素堂掲載書『枇杷園句集』士朗編。文化十三年(1810)刊。
『枇杷園句集』…びわえんくしゅう。日本俳書大系 巻十四 巻之四 冬
時 雨
- はつ時雨野守が宵のことばかな 素堂
- 鳴海にてしぐれそめけり草鞋の緒 素堂
竹葉軒
- さゝ竹にさやさやと降すぐれ哉 素堂
- 獨居や古人がやうの小夜しぐれ 素堂
芭蕉忌
素堂は芭蕉の善友なり。一日風のばせをの破れやすく、霜の荷葉のかゝるを悲しみ、世の形見草にもとて甲子吟行を評して曰、静なるおもむきは秋しべの花に似たり。その牡丹ならざるは隠士の句なればなりと。けふまた其静なる趣を弄して手向草とす。
- 月時雨さりとては古きけしきかな 素堂
- 一雲に夜はしぐれけり須磨明石 素堂
- 山茶花の手をかけたれば時雨けり 素堂
茶室迎友
- 窓ぶたになるやしぐれの松のかげ 素堂
- 夜しぐれに小鮑焼なる匂ひかな 素堂