綾辻行人『十角館の殺人』
講談社文庫 1991年9月 ISBN:4-06-184979-4
この作品で一番印象深かったのは犯人が誰かに罪を暴かれることがないということでしょうか??この作品では本人の告白という形でしか殺人の全貌が明かされていません。ミステリー小説をあまり読んでいないのでこういうパターンが珍しいのかどうか私には判断しかねるのですがこういうパターンの物語の終わり方には初めて出会いました。でもなんか消化不良な感じが……(汗
京極夏彦氏の「京極堂シリーズ」にしても島田荘司氏の「御手洗シリーズ」にしても誰かしら「探偵役」がいてその人が複数人間を集め事件の全貌を明らかにしていく…というおきまりなパターンが決して嫌いでない私にとってはなかなかおもしろいと思う反面やっぱりおきまりのパターンの方がすっきりするな〜なんて感じてしまいました。
最後の部分に関して私のものすごく勝手で未熟な見解ではありますがもう少し犯人の告白を感情を含めずにかかれていたらもっとすっきりはっきりな感じになったのかな??とも思う次第です。
でも、この作品は本当に「ミステリー」だなぁ…と感じました。今までに宮部氏の作品、真保氏の作品、そして綾辻氏の「最後の記憶」とこの一ヶ月ほどで4,5冊読んできましたがこの『十角館の殺人』は社会に問題を投げかける、読む側に訴えかけると言うよりは本当に純粋に推理を楽しむ知的な「ミステリー」が詰まった作品であるように思いました。
この作品はご存じの方も多いでしょう。綾辻氏のデビュー作品であり「館」シリーズの最初の作品でもあります。最近、綾辻氏にはまりつつある私としては近いうちに是非次回作『水車館の殺人』を読みたいなぁ…と感じております。