アオツヅラフジ(ツヅラフジ科アオツヅラフジ属)青葛藤
アオツヅラフジ(ツヅラフジ科アオツヅラフジ属)青葛藤 別名 カミエビ(神衣比)青葛
佐奈葛 チンチンカズラ ピンピンカズラ
北海道から南西諸島に分布する雌雄異株のつる性落葉木本。花期は7月から8月で葉腋から柄を
出し、萼片、花被片ともに6個の小さな黄白色の花が集まった円錐花序をつける。葉は有毛で互
生し、葉身は卵形であるが徒長枝に付く葉は、浅く3裂する。茎は、左巻きで1年目の茎は緑色
で灰色の粗い細毛が密集する。2年目の茎は褐色となり、良く枝分かれして5mほどになる。果実
は球状の石果で秋に藍黒色に熟し、白粉を帯び密に集まる。ツヅラフジ科のつる性落葉木本で、
アオは青い実を表し、ツヅラは蔓で編んだ蓋付きの「つづら」であり、フジはつる性を表してい
ます。
万葉集には2首が詠まれています。その内のひとつが青葛と思われる次の1首です。
上野(かみつけの)安蘇(あそ)山 つづら野を広み 延(は)ひにしものを あぜか絶えせむ
巻十四・三四三四 東歌
「上野の安蘇山の裾野に生えるつづらは、野が広くて這い広がっているので何故絶えることがあ
るのだろうか」の意で譬喩歌として男女の仲の絶えることがないことが詠まれています。
古事記にも黒蔓(つづら)として登場します。日本武尊が出雲健を討ち、出雲を平定した際の歌
に次の歌があります。
やつめさす 出雲健が佩(は)ける刀(たち) 黒蔓(つづら)さはまき さ身なしにあはれ
黒蔓(つづら)は、つるが枯れると黒くなることを表わした葛藤の呼び名です。「さはまきさ身
なし」は、つづらふじを刀身に巻き付けたことで出雲健の刀には刀身がなかったと表しています
。日本武尊の謀略により出雲健の刀をつづらふじを巻き付けた切れない刀とすり替えて出雲を平
定したとされています。植え込みの中に一面青い実を付けたアオツヅラフジがありました。鮮
明な青色をしていてブドウの房を思わせ、見るからに美味そうな実ですがアルカロイド系の有毒
植物です。この薬用成分から蔓根を木防已(モクボウイ)といって体の中の余分な水分むくみを
取る漢方薬として利用される薬用植物でもあります。つる性の茎は、とても頑丈でツヅラの名の
通り「つづら」を編む材料として用いられてきました。チンチン、あるいは、ピンピンという名
称も弦にして弾くと音が出ることによるものでしょうか。花の季節は、あまり目立たない無い植
物でしたが、この季節、一面の青い実がとても印象的です。





