| 以前、家に現れたヘビの物語です。怖い内容ではありませんから、苦手な方も(実は私も苦手^^;)どうぞ! |
アウトロー スネーク ストーリー 
アウトロー
僕の名前はアウトロー
カメリン3に名前を付けられた青大将さ。
そうそう、あの長い、みんなに嫌われてるヘビなんだ。
大丈夫、写真なんて出てこないから、安心していいよ。
だって、カメリン3が僕に会ったのは、カメリン3が中学生の頃だからね。
えっ? 何年前?・・カメリン3が怒るからやめとくよ。ハハハ
その頃、僕は石垣に住んでいた。横には夏には葉っぱがフサフサになり、冬には
枝だけになる木があって、暖かい春の陽射しの中で、その枝にからまって
日向ぼっこしたり、 暑い日は日陰にして伸び伸びと寝ていたものさ。
時々、小学生のカメリン3は石垣の上の位置にある畑で、きゅうりやナスをざるに
取っていたから、僕はカメリン3を小さい頃から知っていたって訳。
でも、ある日、突然、石垣が壊されて、下の道路が整備された。木も切られた。
人間は自分たちが便利になるためには、何十年もかかって大きくなった木のこと
なんて考えないのさ。もちろん、石垣に住んでいるヘビのことなんか・・。
そして、家と日向ぼっこの木を失った僕は、カメリン3の家に行ったのさ。
石垣から小道をはさんで、すぐそばだったからね。
そこには小さいけれど池があって、鯉とか金魚が泳いでいた。僕はカメリン3と
顔なじみだし、新しい住みかに丁度いいかと思ったんだよ。
池の横にはカメリン3のお父さんが育てた盆栽が並んでた。
それが皆、同じ位の高さだから、僕が横に伸び伸び寝るには最高さ。
僕が体を伸ばして日向ぼっこしていると、カメリン3がやってきた。
鯉達にエサをやって、それから、そばに座って、ジーっと眺めているんだよ。
カメリン3は僕が畑の木から眺めていた頃も、よくジーッと蝶々がキャベツに
止まる様子を見ていたんだよ。捕る訳じゃなくて、ジッと見ているんだ。
その日も、あきずに見ていて、僕も一緒に見ていた。
カメリン3とは僕の長さ位の距離しか離れていない目の前だった。
大分たって、僕はちょっと沈んできた体制を直したんだ。
その時にカメリン3が僕の方を見た。
あの顔は忘れられないよ。
カメリン3は目を見開いて、真っ青な顔して、声も出せずに後ずさりした。
数歩下がって、家の中に悲鳴あげてかけこんだ。
「ヘビー ヘビー ヘビがいるー。」
すると、カメリン3のお父さんが現れて、その後から僕を怖そうに見ているカメリン3がいた。
お父さんは困った顔しながら、近くの棒を取り、池の端をたたいて、「あっちに
行きなさい。」と言うんだ。お父さんは僕を叩いたりしないし、声も静かだった。
でも、僕はカメリン3には嫌われていたんだね。
僕はカメリン3を小さい頃から知っていたのに・・
あの時、初めてわかったよ。僕は嫌われていたんだね。
畑では木の上の僕に気付いていなかったんだね。
だから、僕は移動したよ。
でも、僕には行き場がなかった。石垣はもうないんだ。
カメリン3の家は少し高くなっていて、横の家との境は石段になっている。
池もあるし、小さいけれど倉庫もあって、その横には木も何本か植えられていた。
だから、僕はそこにいたかった。だから、そっと暮らし出したのさ。
なるべく、動かずカメリン3から見えない所にいたのだけど、ある時、僕はどうしても
木に登りたくなった。木に巻きついて日向ぼっこすると、温かくなって気持ちいいんだよ。
でも、巻きつくとヘビに見えてしまう。(実際、ヘビなんだけど・・)
それで、僕はヘビに見えないように、枝みたいに真っ直ぐ斜めに木に止まっていた。
頭側と尻尾側で枝を包み、中央は真っ直ぐにして、一応、木になりきる努力はしたんだよ。
気持ちよく日に当たっていると、カメリン3が居間に座って、庭を眺め出した。
そして、僕のいる木に何か疑問を持ったらしく、よせばいいのに近寄ってきた。
僕は木になっていたから動く訳に行かないのに・・。
また僕の長さのくらい近くまでやってきて、それから大声で
「ギャー. またヘビが出たー。」って家に駆け込まれてしまったよ。
その悲鳴に、僕の方が怖かったことを、カメリン3は知らないだろうけれど・・。
それからは、カメリン3はいつも恐る恐る庭に出てきて、ビクビクと歩きながら、
僕を探すんだよ。端でじっとしていても、偶然じゃなくて、わざわざみつけて
それから、「へビー」って叫んで走り去る。
それでも毎日、カメリン3は池にやってきた。お父さんは単身赴任っていうので、
週末しか帰ってこないし、お兄さんは部活で忙しいみたいだった。
だから、エサはカメリン3の仕事だったみたいだ。
「アウトローがいるから、鯉にエサをあげに行くのが怖いの。」
ある時、カメリン3はおかあさんにそう言っていた。
アウトロー?
「アウトロー 出てこないでね。」と言いながら、キョロキョロと歩いてる時もあった。
僕はいつのまにか「アウトロー」って名前がついていたんだ。
嫌いで悲鳴あげるくせに、飼っている犬のコロみたいに、僕に名前をつけるのって変だよ
と思いながら、もしかして、僕もコロみたいにここにいてもいいのかも・・って思ったよ。
コロも最初は吠えたけど、その内、横を通っても、平気で昼寝していたからね。
僕は、この家で当たり前のように昼寝している犬や、時々、池の石の上で寝ているクサガメが
うらやましかった。でも僕はヘビ。何もしていないのに、大概、嫌われるんだよね。
そのまま、中学生のカメリン3が卒業する頃まで、そっと暮らしていたんだ。
カメリン3の目に入らないようにはしていたけれど、それでも5、6回は見られたかなァ。
お陰ですっかりカメリン3はヘビ嫌いになってしまった。脅かしたくなかったんだけど・・。
そんなある日、本当に突然、カメリン3の家は壊されて、新しい家の工事が始まってしまった。
工事の人の出入りも多くて、僕の居場所の倉庫も壊された。
僕はオロオロしたけれど、居場所がなくて、近くの家の隙間に引っ越した。
でも、今度はその家も工事初めて、結局、僕は遠い旅に出たんだよ。
あれ以来、カメリン3には会っていない。
今、僕はカメリン3の家から随分、離れた神社の森で暮らしているよ。
森と池があって、静かで平和だよ。時々、僕の脱皮した抜け殻を金運良くなるなんて
言って、取りに来る人もいるくらいさ。でも、僕は人の前には姿を現さない。
人間の多くはヘビが嫌いなんだ。亀が好きで、オタマジャクシや蝶々の幼虫を触れる
カメリン3だって、僕を嫌っていた。声を上げて逃げて行った。
でも、僕達も、地球のこの国のこの町に暮らし続けてきた生き物だから、
人間に嫌われてもやっぱり生きて行く。
人間がヘビを嫌いになる原因は、突然、驚かされるからかもしれない。
もし、どこかでヘビが平気な人がいたとしても、どうか、まわりの人に突然見せたりして
驚かせないで。僕達が怖いモノだという思いを植えつけないで。
僕達を好きにならなくてもいいから、僕達も懸命に生きてることを認めていて。
そして、何もしてくれなくていいから、そっとしていて。
人間はもうたくさん、地球に住む所を作ったでしょう?
いっぱい工事して便利にしたでしょう?どうか僕達の場所を荒らさないで。
もう、これ以上、森を壊さないで。
この前、突然、カメリン3の声が聞こえたんだよ。
僕達にはテレパシーがあるから・・人間のDNAにも、太古の爬虫類の
記憶がかすかに残っていて、テレパシーが本当はあるんだよ。
エッ?信じない?信じなくてもいいよ。
でも、カメリン3が僕の名を呼んだのは確かに聞こえた。
僕の名をつぶやいていたんだよ。
「アウトロー どうしているのかな。」って。
カメリン3、僕は元気だよ。森で平和に暮らしているよ。人間も平和を捨てないでね。
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The story of outlaw. He is a snake. 文・絵とも by kamerin3
ガマガエルの恋物語へ(森に暮らすアウトローが登場します。)
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あとがき
目を通していただき、ありがとうございます。アウトローとの思い出は、実際にあったことを |
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この物語の著作権はカメリン3にあります。無断転写をお断りします。 2004.3.1