ヤマハギ(マメ科ハギ属) 山萩
ヤマハギ(マメ科ハギ属)山萩 別名 秋萩 秋知草 秋遅草 鹿妻 鹿花妻 鹿妻草 鹿鳴草
月見草 庭見草 初見草 諸見草 芳宜草 男草 風草 野守草 玉見草 古枝草 水染草
観音菊 ぼた
北海道から九州にかけて分布する樹高1m〜2mの落葉小高木。これといった明確な幹はなく株
立ちし、多くの細い枝を分枝する。いわゆる「ハギ」と呼ばれているものは、ヤマハギ亜属の
総称としての呼び名で本種とマルバハギを指すことが多い。花は、両性花で、花期は、7月か
ら9月。葉腋に総状花序を出し、長さ1.5cmまでの紅紫色の蝶形花を2個ずつ対に付ける。
花序は基部に付く葉より長く萼は、4深裂する。
葉は、互生して三出複葉、2cm〜4cmの小葉は、広楕円形から広卵形で先端が丸い。果実は楕
円形の豆果で10月に熟し、裂開せず中に1個の種子がある。通常、「萩」というとヤマ
ハギ亜属の総称でこのヤマハギとマルバハギのことを指す場合が多いのですが、これは、双方
の見分けが付き難いという曖昧さからと思われます。1本の木の中でも葉の変異が多く見られ
花期を見逃すと同定をさらに難しくしています。主な特徴として小葉の先端がへこむマルバハ
ギに対しヤマハギは、小葉の先端が丸いのが特徴です。又、花にも特徴があり、枝の基部に付
く葉よりも短い総状花序のマルバハギに対しヤマハギは、葉の先端よりも長い総状花序を出し
ています。
名前の由来は、古い株から毎年芽を出す生芽(ハエキ)、茎が這うように伸びる延茎(
ハクエキ)、葉が黄色くなる(ハキ)などがありますが、他にも秋が転じてハギとなった説も
あります。在来種でもあり、秋の草花の代表として草冠に秋という国字が当てられています。
万葉集に詠まれる萩は142首にも及び、特に山野にある萩の歌が多く見られ、秋の七草を代
表する歌として万葉人に親しまれて来たようです。
真葛原なびく秋風吹くごとに 阿太の大野の萩が花散る 巻十・二零九六 作者不詳
葛が生繁っているのを靡かす秋風が吹く度毎に、阿太の野の萩が散る。この歌は奈良の吉野川
沿いの荒涼たる野の一面に生えている葛が葉の白い裏を返し、その中に紅紫色の萩の花が散っ
ていると詠まれています。
情景を見たままに表現した歌のようですが、何故かその場に居合わせたような錯覚を覚える歌
です。