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コナラ(ブナ科コナラ属) 小楢
コナラ(ブナ科コナラ属)小楢 許奈良 古奈良 鉤栗 楢 柞 枹  別名 真楢(まなら) 楢 槙小槙 小柞 楢柴 弘法柴 酢木(すのき) 長柏(ながかしわ) 長柏(ながかし) 団栗木 野ほそ ほそ はさこ 椎楢(しいなら) 古名 柞・浪浪曾(ははそ) ほうそ(彭曾) 真柞 柞槙(ほうそまき) 

北海道、本州、四国、九州に分布し、樹高15m〜20mになる落葉高木。
雌雄同種で4月から5月にかけ葉の展開と同時に細長い穂状花序を下垂させる。葉は単葉で互生し、葉身は倒卵形。長さ5〜15cm、先端が鋭く尖り縁には大きな尖った鋸歯がある。果実は堅果で1.6~2.2cmの長楕円形、下部は総苞片が杯状の殻斗に斗に覆われその年の秋に熟す。

コナラの名称は、ミズナラの別名オオナラに対し名付けられた。楢よりも小さい葉をしていることによる。古名のハハソ、ホウソも葉細に由来していると思われる。
楢は、鳴るの転訛で、風が吹くと密集した葉が擦れ合い鳴る様を表している。又、しなやかの表現からならならと言った説。他にもならは、平らを意味する言葉で平かな葉をしていると言う説もある。
奈良の呼び名も見えるが、これは、早くから開けた奈良に多く自生していたことによる。
日本原産の雑木林を代表する樹木で日本全国に分布する。

万葉集には、コナラとして読んだ歌は1首ですが古名である「ははそ」を詠んだ歌は3首あり、単にならとしているのが1首あります。すべてコナラを詠んだ歌とされています。

下毛野(しもつけの)美可母(みかも)の山のこならのす ま麗(ぐは)し児(こ)らは誰(た)が笥(け)か持たむ 巻十四・三四二四 東歌

山科の石田(いはた)の小野(をの)のははそ原 見つつか君が山路越ゆらむ 巻九・一七三〇 藤原 宇合(うまかひ)

ちちの実の 父の命 ははそ葉の 母の命 おほらかに 心尽くして 思ふらむ その子なれやも空しくあるべき・・・・ 巻十九・四一六四 大伴家持

・・ははそ葉の 母の命は み裳の裾 摘み上げ 掻き撫で・・・巻二十・四四〇八 大伴家持

み狩する雁羽の小野の櫟柴の 慣れはまさらず恋こそ増され 巻十二・三〇四八 作者不詳

(櫟の字はふつう「クヌギ」を指すが、ここでは慣れにかけてならと詠まれている。)


このところ京都でも急に寒くなり、庭園の小楢も紅葉して来ました。春の銀色の若葉も美しい木ですが、黄色から赤銅色に変化する秋の紅葉の季節も美しいもので、左右の庭園の8本ほどの大きく育った小楢が黄色く色付きケヤキに変わり秋の景観を演出しています。

小楢は古くから木炭の材料や椎茸の原木として利用されて来ました。又、多くの菌根菌と共生していることからキノコの種類も豊富で、大量のドングリを実らせ、多くの動物を育てる雑木林には欠かせない樹木となっています。