センリョウ(センリョウ科センリョウ属)仙蓼・千両
南関東・東海地方から九州・沖縄までの比較的暖かい半日陰の土地に自生する樹高50cm〜1m程の常
緑小低木。花期は6月〜7月。小さな緑白色の花で花には花弁も萼片もなく、一本の雌しべとその付属
品のような一本の雄しべで構成され、およそ花には見えない特徴のある花を咲かせる。果実は房状の腋
花で10月から翌年2月にかけ6〜7mmの鮮やかな赤色の果実を付ける。
葉は対生し、10〜15cmの長楕円形で鋭い鋸葉を持つ。
センリョウは江戸時代以前には、仙蓼の字が当てられていた。それが江戸時代の後期以降、千両の字と
なる。仙蓼は、中国名の仙霊草(センリョソウ)に由来し蓼の字は当て字とされている。
千両の名は、ヤブコウジ科の万両に対して付けられた名前とされるが、中国名、百両金(カラタチバナ
)に対する千両という説もある。
一両(アリドオシ)十両(ヤブコウジ)百両(カラタチバナ)千両(センリョウ)万両(マンリョウ)
と並び称される。
センリョウは、個性的な木であり、被子植物でありながら裸子植物の性質を持っています。進化の過程
にある裸子植物と被子植物の中間的な存在のようです。千両には、被子植物の持つ水を葉に送るストロ
ー状の導管はなく、シダ植物や裸子植物の持つ仮導管と呼ばれる細胞が進化した組織で水を移動させる
仕組みを持っています。藻類から進化したコケ植物は、細胞の集合体であり、水は細胞膜を次々と移動
していますが、この薄い細胞膜を一部残したものが仮導管と呼ばれるもので、水はその細胞膜間を次々
と移動して導管と同じ機能を作っています。導管はこの細胞と細胞を仕切る細胞膜が貫通して出来たも
ので、細胞自体は死んでしまうことで形成されています。
花にも特徴があり、6月から7月にかけて花びらの無い一本のめしべとその付属品のような一本のおし
べで構成されるおよそ花には見えない小さな花を咲かせます。センリョウは植物の進化の歴史をとどめ
た植物のようです。