ヨーロッパリクガメ属
へルマンリクガメの飼育の薦め



ヨーロッパリクガメとは?
 リクガメ、その言葉から連想される一般的なイメージは、おそらくガラパゴスゾウガメではないでしょうか?
 日本では、どちらかと言えば「ゾウガメ以外にリクガメっているの?」という人の方が多いかもしれませんね。
 しかし、日本には生息していませんが、世界中には、色々なリクガメが生息しているのです。
甲長1mを超えるゾウガメをはじめとして、小さい種類には、大人になっても10cm程度のものまで数十種類も居ます。
 その中でも、ここではヨーロッパリクガメ属についてお話したいと思います。
ヨーロッパリクガメ属は、その名の通りヨーロッパを中心として生息しているリクガメ達で、その属には、
ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、マルギナータリクガメ、エジプトリクガメ、ホルスフィールドリクガメ、
が含まれ、中でもエジプトリクガメはワシントン条約1種に指定され、厳重に商取引を規制しています。
 又ヨーロッパリクガメ属の亀は比較的小さい亀が多く、大きなものでもマルギナータリクガメの35cm前後、
その他の亀でも、普通は甲長10〜25cmが一般的で、日本の住環境に適したリクガメです。

ヘルマンリクガメ
そして私が、始めてリクガメを飼育する人、又は初めてではなくても、
リクガメと長期にわたり良い関係を保ちたい人に勧めるのがヘルマンリクガメです。
詳しくはこちら
ちなみにヘルマンリクガメは、童話ウサギと亀に登場した亀だといわれています。


以下に、なぜ私がヘルマンリクガメを強くお勧めするのか、その根拠を書いて置きましょう。

1−日本の環境になじみやすい
なんと言ってもこのヘルマンリクガメ、関東より南の太平洋側、および瀬戸内海地方において、最も飼育しやすい亀と言えます。
 中でも岡山、香川、淡路島、和歌山北部、大阪南部、などの年間日照時間2000時間を超し、
なおかつ夏場の降水量の少ない地域では、年間を通してほぼ屋外飼育が出来るという、
亀にとっても飼育者にとっても、非常に都合のいい亀なのです。

2−温度湿度の許容範囲が大きい
ヘルマンリクガメの活動温度は20℃〜35℃、活動湿度はおおむね35%〜70%です、
しかし雨の中を歩き回っていることもよくありますので、短期間の高湿度ならストレスは感じないみたいです。
 また冬場20℃を下回る日本では、その他の多くの種類のリクガメは、屋内で加温飼育をしなければいけませんが、
ヘルマンリクガメは冬眠することが出来る亀なので、気温が低くなると、環境さえ整っていれば冬眠することが出来ます。

3−亀自身がアクティブ
ヘルマンリクガメはとても活動的な亀です(特に雄)。
普段から神経質で大人しい亀は、亀自身状態を崩している時でも、普段通りなのか調子が悪いのか判らないと言う事が起こります。
 しかしヘルマンリクガメは積極的で活動的なので(ベビー、雌個体の一部は除く)、
調子を崩したときとの差が、初心者でも気が付き易いという訳です。
 それに、せっかく飼っているのですから、餌を食べたり、歩き回ったり、餌をねだってくれた方が、飼い主としても楽しいと思いますよ。

4−亜種判別のし易さ
実を言いますと上記の1〜3に当てはまる亀がもう一種居るのです、そのリクガメの名は、イベラギリシャリクガメといいます。
 イベラギリシャリクガメはギリシャリクガメの亜種にあたる亀で、こちらも非常に飼い易いのですが難点が幾つかあります。
 その難点というのが、亜種判別の難しさです。
ヘルマンリクガメも、西へルマンリクガメと東へルマンリクガメという種類に分けられます。
若干西へルマンリクガメのほうが飼い難いようですが、それほど飼育難易度や飼育環境は変わりません。
 それに比べギリシャリクガメは現在6種類に亜種分けされており、それぞれを外見で分けるのは至難を極めます。
 しかも、その亜種ごとに生息環境はかなり差があり、草原のようなところに生息するものから、ほとんど砂漠化したようなところに生息するものまで多様なので、初心者ならずとも、自分の飼育している亀が本当はどの亜種なのかわからない、という事が頻繁に起きます。
 また亜種の中には、アラブギリシャリクガメのような冬眠不可能種や、飼育難易度の高いものもおり、飼育者の中でも混乱が生じているのも事実です。
 しかも追い討ちをかけるかのように、ギリシャリクガメの亜種判別は学者間でもさまざまな説があり、未だにハッキリと定まっていないのが現状です。
 
5−密輸の少なさとCB個体の豊富さ
ヘルマンリクガメは現在、野生個体は完全に輸出規制がかけられており、ワイルド個体は事実上日本に入ってきません。
 しかしCB(繁殖)個体が流通しているので、ヘルマンリクガメ自体は比較的容易に手に入ります。
さらにCB個体ですので、寄生虫の感染率が低く、人間に対してあまり神経質でないのも良いところです。

6−視覚的に美しい
これは人それぞれというところもあるのですが、ヘルマンリクガメは丸くて盛り上がったリクガメらしい甲羅に、
コントラストの強い黄緑色と黒の模様、というメリハリのある甲羅をしており、かなり美しいと思います。

7−大きくなりすぎない
ヘルマンリクガメは例外的に大きな個体でも30cm前後程度、普通は大きくても25cmという所です。
 中にはもっと大きい亀が良いと言う方も居ると思いますが、20cmを超えるとかなりの迫力です。
また、リクガメは総じて100年以上も生きる長寿な生物です。
 もし飼い主が高齢になったと考えると、大型で数十kgにもなる亀は、飼育できなくなるのが容易に想像できますよね。



TOPへ戻る