西国三十三ヶ所や坂東三十三ヵ所、秩父三十四ヵ所を巡礼し終えて満願となった後、信州信濃の善光寺と北向観音、元善光寺へ、満願成就の報告と結願のお礼に赴くことが、人々の習わしになっている。この風習は、江戸時代に始まったと云われている。
西国三十三ヶ所の場合は様々な風習があり、三十三ヶ所の霊場と番外霊場を含めた36ヶ所を巡礼した後、結願のお礼参りとして、最後に信州の善光寺に参拝し計37ヶ所を巡礼するという風習が一般的である。
また、高野山金剛峯寺の奥の院、比叡山延暦寺の根本中堂、奈良の東大寺の二月堂、大阪の四天王寺を番外霊場に含んでいる場合もあり、お礼参りは善光寺を含めこの5か所の中から一つを選べばよいとする風習もある。

本尊は千手観音菩薩、北向観音という名称は堂が北向きに建つことに由来する。これは「北斗七星が世界の依怙(よりどころ)となるように我も又一切衆生のために常に依怙となって済度をなさん」という観音の誓願によるものといわれている。 また、善光寺が来世の利益、北向観音が現世の利益をもたらすということで善光寺のみの参拝では「片参り」になってしまうと言われている。

紅葉真っ盛りの11月中旬、マイカーで中央道から長野道に入り、壮大なアルプスの山々を眺めながら北上すること約30分。豊科ICを出て上田方面に向かう。犀川の橋を渡り、国道143号線に入る。そこから約30km、峠を越えたところにある青木村の南、美ヶ原の北の山深いところにある別所温泉の温泉街に北向観音はある。

マイカーで行く 西国三十三ヶ所巡り

温泉の手洗い場「慈悲の湯」

天台宗常楽寺  北向山

愛染堂

本尊の千手観音

愛染桂

近くにある安楽寺

周辺の見どころ
長野県上田市別所温泉1666
マイカーでは長野道「豊科IC」を出て、上田方面へ、犀川を渡り国道143線をさらに上田方面へと向かう。そこから約30km、峠を越え青木村に入る。道の駅「あおき」を越え1kmほどの浦野交差点を右折、そのまま道なりに別所温泉を目指す。別所温泉の入り口の県道に出るとそこを右折。温泉街の県道から左に北向観音はある。
お礼参り 北向観音
【駐車場】
寺の下、東側に50台前後停められる駐車場がある。
駐車場から寺までは徒歩2分ほど。
【駐車料金】 500円
【拝観料】  無料

石段から見た参道

観音菩薩

別所温泉駅の近くの県道を右折し、温泉街を進むと温泉街の中心地手前左に寺の駐車場がある。駐車場からは2分ほどでお堂の石段下に出る。石段を登りながら振り向くと後方に見える真っ直ぐに伸びた参道が印象的であった。また、石段を上りきった左手には硫黄の香りが漂う手洗い場あり、その水が温泉で、「慈悲の湯」と云われている。この堂が別所温泉の温泉街にあり、この地と深いかかわりを持っていたことをうかがわせる。
また、右手の梵鐘の奥には縁結びの霊木として崇められている愛染かつらの巨木がある。(樹高22m)

寺伝によると、平安時代初期の825年円仁(慈覚大師)によって開創され、969年平維茂によって大改修が行われ、鎌倉時代1252年に塩田陸奥守北條国時によって再建されたと伝えられる。
その後江戸時代の1713年に焼失し、8年後の1721年に現在の堂が再建された。その後度々修復を加え、昭和36年に増改築を施し、善光寺の本堂と同じ「撞木造り」となる。