〔素堂消息〕延宝7年
はりぬきの猫もしる也今朝の秋 芭蕉
七つ成子文月の歌 素堂
素堂、延宝7年(己未)1679(38才)
はりぬきの猫もしる也今朝の秋 芭蕉
七つ成子文月の歌 素堂
《註》
この発句を録した尾張鳴海の下郷家一知足家一伝来の書留には、三組の付合が一紙同筆で書かれている。(筆者不明)
「はりぬきの」句には、「七つに成子文月の哥」という素堂の脇が付けられ、外に素堂・芭蕉の発句・脇、素堂・夷宅・芭蕉の三物が見える。
第一の付合の素堂の発句の前書に「市中より東叡山の麓に家を移せし比」とあるが、素堂の上野移居は彼が延宝七年晩秋春に長崎から帰って間もなくの頃といわれる。当面の付合には何れも素堂が顔を出しており、三組発句は秋季なので延宝七年秋の作と推定してよかろう。(『芭蕉発句全講』阿部雅美氏著)