
投稿者: ilkuji_99 シドニー郊外のあるショッピングセンター駐車場に車をおいといた女が子供を後ろ席に座らせたまま、降りてちょっとよそみする間、見知らぬ男が運転席にすばやく乗っては鍵が入ったままの車に始動をかけて逃げはじめた。直感的に車泥棒だとわかった女は子供が乗っているのに気づいて叫びながら車の後ろを追いかけていったが掴めなかった。そしたら周りの他の車に乗っている男に助けてと頼んだ。彼は気軽に応じてあの女を乗せて先の車を追いかけ始めた。
だんだん車二台の間隔は狭くなっていた。後ろから追いかけてきた男が前の車を止めるために近道に入ってはまだ走ってる前の車へ突進、その車の脇にぶつけた。渾身の力をしぼった一撃だった。犯人は捕まり、すんでの事に嬰児誘拐事件へ発展する所だった車泥棒事件は一段落した。女を助けて車泥棒をつかんだあの善良のサマリア人は案外にその当時、自分も人の車を盗んで乗っていた車泥棒だった。いわば車泥棒が他の車泥棒をつかんだことだった。彼は何故自分自身が泥棒でありながら他の泥棒をつかむのにそんなに積極的だっただろうか。自分は車だけ盗んだが捕まれた者は子供さえ誘拐しようとした反人倫犯なので泥棒でも格が違うと主張した。
筆者も車を盗まれた経験がある。ただし自分も知らないうち、やられたんで焦たことはない。夜中3字頃、深く寝ているのに電話ベルが鳴った。警察だけどあなたの車が盗まれてセイントアルバート病院の駐車場にあるから取りにいくようにいわれた。経緯を尋ねたところ、その夜、オージー泥棒二名が家の前に駐車し、閉めてある筆者の車をなんとかして侵入してハンドルを曲げてロック装置を解除させ、得手に走ったそうだ。ビールを飲みながら所持したカセットテープをカーステレオに入れて音楽も大きくして。それにジグザグで縦横無尽走ったとか。怪しく思った警察巡察車が後ろをつけはじめ、深夜の追撃戦を開いたそうだ。行き止まりに追い込まれたあのやつらが車を捨てていった所があの病院の駐車所だった。
寝てた目でタクシに乗っていってみたら窓は全部開かれハンドルは曲がってした。やつらが残したテープだけ入っていた。幸いに警察にばれてよかったが、一旦盗まれたら後で発見しても本来の模様を維持しているケースはほとんどない。少しでもお金になるものはタイヤにしろ部品やカーステレオにしろ全部取り出され皮だけ残るのが普通だ。
週末市場の立つフレミングトンにいって買い物をしてから車へ戻って来たときのことだ。ある男が筆者の前の車のドアーを開けて入っては運転席に座って車を引き出すのをみていたら突然他の男が慌てて走ってきては叫んだ。車泥棒だと気づいて追撃をはじめた。あの車主も他の車で追いかけてきた。市場を抜け出てメインストリートへ進入する所で泥棒の乗ってる車が赤信号灯にひかかって止まった。あの車のバックミラーに映る泥棒の顔をみたら目つきが険しいやつだが信号灯にひかかって慌てる気配がありありとわかる。
瞬間的に正義感が発動したわけか、あの車の後ろに止めた筆者が車を降りて泥棒の車に近づいてるのに信号が青に変わる。そしたら急発進するあの車。自分の車に戻ってきて出発しようとしたがもう遅い。あの車は遠く離れた。筆者の後ろに立った車主の車は、筆者の車のために早速走れなく結局、逃がしてしまった。泥棒をつかもうと降りたのが、むしろ泥棒を追いかけるのに邪魔をしてしまったのだ。自分のひざを打ちながら哀痛しがる車主に済まなくてたまらなかった。しかし彼は筆者に怨む言葉はかけなかった。自分を助けようとして逆に逃がしたのを知っているからだろうが。
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