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マツバラン(マツバラン科マツバラン属) 松葉蘭
マツバラン(マツバラン科マツバラン属)松葉蘭 別名 箒蘭(ハハキラン)

シダ植物マツバラン科の日本唯一の種である常緑多年草。本州の暖地、四国、九州、沖縄、小笠原諸島に

分布が見られるが、環境省カテゴリーでは準絶滅危惧種に指定されている。15cmから25cmでシダ植物

に分類されているが、本来の根がなく根茎には毛で覆われた仮根があり、地下茎と地上茎で構成されてい

る。茎は数回二股状に分枝して顕著な稜があり箒状になることから箒蘭の別名を持つ。茎に付く葉は、葉

の形態がなく茎の一部に見え、まばらな鱗状となり互生する。地上茎の表面には無数の気孔が有り大気中

の二酸化炭素を取り込み光合成を行う。地下茎には、菌類が共生しており地下の腐食物を分解した栄養素

をもらい成長する。共生菌はマツバランから光合成で得られたデンプン、地下茎に蓄えられた水の供給を

受け共存する関係を持つ。地上茎の先端部の枝の側面に粒状の胞子嚢を付け胞子を散布する。


コケ植物には、体を支えるだけの機能を持つ仮根と呼ばれるものがあり、栄養源としては、細胞から大気

中の二酸化炭素を直接取り込み光合成を行っています。シダ植物では根から吸収した栄養素、水を維管束

により運び光合成により成長しています。シダ植物に分類されるマツバランもこの両者の構造に似た性質

を持っていますが、栄養源を根あるいは細胞から直接取り入れる代わりに菌類と共存し腐食物を分解した

栄養源を地下茎から取り込んでいます。その栄養素と水を運び地上茎を支える維管束を持つ植物へと進化

の道を選んだようです。コケ植物とシダ植物の中間的存在なのか、それとも独自の進化を選んだのかは不

明ですが太古の姿をそのまま現代にとどめている植物でもあります。
京都府内では、一カ所の自生地が知

られているのみで個体数も10本前後しかない絶滅寸前種に指定されています。まれに石垣などで見つか

る場合もありますが、植木などとともに持ち込まれたものと見られています。画像のマツバランもアスフ

ァルトとコンクリートの人工物の隙間に14個の個体数が見つかっていますが、山中に自生地があること

も否定できず、それとも園芸種から飛来した胞子が発芽したものなのか興味深いところです。