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イタドリ(タデ科ソバカズラ属) 虎杖

イタドリ(タデ科ソバカズラ属)虎杖 痛取 古名 たぢひ さいたづま
日本全国に分布し荒地

などにごく普通に見られるタデ科の多年草。草丈は30cmから150cm。8月から9月にかけて

葉腋から枝を出し、枝先の花穂に多数の白から白黄色の小花を咲かせる。雌雄異株で雄花に花弁

はなく5裂した萼片と8本の雄しべがあり雌しべはごく小さい。雌花には、3個の花柱があり、

雄花とは逆に雄しべはごく小さい。花のあと花被片は翼状にはり出し痩果を包む。葉は互生して

長さ6〜15cmの卵形から広卵形、先端が尖る。茎は中空で若い時には、紅紫色の斑点がある。


名前の由来としては、諸説ありますが、茎から糸状の繊維を取ることから、糸取りと言いそれが

転訛してイタドリとなった説、古くから薬草として用いられており、傷などの止血効果、又は、

鎮痛効果があることから、痛みを取る痛取り説、虎の杖と書き茎に出来る斑紋を虎の模様に見立

てたとする説などがあります。
彼岸花と同様、地域により呼び名が異なっています。いわば方言

と言っても良いのではと思います。
調べてみると、全国には、529通りの呼び名があるようで

す。一部を紹介すると


スカンポ・スイバ・スッパ・スイコンボウ・イタンポ・ドガランボ・ドンガラ・サシドリ・サシ

ボ・サイジ・サトガラ・タケンド・ゴンパチ・イタロウ・ドングリ・ドングイ・ドクイ・カワタ

ケ・イタンコ・イタズリ・スイスイ・スッポンタケ・スイバ・タジッポ・ダンジ・タンポコ・ハ

ータナ・ハータネ・ポンポン・ドンギッパ・ドンゴエ・ドングイ・シャジッポ・イッタンダラケ

・イタッポ・ズイコ・ダイシンゴ・スイコン・イタンドリ・イッタンドリ・エッタンドリ・サジ

ッポ・シャギナッポ・シーカイカイ・サシボコ・ダンジー・タシッポ・ドウゲガラ・カッポン・

サシガラ・イッタンダラ・ダジイ・ドンド・ヤマタケ・ナベワリ・タンジ・コジョウコン・ダン

ジリ・・・などなど。
古くから民間薬あるいは季節の食材として、親しまれて来たことならでは

の呼び名でしょうか。
子供の頃、岩の隙間にあるイタドリを探し、より太いものをと競った懐か

しい記憶があります。
ちなみにその頃はイタンポと呼んでいました。万葉集にはいちし(壱師)

の植物名で1首詠まれていますが、このいちしをイタドリと解釈する説があります。


道の辺のいちしの花のいちしろく 人皆知りぬわが恋妻は 巻十一・二四八零 柿本人麻呂

道ばたのいちしの花のように、はっきりと世間の人が皆知ってしまった。わたしの本当に心で愛

してる妻を。
このいちしの花がなんであるかが諸説あり、今もって定説がないようです。

くさいちご、えごのき、ひがんばな、ぎしぎし、だいおう、いたどり、いちひしばなどですが、

個人的には、くさいちごあるいはきいちごの白い花が情景としては、適切と思えます。(根拠の

ない直感に過ぎませんが)
「いちしの花いちしろく」いちしろくは、際立ってとか一際の意です

が、言葉を重ねることにより、白い花を指すものと解釈します。季節が今ひとつ不明ですが、際

立ったキイチゴの白い花に足を止めた記憶が蘇り、この歌と重なりました。