本尊は千手観音菩薩、北向観音という名称は堂が北向きに建つことに由来する。これは「北斗七星が世界の依怙(よりどころ)となるように我も又一切衆生のために常に依怙となって済度をなさん」という観音の誓願によるものといわれている。
また、善光寺が来世の利益、北向観音が現世の利益をもたらすということで善光寺のみの参拝では「片参り」になってしまうと言われている。
紅葉真っ盛りの11月中旬、マイカーで中央道から長野道に入り、壮大なアルプスの山々を眺めながら北上すること約30分。豊科ICを出て上田方面に向かう。犀川の橋を渡り、国道143号線に入る。そこから約30km、峠を越えたところにある青木村の南、美ヶ原の北の山深いところにある別所温泉の温泉街に北向観音はある。
温泉の手洗い場「慈悲の湯」




愛染堂


本尊の千手観音
愛染桂


近くにある安楽寺




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石段から見た参道


別所温泉駅の近くの県道を右折し、温泉街を進むと温泉街の中心地手前左に寺の駐車場がある。駐車場からは2分ほどでお堂の石段下に出る。石段を登りながら振り向くと後方に見える真っ直ぐに伸びた参道が印象的であった。また、石段を上りきった左手には硫黄の香りが漂う手洗い場あり、その水が温泉で、「慈悲の湯」と云われている。この堂が別所温泉の温泉街にあり、この地と深いかかわりを持っていたことをうかがわせる。
また、右手の梵鐘の奥には縁結びの霊木として崇められている愛染かつらの巨木がある。(樹高22m)
寺伝によると、平安時代初期の825年円仁(慈覚大師)によって開創され、969年平維茂によって大改修が行われ、鎌倉時代1252年に塩田陸奥守北條国時によって再建されたと伝えられる。
その後江戸時代の1713年に焼失し、8年後の1721年に現在の堂が再建された。その後度々修復を加え、昭和36年に増改築を施し、善光寺の本堂と同じ「撞木造り」となる。