素堂消息 元禄9年(丙子)1696(55歳)
〔『俳諧翁草』〕
〔『裸麦』〕
◇素堂、甲斐の濁川改修工事に手代として活躍と『甲斐国志』に記述あり。(『甲斐国志』の記述は一考を要す
◇素堂、『俳諧翁草』入集。里圃編。
発句十二・一座の歌仙二巻及び文章一編入集。
◇素堂、『裸麦』芭蕉三周忌追善興行。
室生氏の家に、浦の浜ゆふをうつして植てもゝえの縁を愛せられける。
紫や伊勢の海、清きなぎさより出てみくまのうつしさらぬ所々にもはひ広こりぬ。
これをゆふと名を呼ぶことは、花のいさぎよきをもて神に捧げければなり。
葉のもえ出るころは、おもとのいきほひに似て、
後これをはせを(芭蕉)といはんも過ぎたりとせず。云々
頭巾着て世のうさ知らぬ翁哉 素堂
魂やどし凩に咲梨の花 々
照日にハ蝸牛もきしる柳哉 々
其不二や五月晦日二里の旅 々
日照年二百十日の風を待ツ 々
漆せぬ琴や作らぬ菊の友 々
白河や若きもかゞむ初月夜 々
人待や木葉かた寄ル風の道 々
古足袋や身程の宿の衣配リ 々
◇素堂、『三畫一軸の跋』琴風編。(別掲)
◇素堂、『韻塞』発句一入集。
(九年十二月序・跋)