『伊勢踊』素堂翁句初見 春陽軒 加友撰 ◎松阪市史、第七巻所集
寛文七年(1667)著 八年刊。
『伊勢踊』素堂翁句初見 春陽軒 加友撰
伊勢踊 加友編
紗の紗の衣おしやりしことは世中の狂言綺語にして一生は夢のことく
なれともことにふれつゝ目に見こゝろに思ひくちにいふ霞舌の縁に引
れてやつかれ若年のころほひより滑稽の道にをろかなるこゝろをたつ
さゆといへとも宰予か畫寝かちにおほくの年月を過し侍りぬまことに
期すところは老と死をまつのおもはんこともしらす又爰にわれにひと
しき二三子あつていはく此ころ諸方に何集のか草のとて誹發をあつむ
る事しはいまめかしされは都のえらひにうちのほせんをも流石に目は
つかしまた田舎のあつめにさしつかはさんこともはたくちはつかしさ
はいへとをのれらうちこゝろをやりてなし置たるを月日をふる句にな
し行事いとくちおしくて予を時のはやりをとりの哥挙に物せよとより
そゝのかされて氣を 瓢箪の浮蔵主になりつゝ足拍子ふみとゝろかし
手ひらうちたゝきて人々まねきよすれは赤ゑほしきたるとち腰うちひ
ねり頭をふりてわれもとうたひのゝしる小哥ふしらうさい片はちやう
のものはいふにたらすは哥舟哥田植えうた巡礼比丘尼樵夫の哥なとを
とりあつめて小町躍や木曾踊住吉踊土佐踊是はとこをとりと人とはゝ
松坂越て伊勢 踊と名付答る物ならし
・寛文七年霜月日 加友序
伊勢踊 素堂入集句
1、予が江戸より帰国之刻馬のはなむけとてかくなん
かへすこそ名残おしさは山々田 江戸 山口氏信章
2、花
花の塵にましはるはうしや風の神 信章
註…「はうし」は「法師」
3、餘花
雨にうたれあなむ残花や児桜 信章
註…「児桜」は「ちごさくら」
4、相撲
取結へ相撲にゐ手の下の帯 信章
註…。「ゐ手」は「ぬき手」か
5、相撲
よりて社そるかとも見め入相撲 信章
註…「社」は「こそ」