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ツルボ(ユリ科ツルボ属) 蔓坊 別名 参内傘
ツルボ(ユリ科ツルボ属)蔓穂 別名 参内傘

日本各地に分布し、日当りの良い土手などに生える多年草。
9月ごろ2枚向き合った線形の葉の

間から20cm〜40cmほどの花茎を立てる。花茎の先端に長さ4cm〜7cmほどの密な穂のような

花序を出し淡紫色の花を咲かせる。花被片6個は平開し倒被針形・雄しべは6個で雌しべは1個

。葉は春と秋に2回出し、春の葉は、夏に枯れる。果実は?懿果で5mmほどの楕円形、上部が裂開

、黒い種子を散布する。
連なる穂からツルボと呼ばれています。又、球根の外皮を取るとツルリ

とした坊主頭に似る事から「つるぼうず」と呼ばれ、それが転訛してツルボとなったとも言われ

ています。
別名に見る参内傘は、公家衆が宮中に参内の際、共の者がさしかけた長柄の傘に見立

てて名付けられました。
球根は、デンプン質でかっては、食用とされていました。終戦後の食糧

難の時代まで食べられていた様子が、「おばあさんの職物図鑑」に収録されています。壇ノ浦で

敗れた平家の落人集落で知られる宮崎県の椎葉村。そこに住んでおられる椎葉クニ子さんの語る

言葉がそのままの形で収録されている本です。
「スミラは食べおったもん。終戦後はスミラだけ

、あれは手がかからんでしょうが」このスミラはツルボの方言で食糧難の救荒植物として宮崎県

の各地で食べられていたとしています。「ソバをまいたあくる年、ヒエまく前に掘るからね。ノ

ホリ(細いヤマグワ)で掘ったら、大いのだけをひろうてテゴに入れてもって帰りおったですよ

。そして日がいい時にむしろに干して、乾燥したらもむんですよ。そしたらタマネギの皮のよう

に上皮がとれるから。そしてまっ白うニンニクみたいになっとを大釜で煮るんですよ、三日ぐら

い。底には竹の皮を敷いて、こげつかんようにね。煮る時はぐつ煮みたいにするからこげつきも

せんし、水が減ったら水をさしては煮して、柔らこう炊いて」「食べる時はちょっといがらいか

らハッタイ粉(麦の粉)をまぶして食べおったですよ。汁は焼き物の花びんに入れてわき水の所

につけておくと、お客さんが来た時なんかハッタイ粉にスミラの汁をかけて茶おけにやると、あ

れがまたおいしかったですよ」と煮詰めてアク抜きする様子が事細かに紹介されています。
薬用

としては、球根を擂り下ろしたものを腰痛、膝の痛みなどのシップ薬として用いられています。


ユリ科の多年草で淡い紫色の上品な趣の上向きの花を数多くつけ、毎年同じ場所に姿を見せてい

ます。