ラムズホーンの雑学
◎その1:【魚を襲う?】(繁殖水槽の番人)


「ラムズホーンが魚を襲う」

こんな噂を聞いた事がありませんか?

これ、本当でしょうか?

ラムズホーンを飼育した経験がある人ならわかると思いますが、ラムズホーンの動きは他の貝と比べても決して早いとは言えず、これに襲われる魚って、、、あり得ないですね。

また、ラムズホーンの口にあたる部分には歯舌と呼ばれる食物を削り取って摂取する器官でできていますが、ラムズホーンの歯舌はその構造上、腐りかけた物、柔らかい物しか食べられません。


なので、生きている魚を襲うどころか、動かない卵ですら食べる事はできません


逆にこの特性、何かに使えませんか?

卵や生体は食べず、腐った物や糞、残り餌を食べる。

そうなんです。

生物濾過器として利用されているのです。

ワイルドベタや卵生メダカなどのブリーダーの中には卵を隔離した孵化水槽にラムズホーンを入れて使うことがポピュラーになっています。


かくいう私も卵生メダカの飼育をしており、稚魚の飼育方法を模索していてラムズホーンに出会いました。

卵の時期は水の濾過、孵化した後は、糞の消化、落ちた稚魚の始末、ブラインシュリンプを与える頃には、食べ残したブラインシュリンプの始末。

しかも、濾過器のように水を回さないので、稚魚や卵が濾過器に吸い込まれる心配がない。

食べ残したブラインシュリンプの処理が出来るので、大量に与えても水が腐らず、型の良い稚魚を育てることが出来る。等のメリットがあります。

つまり、
優秀な繁殖水槽の番人と言えます。

ラムズホーンを使ったブリーディングを行うようになってからは孵化率、孵化後の成長も上々です。
グッピーやメダカなど小型の魚の飼育には特にお勧めします。

◎その2【ラムズホーン爆発繁殖伝説】

「ラムズホーンを飼うと爆発繁殖して困る。」

こういう話を耳にしませんか?
爆発的に繁殖するという噂ですが、実際はどうなのでしょうか?

ずばり、管理に失敗したり、飼育者が欲深いと起きます。←この欲深いっての重要。

そして、その後は水槽が崩壊する可能性が高いです。

しかし、普通に管理された水槽では爆発的繁殖は起きません。

では、どのようなメカニズムで爆発繁殖が起きるか

1.餌の過剰投与により栄養過多になり、水槽のキャパを超えた産卵が行われた状態。
2.水質が悪化したり、水槽の管理ミスによりバランスが崩れ、種の維持の危機を感じた貝達が子孫を残すべく盛んに産卵する。

などが主な原因です。

つまり、水槽の管理ミスや、手入れ不十分の状態、さらに一番多いのは、繁殖させようとせっせと餌を与え、与えすぎた結果が爆発繁殖→水槽崩壊とつながります。

普通に手入れをして、適量の餌を与えている場合には起きません。

ちなみに、餌を大量投与して、水替えしないヘドロのような水槽が一番爆発繁殖が起こりやすいのですが、その後は全滅したり、殻が白化した個体ばかりの崩壊した水槽になります。

「ラムズホーンが爆発繁殖した。」と言ってるのは「私は水槽の管理が下手です。」と言っているのと同じなのです。(^_^;)

◎その3【水草食害伝説】

「ラムズホーンが水草を全部食べてしまった。」

こんな話を聞いた事ありませんか?

実際はどうなのでしょう?


上の項目でも書きましたが、多くの貝の口は歯舌という物を削りながら食べる構造になっており、ラムズホーンも歯舌を使って食べ物を削り取るように食べますが、ラムズホーンの歯舌は柔らかい物を削り取るように食べる構造になっており、固い物を削るのには適していません。

よって、植物の固い繊維質を食べる事が出来ないのです。


例外として、フロッグビットの歯の裏、腐りかけた葉はよく食べます。

水草の食害にあったという情報の大半はフロッグビットの葉の裏が食べられたか、弱ったり腐りかけの葉が食べられただけで、食害という事ではありません。


また、繊維質として貧弱なコケ類はよく食べます。

なんと、あの頑固な黒ヒゲすら好物だったりします。

私の管理している水草水槽にはブルーラムズホーンが入っています。

緑の上をゆっくり歩く鮮やかなブルーやレッドの貝はとても見事ですが、綺麗なだけではなく、腐りかけた部分を食べて、剪定の手間を省いてくれる水の中の庭師だったりします。

◎その4【系統って?ブランドラムズ】

レッドラムズホーン、ブルーラムズホーンは野生のインドヒラマキガイの突然変異で、レッドのさらにアルビノ化したのがピンクラムズホーン。
と言うのが定説ですが、本当なのでしょうか?

ピンクとレッドが同じ物で、レッドのアルビノを掛け合わせ、系統化したのがピンクラムズなのは確かですが、それらとブルーが一般的に言われている野生種から出てきた物かというとはっきりしていないのです。

ただ、野生種、レッド、ブルーは交配し、雑種(???)が出来るので、ほぼ同じ種である事は間違いないでしょう。

また、ピンクラムズホーンの【櫻華】、【桃太郎】、ブルーラムズホーンの【碧ラム工房】などブランドラムズホーンも出回っていますが、これらは色目の良い物を掛け合わせ、固定させた物ですが、世代交代が早く繁殖が容易なラムズホーンでは誰もがこうしたブランド系統を作出できるチャンスがあります。

ただ、小さいうちから性交するので、選別には地道で細かい手仕事が必要になります。
選別については「飼育の奥義」に書いていきますね。

◎その5【飼っていると住血吸虫に寄生される?】
「ラムズホーンは、人に寄生する住血吸虫の中間宿主だから、飼育していると住血吸虫に寄生されてしまう。」

と言う話を聞いた事はありませんか?

で、これの真偽は、デマです。

確かに、ヒラマキガイの一部は住血吸虫等の中間宿主になっていますがアフリカ、中東、中南米の一部地域に生息するヒラマキガイで、日本で流通しているラムズホーンではありません。

また、仮にですよ、仮にラムズホーンが中間宿主になりえたとしても、

中間宿主(貝類)で成長した寄生虫
 ↓
産卵
 ↓
人間
 ↓
発症
 ↓
排泄物に混じった卵
 ↓
中間宿主(貝類)

のサイクルが必要です。

何世代も累代飼育されている物の場合、寄生のサイクルから外れてしまっているので全く安全です。


理由は、「寄生された人が卵混じりの排泄物を水に流し、それに接した貝が中間宿主として寄生される」という部分、、、水槽に排泄行為をする飼育者ってあり得ないですよね〜。(^_^;)

なので、何世代も水槽で飼育されたラムズホーンが中間宿主になる事はないです。


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