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ネジバナ(ラン科ネジバナ属)捩花 別名 捩摺(もじずり)捩摺草(もじずりぐさ)捩金草(

ねじがねそう) ねじればな ねじりばな ねじり草 ひねりばな なわばな 狐簓(きつねさ

さら) 左巻 しんこばな 等


北海道から九州にかけて分布するラン科の多年草。花期は5〜9月でらせん状の穂状花序に桃紅

色の花を多数つける。花のねじれには右巻きと左巻きがありほぼ同率となっている。まれに白花


もある。
ラン科の多年生植物で、毎年その場所にいけば見られる見近な野生ラン。

敷地内の数カ所の草地に点在して見られ、名前の由来は、文字通り、捩じれた花のイメージに依

る。
モジズリ(捩摺)とは、かって都で重宝された絹織物のしのぶずり(忍摺)の捩じれた柄に

例えて付けられた名前。

地球上の植物は、ほぼ例外無く何らかの微生物と密接な関係を築いていると言われています。こ

の微生物は、菌根菌(キンコンキン)と呼ばれ土中に菌糸を張り巡らし植物の根にもびっしりと

絡み付いています。植物の生長に欠かせない三大栄養素、チッ素、リン酸、カリウムの内、水に

溶け難く吸収を苦手とするリン酸を植物が吸収し易い形に加工して植物の根に供給する働きをし

ます。
菌根菌には、植物の根を覆うように絡まり、地中に広く菌糸を伸ばし生育環境を作ってい

る外生菌と、植物の根の細胞内部に入り込み細胞の中で螺旋状に菌糸を伸ばす内生菌とがありま

す。
良く知られている菌根菌にランと共生するラン菌があり、ラン科の植物の根は、特に太く、

多量の水分を蓄え、乾燥に適応する構造をしていますが、その反面、太い根は水分、栄養素を吸

収するには効率が良いとは言えない作りです。

菌根菌は、植物体より光合成により得られた糖の代謝物の供給を受け増殖し、生存域を拡大しま

す。又、乾季にはラン科の植物の太い根に蓄えられた水分を取り込み生存を保ちます。

その代償としてランはと言うと土中の栄養源を菌根菌に依存しており、菌根菌は、地中の窒素・

リン等の栄養素を植物体に移動させる働きをしています。植物体には、欠かせない存在です。

さらに、細胞内部の内生菌は、自らを分解し、植物の栄養源になる仕組みまであります。

植物と菌根菌の間の共存関係です。

ネジバナ単体を鉢植えにして育ててもうまく育たないことがありますが、別の植物と同じ鉢に植

えると何故かうまく育つことがあります。この理由は、菌根菌との関係にあり、鉢植えなどの閉

ざされた環境では、菌根菌は、ラン植物の光合成からの栄養源のみでは、不十分であり、その為

、他の植物の光合成産物に栄養源を求めることになります。つまり、他の植物から菌根菌を介し

てエネルギーをラン植物へと移動する仕組みが作られていて三者の共存関係が成り立っている訳

です。

菌根菌と植物の間には、長い歴史の経過が有り、拮抗から安定へ、そしてさらに共存へと進化の

道を歩んだようです。太古の昔からの営みでしょう。

万葉集に1首、ネジバナと推測された歌があります。

芝付の 美宇良崎なる ねつこ草 あひ見ずあらば 吾恋ひめやも 

巻十四・三五〇八 作者不詳

この歌にある「ねつこ草」がネジバナとする説です。しかし「ねつこ草」はイネ科の芝草もしく

はキンポウゲ科翁草の古名であり、ネジバナ説には、疑問が残ります。
ネジバナ(ラン科ネジバナ属) 捩花