TOPに戻る
クズ(マメ科クズ属) 葛
クズ(マメ科クズ属)葛 別名 葛蔓(くずかずら)久須加豆良 真葛(まくず)裏見草(う

らみぐさ) 馬藤(うまふじ)夏葛(なつくず)葛葉葛(くずはかずら)葛藤(くずふじ)松

菜草(まつなぐさ) いのこのかね くぞ

北海道から奄美大島にかけて広く分布するつる性の多年性草本。

花期は7月〜9月で葉腋から15cm〜18cmの総状花序を立てて紫赤色の花を咲かせる。花は

長さ2cm程の蝶形花で下部から咲き始める。葉は、3小葉からなる複葉、小葉は、広楕円形で

長さ17cmほど。蔓の長さは10mにもなる。

秋の七草の一つで根から採るデンプンが葛粉。根を乾燥したものが風邪薬の葛根湯の原料とな

る。

クズの名は、奈良の吉野に縄文時代から住んでいた古の山の民を国栖人(くすびと)と呼び、

この植物の根から採ったデンプンを山を下りて里に売りに出していた。このことからいつしか

この植物のことをクズと呼ぶ様になったと言う。葛の根を砕き冷たい水に晒し不純物を取り除

き乍ら、何度もこれを繰り返し、二ヶ月ほど乾燥させると純白の吉野本葛と呼ばれる良質な葛

が出来る。

葛の繊維で織った布を葛衣と呼び古来より衣服として利用されていました。万葉集には、葛を

詠んだ歌が21首あり、その中で葛布が詠まれている歌に次の1首があります。


をみなえし 佐紀沢の辺 真葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む 七・一三四六


佐紀沢の生い茂った葛で糸を織りいつかは私の着物としようという意でしょうか。

葛の花を詠んだ歌が次の1首です。

萩の花、尾花(をばな)、葛花(くずはな)、なでしこの花、をみなえし、また藤袴(ふじば

かま)、朝顔の花 巻八 山上憶良


クズの名前は、地名の国栖に由来するとされているようですが、それとは別に植物名としての

呼び名クズが同じ発音として別に存在していた可能性があります。つる性で覆い尽くす植物を

表す呼び名としての「クズ」あるいは「カズラ」が地名の国栖(そこに住むひとびと)と重な

ったものと解釈しています。


孟宗竹の竹林縁に生い茂り、10mを超える孟宗竹に絡み付き覆い尽くし日の当たる最上部で花

を咲かせています。直径10cmもあろうかと思える太い蔓を縦横無尽に張り巡らし、その繁殖

力には凄まじいものがあります。


京都には、大原野など野の付く地名が多くありますがその一つに京の西に葛野(かどの)と呼

ばれる地名があり、さらにその中にある桂の地名も又、古くは「かずら」と呼ばれており、か

ってはこの地帯一帯が葛で覆われていた様子が伺われます。

図鑑には草本となっていますが、木本なのか草本なのか定義のよくわからない植物です。