綾辻行人『水車館の殺人』
講談社文庫 1992年3月 ISBN:4-061850997
デビュー作『十角館の殺人』につづく「館シリーズ」第2弾です。
でも続きものという感じはあまりないような気がしますね。「館」の建築家と探偵役の島田潔という人物しかつながりがないように思えます。
さてさて…内容ですが…やはり1作目よりもすばらしいように私は思います。やっぱ私は探偵が最後に謎解きをするタイプの推理小説が好きなのでしょうか(^_^;)ちょっと現実にはあり得なそうなお話ですがやはり『十角館』を読んだ時同様文学的なミステリーとしてもおもしろさがあるとおもいます。文庫の解説部分で有栖川有栖氏が「新本格」という言葉で表現していることとたぶん同じ事だと思うのですが…。
だからといって私は決して現代的なミステリーが嫌いではないなぁ…と思います。もし作家さんをあげるとしたら宮部氏や真保氏でしょうか??やはり現実味のあるという意味でリアルな作品も非常におもしろい。綾辻氏の最近書いた『最後の記憶』も非常にリアルな恐怖だと思います。(この作品にはリアルな題材の中に文学的な幻想世界がえがかれますが…)
でも…一つだけ抗議したい点があるとしたら…謎解きの部分が短いと言うことでしょうか(^_^;)もう少し長く込み入った殺人の動機があるとおもしろいな〜なんて誠に恐縮ながら思ってしまいました。でも…この部分が長くなるということは文学的でなくなっていってしまうと言うことなのかもしれないので実のところ大きな声ではいえないなぁ…と思っています。
やはり綾辻氏の作品の良さは現実とはすこし距離のある幻想小説めいた推理小説だなぁと改めて感じた作品でした。