
投稿者: ilkuji_99 そのわけで日本に到着したとき、ストーキと1航士、それから他の船員数名といっしょに本船を降りた。当時3等航海士で彼らと同伴下船した筆者も大阪で飛行機で帰国した。飛行機の中で1航士とストーキは前後座席に分けて座った。
ストーキは離別酒から目覚したようで昔の海運公社のときの思い出を語っていた。1航士は前の席で彼の話を聴き、微笑みながら“それがストーキのいい面だぜ”と筆者にやや低く言った。ストーキは船をもう少し乗らないとと心配もした。彼には大学生の息子と娘たちがいる。子供たちが成長するまでもっと乗船しないといけないとの名残だった。ただし強制下船された記録があるから他船にでも再乗船がそんなに簡単ではないはずだろう。
1航士とストーキは航海士と舵手として出会って、お互い喧嘩しながらも10年以上、運命的にいっしょに乗り、いっしょに降りるのを繰り返した。小説でのドンキホテとサンチョが思い出す。どっちがドンキホテかは分からないものの、戦いながらも再び相手にしないとならない、目にみえない何かが二人を結んでいるのではないかな。
(大尾)
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