コメツガ(マツ科ツガ属) 米栂
コメツガ(マツ科ツガ属) 米栂 別名 ヒメツガ
本州の中部以北、青森(八甲田山)から紀伊半島(大峰、大台ケ原)四国(石鎚山、剣山)九州(祖
母山)などの山岳地帯に点々と分布する樹高30mにもなる常緑高木。葉は互生し扁平な線形で先端
がへこみ長さ0.4~1.5cm,幅0.15cm、長短2種類の葉が葉柄の左右に規則正しく密に付く。花は6月
頃に開花し、7月から9月にかけ1.5~2.5cmの緑色の球果をつける。9月以降褐色のマツカサとなり
種子を飛ばす。樹皮は灰褐色で縦に裂け剥がれる。
ツガに似ていますが葉が米粒のように小さいことからコメツガあるいはヒメツガの名前が付けられて
います。ツガの語源については、日本固有種でもあることから、日本民族の言語が生まれた時より「
ツ・ガ」と単純な発音をする言葉があったものと推測します。
あしひきの 八峯(やつを)の上の つがの木の いや継ぎ継ぎに 松が根の 絶ゆることなく 青
丹よし 奈良の都に 万代に 国知らさむと やすみしし 我が大王の 神ながら 思ほしめして
豊宴(とよのあかり) 見(め)す今日の日は もののふの 八十(やそ)伴の雄(を)の 鳥山に
赤る橘 髻華(うず)に挿し 紐解き放(さ)けて 千年寿(ほ)き ほさき響(とよ)もし え
らえらに 仕へまつるを 見るが貴さ 万葉集 巻十九 四二六六 反し歌
コメツガは、温帯林に分布するツガよりも寒冷地を好むのか、標高の高い山岳地帯に分布し、混生す
ることなく住み分けがなされています。雑木林に分布が見られるツガは、万葉集には5首登場してい
ますが山岳地帯に分布するコメツガは普段目にすることがなかったようです。