寒中養生 加熱方法について

目  次
1.
ジェットヒーターによる加熱
HotGun(ダクトヒーター)による加熱
レンタンによる加熱
2.対流について
3.燃料漏れ対策
4.HotGun(ダクトヒーター)による温風配管
5.ダクト配管計画
6.ボイド管を利用した曲管の作成
7.ダクトヒーター(Hot Gun)のトラブルと対策
8.補 足
注)ここに詳解したことはあくまで私見でありますので、引用などなさる場合は十分にご検討ください。

1.加熱方法比較(それぞれの特徴)
ジェットヒーターによる加熱
燃料タンクが付属した熱源です。 電源(100V)が必要です。
別途外部から配管による燃料供給が可能で、サーモスタットによる温度制御も可能です。
欠点は自機より下の暖房ができないこと。
前方2m位は非常に高温になるので、可燃物はNGです。
HotGun(ダクトヒーター)による加熱
別途外部から配管による燃料供給と電源(100V)が必要です。
サーモスタットによる温度制御も可能です。
ダクトは110mまで延長可能ですが、断面積の確保が重要。
センサーが振動に対し過敏で時々止まってしまうので、足場上への設置は注意が必要です。
レンタンによる加熱
燃料は筒形に成形された練炭を2個使います。
練炭は着火面を上にして、一番上のみ着火します。
あとは自然と下へ燃えていきます。
モロに火気なので周辺および直上の可燃物はNGです。
一酸化炭素が発生しやすいですが、換気をよくするわけにもいかないので2重の意味で頭が痛い。
鉄製のバケツに水を入れて上に乗せ、蒸気養生とすることもあります。
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2.対流について
寒中養生とは、一定の容積内を限られた熱源で一定以上の温度に加熱することです。
そこには必ず熱対流が起こります。

熱対流というと温度の高い空気が上に移動することにばかり目が行きますが、逆に冷たい空気は下へ(地面へ)移動します。
そして、対流ですから、これが継続して行われてしまいます。
結果、上部は高温に、地面は氷結します。
これについては、扇風機などで内部の空気を撹拌すると、対流が緩和されるとともに、熱の有効利用になり燃料の節約ができる場合があります。
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3.燃料漏れ対策
昨今は特に燃料漏れに対して過敏になっているように思いますが、時代の趨勢ですので致し方ないことと思います。
コンクリート作工物は、通常地面の下から基礎が始まりますので、降雨、洪水、雪解けの際には水没の危険を免れません。
水没しますと、練炭以外の熱源は灯油を使用していますので、油漏れが起こります。
この対策としては水没の危険ライン以下にはいかなる油使用機材も置かないようにする以外ありません。

しかし、温まった空気は上昇してしまうので熱源はできるだけ下に置かなくてはいけません。

ちょっとしたジレンマですね。

解決策の一つとして提案できるのは、ダクトヒーター(Hot Gun)を使って高い位置から温風を地面まで送り込む方法です。
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4.HotGun(ダクトヒーター)による温風配管
設置位置予想水没ラインよりも上
川であればHWL(ハイウォータレベル)よりも上。
設置場所の条件揺れの少ない場所。
足場なら、養生足場とは縁を切り単独にします。
ダクトの配管目標位置は、足場と作工物の間の地面上。
パイプシャフトを別に設けて下におろします。
ダクトについて有孔管(温風吹き出し用)と無孔管(温風搬送用)がありますので、使い分けます。

では、実際の例を見ながら配管計画をしてみましょう。
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5.ダクト配管計画例
配管模式図(外部)

「ホットガン 設置エリア」を高い位置に設定しています。

養生足場に向かって「風管足場」を設けています。

風管足場から基礎(下方向)に向かい「パイプシャフト」を設定しています。

工作物と足場の間を温風が走るように風管を配置しています。

ホットガン 設置エリア
ホットガンは電圧の低下で故障する場合があるので、発電機の近くにおいています。
ここでは3台立体的に配置しましたが、上下に重ねておくことの是非については判りません。
シートは内部が防炎シート、外部がナチュラルシートで2重構造にしてあります。(断熱のため)


風管足場
風管のスペースとメンテナンス用の通路があります。
シートは内部が防炎シート、外部がナチュラルシートで2重構造にしてあります。(断熱のため)
50cmほどの幅のメンテナンス通路スペースがあります。


パイプシャフト
風管のスペースのみです。
シートは内部が防炎シート、外部がナチュラルシートで2重構造にしてあります。(断熱のため)
ボイド管を加工した曲管を使って、ダクトがつぶれないようにしています。
パイプシャフト上部 パイプシャフト下部

6.ボイド管を利用した曲管の作成
風管ダクトがつぶれないようにボイド管を加工して90度曲管を作成しています。

ボイド製90度曲管
φ400のボイド管で作成します。
切断は電動のこぎり(エアーソー/セーバーソー)を使うときれいに切断できます。
つなぎ目は穴をあけて被覆番線で接続します。
つなぎ用の番線は内部でねじり外側には出さないようにします。
小口は50mm幅のボイド管を二重にして段差をつけ、風管の抜け防止とします。
風管は外側からかぶせて、番線で締め付け固定します。
つなぎ目に隙間がある場合はガムテープでふさぎます。
ボイド管は、4m単位で販売されているので1本で5個作成できます。
展開図1 3個の組み合わせ例です。

中間部分の数を調整すると45度・90度・135度・180度の曲管が作成できます。

実際には45度程度までは自然と曲がるので曲管は必要ありません。

右の展開図のように切断し、つなぎ目を180度回転させて合わせると左の曲管の形になります。
抜け防止の部分は50o幅の部品に切れ目を入れ、内径を外径にを合わせます。
展開図2 4個の組み合わせ例です。

中間部分の数を調整すると60度・90度・120度・150度・180度の曲管が作成できます。

右の展開図のように切断し、つなぎ目を180度回転させて合わせると左の曲管の形になります。
抜け防止の部分は50o幅の部品に切れ目を入れ、内径を外径にを合わせます。
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7.ダクトヒーター(Hot Gun)のトラブルと対策
No.
トラブル
対 策
 1振動によりエラーになって停止する足場上にはHotGunを置かない。
HotGunを堅固な場所に置く。
HotGunを足場に置く場合は養生足場と縁を切り、振動を伝えない対策をする。
 2風管がつぶれているとエラーになって停止する風管の断面積を確保する。
特に曲がり角でつぶれやすいので注意が必要。
本体の送風量を確保するため、つぶれやすいところの穴を大きくする。
風管がつぶれている個所を点検し、復元する。
 3HotGunの吸気口がふさがれているとエラーになって停止する障害物(養生シートなど)を固定する。
ふさがらないようガードする。
 4給油が止まるとエラーになって停止する油量を確保する。
配管内のエアーを排出する。
配管がつぶれている個所を探し、修復する。
 5電圧が低いと電装基盤が損傷し、故障する。テスターで適正電圧で動作しているか確認する。
電源コードを他の器具と一緒にせず、単独にする。
電源のなるべく近くで電線を分岐する。
 6油量が不足すると、不完全燃焼を起こし、風管がススで黒くなる。配管内のエアーを排出する。
配管の延長を短くする。(50mほどでこのようなことが起こる)
配管に使うパイプの内径を大きくする。
配管がつぶれている/圧迫されている個所を探し、復元する。
 7送風の風速?が不足すると、エラーになり、停止する。風管のつぶれている個所を探し、断面積を確保する。
風速センサーが過敏である場合、本体の吸気側を少し高く設置する。
本体の送風側が高い場合、風速センサーがNGを出しやすいので、本体の吸気側を少し高く設置する。
風速センサー

私も詳しくは知らないのですがおおむね次のような構造になっているそうです。(リース屋さん情報)

風速センサー図解

ファンによって風管に温風を送り込むのですが、風管の延長や配管経路の形によって、送風抵抗がかかり風速が遅くなる場合があります。
風速センサーは、上から蝶番でぶら下げた板のようなもので、一定以上の風で押されて振れるとスイッチが入るようになっております。
風速が遅くなると、板の振れ幅が小さくなり、スイッチに届かない。 したがってエラーになり停止してしまう。 ということのようです。
本体は水平に設置するのが原則ですが、送風側が高い場合は、スイッチまでの振れ幅が大きく設定されることとなり、エラーが起こりやすくなります。
逆に吸気側が高い場合は、風速が少なくてもスイッチが入って、運転状態となります。

ちなみに水平センサーは搭載されていないようで、10cmくらい前後の高さが違っても止まることはありません。
が、上記のような理由から、なるべく水平に設置することをお勧めします。
送風量不足のため、エラーになった場合は、これを思いだしていただき、コンパネや桟木を吸気側にかませてみるのもよいかも、ということで。
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8.補 足
今回の工事例では、上記に紹介した風管配管のほかに、内部にも風管を配置しています。
配管模式図(内部)
内部風管配管図
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