合、その割合を削減しなければならないという政治的な責任が発生することがあったとみられる。政治家は自己責任論などを背景に「格差は仕方ない」とは言えても、「貧困はそのままでいい」とは言えない。世界では、貧困は解決すべき政治的な課題と見なされるからだ。
政府が一歩踏み込んで貧困率を測定したことは、貧困の現実に目を向けるという意味で評価できる。同時に、政府は貧困率をいかにして削減するかの責任を負ったことになる。
厚生労働省の山井和則政務官は貧困問題に取り組む集会で「貧困率の削減は大きな課題になる」と述べている。15・7%という数字は重い。貧困率をいかに削減するか、雇用のみならず、教育、住居など各分野で広がる貧困に、総合的に計画的に取り組むことが求められている。【東海林智】
このページのトップへ
![]()
2009年10月21日 神奈川新聞(共同通信)
厚生労働省は20日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。2007年調査は15・7%で、7人に1人以上が貧困状態ということになる。18歳未満の子どもが低所得家庭で育てられている割合「子どもの貧困率」は14・2%だった。
厚労省は今回、1998、2001、04の各年(調査対象は前年)に関しても計算しており、07年の全体の相対的貧困率は98年以降で最悪、子どもは01年に次ぐ水準だった。
長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後公表することを明らかにした。
相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(07年は1人当たり年間228万円)の半分未満しか所得がない人の割合。全体の貧困率は98年が14・6%、01年が15・3%、04年が14・9%。07年は15・7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。
子どもの貧困率は、98年は13・4%、01年に14・5%でピークに。04年13・7%、07年14・2%だった。子どもよりも全体の貧困率の数値が高いのは、年金だけで暮らす低所得の高齢者が含まれることが主な理由とみられる。
政府は60年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層の増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。政権交代で就任した長妻氏が今月上旬、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式での算出を指示。厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い算出した。
08年のOECD報告では、00年代半ばの日本は14・9%で、加盟30カ国平均の10・6%を上回り、メキシコ、米国などに次ぎ4番目に高かった。(共同通信社)
このページのトップへ
![]()
![]() |
| 08年度の県内の全日制高校進学率は88・5%。前年をさらに下回った=横浜市西区 |
清掃会社に勤める女性(60)には4人の子どもがいる。長男は独立したが、次男(16)が今春、公立の定時制高校に入学した。下には中2と小5の息子も控える。
病気がちな夫は働けず、女性が一家を支える。フルタイムで働いて給料は約20万円。生活はギリギリだ。
友だちのように、塾に行かせてやることもできなかった。家の経済状態が分かる次男は、最初から「定時制に行くから」と言ってくれた。
運動服は中学時代のジャージーを使う。無料だった教科書は有料となり、1万円弱の出費に。自治体の定める「経済的困窮」に該当したため、月2700円の授業料は全額減免(免除)になった。
「わが家に生まれたから夢も希望も持てないでは、あまりにつらい。ほぼ全員が高校に進学するんだから、せめて高校までは差をつけないで通わせてほしい」
入学後、次男はバイトで携帯電話代や小遣いを稼ぐ。卒業後は専門学校に進むと張り切っている。
高校の授業料が払えず、教育費の負担に苦しむ家庭が増えている。収入が少ない家庭を対象に、県立高校には授業料の半額、または全額を免除する授業料等減免制度がある。
県教育財務課によると、08年度の制度利用者は8188人で、生徒全体の7・04%に達した。過去5年をみると、04年度6544人(5・32%)▽05年度6889人(同5・75%)▽06年度7336人(同6・32%)▽07年度7618人(6・64%)――と利用者は右肩上がりだ。
4千人程度に支給する県の奨学金制度も、05年度以降は枠を超える応募が集まり、要件を満たしながら支給されない生徒が相次ぐ。今春には保護者の失業など家計が急変した生徒を対象にした奨学金の特別枠を設け、経済的な下支えに懸命だ。
県高校教育会館教育研究所の本間正吾教諭は「全国に比べて減免率こそ低いが、神奈川の全日制高校への進学率は88・5%(08年度)で、全国最低水準。格差、貧困は広がっており、実情にあった支援が必要だろう」と話す。
◇
総選挙で民主党はマニフェスト(政権公約)で「公立高校の実質無償化」を掲げた。
鳩山政権では実現に向けた費用4501億円を概算要求した。国公立の授業料相当額として年間11万8800円以内で支援、私立生徒にも同等額(低所得層は倍額)を助成する内容だ。返済不要の給付型奨学金の創設も盛り込まれた。 (佐藤善一)
鳩山政権は、公立高生がいる世帯に年間約12万円を間接支給するなどの「高校無償化」を掲げています。高校無償化政策への賛否とともに、あるべき公教育に対する考え方を教えてください。
(400字以内で回答を求めた。全文を掲載。上から届け出順)
◇ 自民・角田宏子氏
親の減収や失業などによって授業料を滞納する家庭が著しく増加している。家庭の経済状況によって教育の機会が失われないようにするのは、「人こそ財産」であるわが国としては当然である。自民党は従来から、公立・私立高校の授業料を減免する奨学金や都道府県への補助事業を実施してきた。しかし、学費を免除すると中退率が上がるデータもあり、本当に困っている生徒に対象を絞って、教材費などにも支援を拡大したほうが政策的効果は高い。公教育には学力の向上と日本人としての道徳を学ぶ側面がある。また、社会へ出て生計を営むための訓練も必要である。しかし、教育現場では不登校やいじめ、行き過ぎた性教育など、諸問題が複合的に重なって起きている。こうした問題を解決に導くためには、政治的中立を維持することが重要であり、民主党や日教組が主張しているように教育委員会や教員免許更新制度を廃止して、教育現場に政治の介入を許すべきではない。
◇ 共産・岡田政彦氏
「高校無償化」は大賛成です。高校進学率が97%を超え、「準義務教育」ともいうべき時代に、「お金がなければ高校へも行けない」「中途で退学せざるを得ない」などという事態は全く異常です。憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を保障し、教育基本法は「すべて国民は…経済的地位…によって、教育上差別されない」と規定されています。この立場から、教育における経済的負担の軽減を図ることは政治の責任です。先進国(OECD加盟30カ国)で高校に授業料があるのは日本を含めて4カ国(韓国、イタリア、ポルトガル)に過ぎません。公立高校の授業料を無償とし、私立高校には授業料を減額する「直接助成制度」をつくり、年収500万円以下の世帯を授業料(入学金、施設整備費を含む)を全額助成、800万円以下の世帯を授業料半額助成とします。高校奨学金制度については、無保証人・無利子・返済猶予付きとし、成績要件を撤廃します。
◇ 民主・金子洋一氏
マニフェストにある通り、公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担も軽減することについて賛成である。家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生・大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくりたい。私立高校は、公立高校無償化に対応する助成(年額12万円、低所得世帯は24万円)を行うことが望ましい。大学などの学生には、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設したい。
◇ 諸派・加藤文康氏
反対です。授業料を実質タダにすることは質の低下を招くことになります。親がしっかり働いて、しかるべき授業料を払ってこそ、子どももまじめに勉強するし、教職員側にも緊張感が生まれ、よい授業が実現するのです。こうした典型的なバラマキには反対し、地道な公教育の充実に全力で取り組みます。
神奈川参議院補欠選挙は投票の結果、民主党・金子氏が当選した
このページのトップへ
![]()
2009年09月01日 朝日新聞
![]() |
| 「お金がないと学校に行けないの?」と題した集会で、授業料の無償化などを訴えた高校生たち=7月26日、埼玉県三郷市 |
授業料の滞納、退学……。「格差社会」に不況が追い打ちをかけるなか、高校生たちが立ち上がり、声を上げ始めている。授業料値上げに反対する生徒集会。教育費の無償化を訴えるパレード。選挙権はないけれど、取り組みを通じて「政治」への思いも強めている。
◇
「授業料値上げ、はんたーい!」。昼休みの中庭に生徒が集まり、校長室に向かって拳を突き上げた。全校生徒の3割近く、約600人。6月下旬、名古屋市の私立名古屋高校でのことだ。
08年度の新入生から施設整備費が年間3万6千円値上げされた。さらにこの5月、突然、来春の新入生から授業料が年間3万円値上げされることが決まった。学校側は「これまで10年間値上げしていない。新校舎を建設中で、今後の学校経営のことを考えた」という。
3年の男子生徒(18)は最初、今の在校生には関係がない話だと思っていた。でも「未来の生徒を苦しめないで」と反対し、ハンガーストライキをしていた先生が脱水症状で倒れる様子をすぐそばで見て、ショックを受けた。「値上げは、本当は今いる僕たちに投げかけられた問題ではないか」「何かできないか」
生徒集会を企画し、仲間5人とビラをつくって当日の朝、校門で配った。他の級友も「協力したい」と他のクラスを回り、黒板に告知を書いてくれた。携帯メールも流してくれた。
集会の1時間前、教頭に呼び出されて「大げさだ」と言われた。「でも、残り少ない高校生活で後悔したくなかった。『伝説』も作りたかった」
「学費が高すぎて払えない、ただそれだけの理由で学ぶ権利が奪われ、仲間を失うことになりかねない」。考えておいた反対決議を集会で読むと、みんな大きな拍手で賛同してくれた。
学校側の値上げ方針は今も変わらない。でも、授業料の問題が生徒たちの間で話題に上るようになり、意識は確実に変わったと感じている。
今のところ、経済的理由で学校をやめる仲間は周りにはまだ出ていない。でも、奨学金を借りてやりくりしている人はいる。自分も両親はおらず、祖母にお金を出してもらって1人で暮らしている。余裕があるわけではない。
総選挙で教育費負担の問題が注目されていることはうれしい。ただ、私立の生徒のことも十分に考えてほしいと思う。「私立はぜいたくと言う人もいるけど、『子どもには学校を選ぶ権利はないの?』って聞きたい。みんなが学びたいところで学べるようにしてほしい」
「お金がないと学校に行けないの?」。7月26日、埼玉県三郷市でそんなタイトルの集会を開いたのは、定時制の高校生たちだ。
「この先が不安で怖い」。実行委員長を務めた埼玉県立の定時制に通う女子生徒(17)は、集会でそう語った。
週6日のアルバイトで家計を支える日々。先生の助言で授業料の減免制度を知り、奨学金も申請して一息ついたが、厳しい状況は変わらない。授業料は月3千円弱だが、修学旅行の積立金や交通費なども含めると毎月2万円はかかる。アルバイトの採用でも学歴がついてまわる社会の実情を目の当たりにしてきたが、今のままでは進学は難しい。保育士になる夢は、夢で終わるかもしれない。
女子生徒が今回の取り組みに参加したのは、義務教育から先に進んでも教育費が無料の国があると知ったからだ。そんな制度ができて、学びたい気持ちが大事にされる社会になればすてきだと思う。
もともと学校を超えたつながりが強かった県内の定時制高校の生徒を中心に、知り合いの全日制の生徒や、教員のつてで県外の生徒も加わって20人程度が企画に携わった。
高校生の現状を知ろうとアンケートを思いつき、友達のつてなどで回した質問への回答は、3カ月ほどで2千人分を超えた。
定時制の生徒で、お金が払えず修学旅行に行けないという人は7%。授業料の減免を受けたいと思っている人は12%。一方、全日制でも、進学できるかどうか学費を心配している生徒は21%、「学費のことで家族に迷惑をかけて申し訳ない」と思っている生徒も28%いた。
「お金がなくても学校に行きたい」
集会の1週間前、女子生徒らは東京・渋谷の繁華街をパレードし、そう声を張りあげた。参加者は50人ほど。でも、自分たちの後ろにはたくさんの高校生がいると感じた。
「選挙権は持ってないけれど、わたしたちにも政治は関心を向けて欲しい」。女子生徒は、そう思っている。(葉山梢、宮本茂頼)
このページのトップへ
![]()
2009年08月24日 朝日新聞(京都)
![]() |
| 京都地方裁判所前で、母子加算の復活を訴える辰井絹恵さん(左)=中京区 |
生活ぎりぎり、安全網は。。。
忘れられない言葉がある。
5月、舛添厚生労働相は衆院予算委員会でこう答弁した。「母子加算を廃止しても平均的な生活ができる」
山科区の辰井絹恵さん(46)は怒りのあまり、発言を伝えた新聞記事を切り抜いた。6年前に離婚。同じ頃に乳がんを手術し、後遺症から体調を崩した。いまも働くことができない。
定時制高校に通う長男(18)との暮らしは、月16万円の生活保護が支えだ。
長男は3年前に高校へ入学。家計が苦しくても進学を勧めたのは「楽しい思い出をつくってほしい」と思ったからだ。借家の家賃は月5万5千円。電話代や水道費などを支払うと、お金はほとんど残らない。
学費を出すために自分は残り物ですませ、電気もなるべく使わないよう暗い部屋で過ごす。それでも「親子2人で生きていけることに感謝しています」と語る。
3年前、ぎりぎりの生活はさらに厳しくなった。長男が15歳になったため、月2万3260円が生活保護に上乗せされていた母子加算が1万5150円に減額。次の年には7500円に。そして長男が18歳を迎えた昨年、加算支給の対象から外れた。
食費にも事欠く毎日。食事は3食ともおにぎり。長男のズボンは2本しかなく、破れても繕ったりあて布をしたりしてしのいだ。
「母さん、修学旅行に行かなくていいや」
今年6月。長男の言葉に戸惑った。「楽しみにしていたのにどうしたの。行くと決めていたでしょ」。息子は答えた。「お金がかかるから……」
旅行に連れて行ったことはない。遊園地や行楽に出かけた友人からお土産をもらうたび、悲しそうな顔をしたのを何度も見ていた。
「せめて修学旅行ぐらい行かせたい」。電話代と光熱費を翌月に2カ月分払うことにし、旅行代を工面した。息子に心配をかけた自分が情けなかった。
「働ける体ならいくらでも働く。弱いところから切り捨てるなんておかしい」
生活保護を担当する京都市のケースワーカーと話すたび、辰井さんは「多くの母子家庭に同じ思いはさせたくない」と加算の復活を訴える。だが、担当者の言葉はいつも同じだ。「国が認めていないので難しいですね」
やりきれない思いを抱え、辰井さんは3年前の夏、市に対し子どもの加齢に伴う加算の減額の取り消しを求めて提訴した。それ以来、毎月2回、地裁前で「最低限度の生活実現を」と書いたビラを配る。訴訟は今年5月に結審、12月に判決を迎える。
国は4月から、母子加算を全廃した。民主、共産、社民、国民新の野党4党が提出した加算を復活させる生活保護法改正案は6月に参院で可決したが、衆院解散で廃案となった。4党は総選挙の公約や主張で母子加算の復活を掲げる。
政権交代で流れが変わるかもしれないが、辰井さんは慎重だ。「母子加算が争点になったのはいいが、人気取りの公約なら意味がない」。投票日には、政策実現を真剣にめざす政党を選ぶつもりだ。
「なぜセーフティーネットが切られたのか。政治家が実情を理解しなければ、いったん復活しても、いつかまた同じことが起きる」
大切なものがある。
7月。沖縄へ修学旅行に出かけた長男から電話があった。「母さん、何座だっけ」。笑顔で帰宅した息子の手には、シーサーと星座が描かれたストラップがあった。長男は秋から就職活動を始める。同じような境遇にいる子どもたちが、もっと笑える国になればと思う。
◇
この国の行方を占う総選挙。暮らしに根ざした争点の現場を歩いた。
このページのトップへ
![]()
2009年07月28日 朝日新聞
奨学金を受けている高校生をもつ母子家庭の4割は月収が10万円に満たず、貯金の取り崩しなどで懸命に教育費を工面している――。「あしなが育英会」(東京)がアンケートしたところ、こんな現状が浮かんだ。奨学金があっても教育費をまかなえない家庭が半数を超え、3人に1人が通学の交通費にも困っているという。
アンケートは今月6日に発送、奨学金を受けている高校1年生をもつ母子家庭の母親327人の回答を集計した。
それによると、働く母親の6月の給料の手取り額は平均11万6千円。10万円未満が39%あり、22%の家庭は支出が収入を上回って赤字だった。収入や奨学金で教育費をまかなえているという家庭は31%にとどまり、「不足している」が52%に及ぶ。具体的に何が不足しているかについては「定期代、通学費」(35%)が最も多かった。
足りない教育費の工面は、「貯金の取り崩し」(32%)、「親類からの借金」(18%)、「生命保険金の取り崩し」(12%)が多く、「子どものアルバイト代から」(6%)という回答もあった。
衆院選を前に各党は教育支援策を打ち出しているが、アンケートには「高校までは卒業させてあげたい。授業料をもう少し下げてほしい」「返済義務のない奨学金を大学まで受けられるようにしてほしい」といった訴えが記されていた。「子どもは私立高への進学を断念し、近くの公立へ自転車通学している。夜は10時までアルバイトしていて、卒業後は就職予定。ふびんです」という記述もあった。(中村真理子)
このページのトップへ
![]()
2009年07月27日 読売新聞
不況の影響で、学費や生活費に不安を感じる高校生が増えている。派遣切りに遭う定時制生徒、昼食を節約する全日制生徒。首都圏の高校生たちが同世代を対象に実施したアンケートでは、回答者約2090人の75%が「学校生活を続けるのに不安がある」と答えた。危機感を持つ高校生らが26日、「お金がないと学校に行けないの?」と題するシンポジウムを埼玉県三郷市で開いた。
埼玉県内の定時制高校に通う女子生徒(17)は昨年秋、授業料が払えなくなった。親が病気で、自分のアルバイトで学費や住居費を賄っていた。しかし、不況でガソリンスタンドの仕事を雇い止めになり、新しい仕事先も見つからない。授業料減免は受けたが、給食費や参考書代などの工面は無理で、退学を考えた。「先が見えず、本当につらかった」
今春、ようやく工場の仕事を得た。週6日働き、奨学金も受けられるように。滞納していた授業料を少しずつ払っている。「高校に進んだ途端に多くの費用がかかる。補助制度がもっと充実していれば」と漏らす。
同県立小川高定時制の鈴木敏則教諭によると、定時制では、昨年から雇い止めや派遣切りに遭う生徒が相次いでいる。「生徒の収入に頼る家庭が多く、その職を失えば学費が払えなくなり、退学に直面する生徒は多い」と話す。
不況の影響を受けているのは定時制の生徒だけではない。日本高等学校教職員組合によると、昨年から、全国各地の高校で授業料減免の適用を受ける生徒が増えている。私立高校では、経済的な理由で授業料を滞納している生徒が昨年12月末現在、全国で2万4490人に上り、9か月間で約3倍に増えていたことも日本私立中学高等学校連合会の調査でわかっている。
地方では学校統廃合による学区拡大が通学代の負担増を招く例も。北海道のある全日制の公立高校では昨年夏、長く休んでいる生徒宅を担任が訪ねたところ、生徒から「通学定期が買えない」と明かされた。親は派遣社員で収入は不安定。学校統廃合で、通学に電車で1時間かかるようになっていた。
26日のシンポジウムを開いたのは首都圏の高校生たちによる実行委員会。開催前の5〜7月、首都圏や関西の生徒にアンケート調査を行い、2092人(定時制1161人、全日制744人、通信制187人)から回答を得た。学費などに何らかの不安や心配があると答えたのは75・2%。定時制では77・3%、全日制では69・8%だった。
シンポジウムには高校生や教師、保護者など約70人が参加。生徒や保護者から「定時制生徒が学費を賄うために仕事をしすぎて体調を崩すケースがある」「全日制でも家庭の事情で昼食代を削る生徒がいる」といった実態が報告された。
定時制3年生の女子生徒(17)は「多くの人が高校に進む時代に、経済状況が原因で学校に行けなくなる生徒が出るのは理不尽。自分も頑張って働くので、お金の心配をせずに通学を続けられる制度にしてほしい」と話していた。
このページのトップへ