
投稿者: ilkuji_99 内海航路の中で複雑性の絶頂はやはり来島海峡かな。当時はまだ四国と本州を
繋げる橋が建てられなかったのでフェリが唯一の交通手段だったので頻繁に
本船の進行方向を横断するけど、本船が近づいても全然避けない。国際衝突予
防規則違反だと思った。それは海上運行規則により横断ないし斜面横断のときは、
他船の左舷ないし左舷の航海灯(赤色)を見る船が義務船になり針路を変更し
なければならないとのことだ。しかしフェリは避けないというのが後でわかった。
来島に近づくと船長が上がって来る。干満潮を表示する大型電光板が遠くから
みえる。来島が航行が難しいのは干満潮の変化によって往来する船の位置が
反対に変る。すなわち中央線の左側を来る船が、右側を行く船が走って分離
通航するのに、今度はお互いが中央線を超えて反対側に入って走るようになる。
このときは分離航行ができなく、海峡は極めて混雑な状態になる。速度を落として
緊張して運航する。船長はこういうときに極度のヒステリをみせて小さなことで
すぐ怒り叫んだりする。景色のいい航路を緊張の中、当直に臨する。
2航士と夜間当直を交代するとき甲板上に固定した冷凍コンテイナーの温度を
点検して記録するようにいわれた。温度計はコンテイナーの前面の中間高さに
付いてるので固定した鉄棒を手で取って上がらないとみえない。夜12時なので
暗くて一手に懐中電灯を取って上がっていって温度をチェックする瞬間、
ウィンーという音が発する。無意識的に電気に感電するかと思い、取っていた
鉄棒から手を放すと甲板の上に落ちてしまった。そしてすぐとなりのレールに
ぶつかった。レールの外はそのまま海なのだ。
航海中なので体の中心を維持するのができなくて起った出来事だった。くらっと
する瞬間だった。後で聞いたら肉や食品は冷凍コンテイナーに入れて運ぶけど
航海中にも船内電気をつなげて一定な温度を維持させるけど、一般冷蔵庫みたいに
温度が上がったら自動的にファンが稼動、ファンの音を出したのだ。
内海は文字通り中の海なので風が強く吹いても比較的に波が少なく静かだ。
いくらそうだって内海航海中、木板両端にロープを結んで
船舷の外にぶら下げ、
船員二人がその上に座って船体の鉄板にペンキを塗っているのをみた。1航士は
双眼鏡でそれをみながら嘆息した。
そんな危ないとこをさせるなんてあの船の1航士が悪いと。そしたら1舵手は
「上司に点数を取るためじゃないでしょうか」と笑う。恥ずかしいことにその
船は韓国籍だった。安全意識がまだ足りないなと実感した。(つづき)
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