真保裕一 『連鎖』(第37回江戸川乱歩賞受賞作品)
講談社(講談社文庫)1994年 ISBN:4-06-185719-3
初めて読んだ真保さんの作品です。
う〜ん面白い。個人的には社会派かな?と思います。
チェルノブイリ厳罰事故による放射能汚染の食品を巡る三角輸入を題材にした作品です。最初のうちはなぜ題名が『連鎖』なのだろう?と思っていましたが最後の最後にその理由があかされます。もちろん汚染食品の横流しの調査がメインに書かれているのですが個人的には最後の最後のに書かれている題名が『連鎖』な理由とも言える部分がとても印象的でした。
さて…
こういう小説を読んでしまうと果たして「安いものはいいものなのか?」って事を疑問に思ってしまうのは私だけでしょうか?
もちろん高いものが決していいものではないことがあります。悪徳商法とか最近じゃPCを使った在宅ワークを装い数十万円もするPCの教材を買わせるような詐欺も有るようです。それに過剰にブランド品がもてはやされたりすることもあまりいいことだとは思いませんね…。
そして安くてもいい品物があることは確かです。田舎の野菜などは安くても新鮮でおいしいものである場合は多いし地方都市だと東京よりも遙かに安い値段でずっとおいしいものが食べれたりします。
でも、最近あまりにも安いものが横行していると思いませんか?
たとえば…私もよく利用しますが100円ショップ。
お店によっては「これが100円!?」ってものや食品とかまで売ってるところが有ります。あと…牛丼とか渋谷などには数百円でお料理が出てくるようなお店も少なくありません。牛丼が300円で食べられる時代だしハンバーガーが100円で食べれる時代です。これって本当に今まで高かったって事なんでしょうか?なんか理由があるんじゃないの…?なんてちょっと疑ってしまうな…ってこの小説を読んで思いました。
世界各地で開発が進み私は先日インドなどでウランを素手同然のような格好で採掘作業に加わっている子供の映像を依然目にしました。もちろん有害です。でもきっと彼らはそれを知らないししたところでどうしようもないんだと思います。日本でも相次いで原発が爆発しないまでも放射能漏れ事故が起こっています。放射能汚染などは日常茶飯事なのかもしれません。もしかしたら私たちは基準値を超える放射能が絶えずまき散らされている中で生活しているのかもしれませんね。
そして危険なのは放射能だけではありません。近年話題になっているBSEなども当然その対象ではないでしょうか?本当に全部焼却処分されているのでしょうか?そして今スーパーに並んでいる肉は本当に安全なんでしょうか?本当にオーストラリア産??疑ったらきりがないですね…。
すべてが危険であるとは思いません。
すべての食品が危険の無いように国が最善の処置をとっていると信じたいものです。
私たちの生活の中にはきっと危険がいっぱいです
でも、一番恐ろしいのは人間自体なのかもしれません。
私利私欲のために何をしでかすかわからない人間自体が一番恐ろしい存在なのではないでしょうか??
ここではあえてなぜ『連鎖』って題名に納得したのかは書かないことにします。私はこの『連鎖』って題名はこの小説のメインテーマを実に明瞭に指し示していると思いました。この感想を読んでくださった方がいたら是非ご自身でこの作品をお読みになってこの『連鎖』の意味を考えてもらいたいな〜って思います。