素堂消息 貞享元年六月二日、小石川に於て『古式之百韻』鈴木清風編。

(2月21日改元)
貞享 1年 甲子  1684  43才

 素堂…… 六月二日、小石川に於て『古式之百韻』鈴木清風編。付句十三入集。
 凉しさの凝くだくるか水車       清風
  青鷺草を見こす朝月         芭蕉
 松風のはかた箱崎露けくて      嵐雪
  酒店の秋を障子明るき        其角
 社日来にけり尋常の煤はくや     才丸
  舞蝶仰ぐ我にしたしく         コ斎
 みちの記も今は其まゝ霞こめ     素堂
  氈を花なれいやよひの雛       風
 老てだに侍従は老をへりくだり     蕉
  氷きよしとうち守りたり         雪
 戸隠の山下小屋の静にて        角
  阿闍梨もてなす父の三年       丸
 笑顔よくうまれ自慢の一器量      斎
  舟に夜くいのとあきなふ        堂
 雨そぼつ蚊遺火いたく煙てし      風
  草庵あれも夏を十疊           蕉
 既にたつ碁にまれ人あざむきて     雪
  鴻鴈高く白眼ども落ちず        角  白眼=ニラメ
 晩稲刈干みちのくの月よ日よ      丸
  浄瑠璃聞ん宿からむ秋         斎
 椎の實の 算る半蔀に          堂  (以下略)

 清風……慶安四年(1651)生、〜享保六年(1721)没。年七十一才。
 鈴木氏。通称島田屋八右衛門。金融業を営む傍ら、出羽国の物産問屋を兼ねた。 俳諧は、延宝七年(1679)の『俳諧中庸姿』に独吟歌仙一巻が収められ、   特に言水と親しく、多くの俳人とも交流を深めたが、晩年は俳諧から遠ざかる。