我がふるさとの農民歌人  句集 「土」 藤田渓風      & 門毛&近郷作家作品展

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                         藤田渓風(藤田正雄)
                            昭和6年2月 茨城県桜川市(旧岩瀬町)門毛に生まれる
                            37才にて、藤田渓水に師事し俳句を始める
                              東京、古河、水戸など多くの俳句会に出品し受賞されること多し
                            49才にて歿す 碑「百合の香や 峠越ゆれば 陶の町」 歿後家の庭に建立


一部を掲載しました、句集「土」を編纂してありますので希望の方は連絡下さい(残りは少なくなりました)。詠まれた句は200以上あります。

 仰ぎ見る 老幹の梅 二度三度  声止めば 雲雀峡田の 麦に落つ   里の子の 一人まつごと 冬ぬくし
 花冷えるす しきりて虫歯 うづく夜は  夕おぼろ 唄うは一人の 女の子   去る事の 淋しさ言わず 密柑むく
 桜咲く 土手や農夫ら 憩ひ居て  炭焼の 煙白さ 冴える返る   裏のくりや にぎわいており うち寒し
 畔塗りの 一息いれて 終わりけり  塗りたての 畦夕映の 陽に光る   白息の 一列に過ぎ 分校児
 梅雨晴間 窓開けて干す 病衣  ふるさとに 梅干して母 未だ老へず   迷ひ来る 枯野に石の 道しるべ
 暫らくは 続く山坂 蝋時雨  夜濯ぎの たらひに月の 影みだれ   雪降るや 軒に佇む 子守妻
 爽やかや 晴れて筑波峰 輝けり  新しき 鎌の切れ良し 早稲田刈る   祈らんと する心あり 初詣
 天髙く 上棟の音 響きけり  籾むしろ ひろげて乾して 家にあり   一徹に 生きて三十路の 鍬初め
 ふて仰ぐ 雲より雲に 八日月  秋虹の 美しければ しばし立つ   春咲くや 土に命の ある如し
 炭焼くと 煙の中に 居る孤独   娘の家に 留守を託され 落ち葉焚く   退院の よろこびにふむ 早春の土
 写し見る 白髪ちらりと そぞろ寒  暮れてより 籾がらを田に 焼く匂   冬空に 身を置く運命 瓦土
 手ひしゃく 霞む筑波を とらへけり  峯々に 風鳴り響く 四月尽   降る中を 田植えに妻と 急ぐなり
 早苗響や 一杯の酒 妻に注ぐ  梅雨晴れや 少年の鳩 野に翔ける   遊ぶ子が 居て暮れ時の 梅雨の土間
 幼児を 集めて落とす 杏の実  蝉時雨 杜への坂 通う路に   此の家に 未だなじまずに 髪洗う
 炎天に 無縁仏の 顔拝む  ほたる草 摘みて子のさす 猫の墓   さわさわと 吾が行く里の 稲の花
 峠越す 旅の歩にふれ ななかまど  麦まきの 農夫つぶやく 明日の活  末の子の 袖地に触れ 七五三
 冬寒し 一人又発つ 出稼夫  加波の峯 輝きて野の 冬近し  雪晴れや 眩しきものの 中に妻
 人孤独 念じて老いの 初詣  芝焼いて 一人の刻の 過ぎゆけり  小鳥来て 一枝の刻の 過ぎゆけり
 梅の鉢 置き換えて客 待つばかり  早咲きの 梅一輪を 仰ぎみる  妻と二人 耕す田棚田 なずな光り


門毛&近郷作家作品展