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ミヤマシラスゲ(カヤツリグサ科スゲ属) 深山白菅
ミヤマシラスゲ(カヤツリグサ科スゲ属)深山白菅

北海道、本州、四国、九州に分布するカヤツリグサ科スゲ属の植物のひとつで湿地に群落を作る多年性植

物。花期・果実期は5から7月。花茎は、葉の間から長く伸びその先に小穂を付ける。花は雄花と雌花が別

になっており先端の雄花からなる1個の雄小穂と2〜6個の側小穂の雌花からなる雌小穂を付ける。雌小穂

は果胞が密で大きく膨らんだ棒状となる。

草丈40〜70cm、茎は3稜。葉は黄緑色でつやがあり、幅8〜15mmの広線形で3脈が見える。

シラスゲに似て葉の裏が白く粉を吹いたようになり山間部に生えることから深山白菅の名が付く。

スゲは菅笠を編むカサスゲに代表されるカヤツリグサ科スゲ属の総称としての呼び名。

スゲ属は世界には、変種を含め2000を超える種があるとされ、日本でも200を超える種類が記録されてい

るようです。さらに種の分化が進んでいて毎年のように新しい種が報告されるようです。

以前からこの植物の存在は、知っていましたが、なかなか同定出来ずにいました。偶然、ミヤマシラスゲの

画像に出会いやっとのことで同定出来ました。

図鑑では湿地に生息するとありますが、湿地ではない裏山斜面にシダに混じり群落を形成しています。


スゲ属は実用品として笠を編んだり蓑を作り雨具にしたりと古くから親しまれていて、万葉集にも菅・須気の

名で44首も歌われているようです。その中の白菅の歌です。

いざ児ども 倭へ早く 白菅の 真野の榛原(はりはら)手折りて帰(ゆ)かむ 三・二八十 高市黒人

黒人が妻と従者を連れて大和へ帰る旅先の歌で、白菅の生い茂る野原が歌われています。真野は神戸

の真野。さあ、皆、大和へ早く、白菅の生い茂る野原を抜けて榛(ハンノキの古名)の林の小枝を手折って

帰ろう。

この歌に登場する白菅はスゲ属シラスゲと思われます。

本館左側裏斜面にて