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虫えい(ヌルデハベニサンゴフシ)
虫えい(ヌルデミミフシ)
虫えい(ヌルデハイボケフシ)
雄花
雌花

ヌルデ(ウルシ科ヌルデ属)白膠木 別名 フシノキ カチノキ カツノキ

北海道から沖縄にかけて日本全国に分布する落葉小高木。
雌雄異株で花期は8月から9月にかけ

枝先に円錐花序を出し小さな黄白色の花を多数咲かせる。花弁は5個で楕円形をしており、雄花

の花弁は反り返り雄しべは、花弁から突き出る。雌花は反り返らず雌雄に相違がある。果実は核

果で径4mmほどの扁球形、秋に黄赤色に熟す。葉は互生して奇数羽状複葉。小葉は3〜6対で5

〜12cmの長楕円形。樹皮は、灰黒色から灰褐色でなめらか。皮目が縦に並び、幹を傷つけると

白い膠質の樹液が出る。


名前の由来は、平安時代に遡ります。当時は、ヌルデのことをヌテン(沼天)と呼ばれていまし

た。沼天は、ヌルデ(奴留天)を表しています。天の字は手を意味することから奴留手となり、

さらにこの木の樹液が白い膠質であることから膠と同じく塗料として用いられていました。ヌル

デは、「塗る手」を意味すると言われています。
ウルシ科の植物でウルシと良く似ていますが、

この木はウルシのようにかぶれることはありません。
葉には良く無数の虫瘤が出来ますが、この

虫瘤には、ヌルデハイボケフシが寄生し、又、翼には、ヌルデノフシムシが寄生して大きな瘤の

ような虫えいを作ります。この瘤を乾燥させたものを附子・五倍子(フシ)と呼び多量のタンニ

ンが取れ医薬品として利用されて来ました。又、歯を黒く染める風習のあった時代には、お歯黒

にも用いられていました。フシノキは、この付子の名に由来しています。
カチノキ・カツノキと

は、かって聖徳太子が、蘇我氏と物部氏の戦いにおいて、この木で必勝祈願の四天王像を作り蘇

我氏の必勝を祈願したことに由来します。


万葉集にはヌルデと思われる植物が詠まれた歌として1首あります。


足柄(あしがり)の吾(わ)をかけ山のかづの木の 吾(わ)をかづさねもかづさかずとも 

巻十四 三四三二 東歌


歌の意は、「足柄山のわたしを心にかけてくれるという名を持ったかけ山のそのかづの木のかづ

という言葉のように私をかどわかし誘い出してくれないかなあ、たとえそれがむずかしかろうと

も」と少々難解な解釈です。
この「かづの木」がヌルデとされています。「かづの木」はカジノ

キ、コウゾとの説もあるようですが相模地方の方言で白膠木(ヌルデ)のことをかづの木と呼ぶ

ことからこの説が有力とされています。

ヌルデ(ウルシ科ヌルデ属) 白膠木