「大丈夫・・・大丈夫やで、ずっとこうしてるから・・・」 俺が剛に涙を見せたのはこれで何度目だろう それは本当に、片手で足りるくらいの回数だったけど、 この仕事を始めてからは、剛にしか見せたことがなかった。 その理由は仕事上のミスであったり、悔しくてやりきれないことがあったりと、 確かに様々だったと思う。 それでも剛はいつも理由を聞かずに、 その胸の中で俺の涙が止まるまで、ずっと抱き締めていてくれる。 それはまるで子供の頃に戻ったようで、 怖い夢を見て泣いていた子供が、母親の胸の中で安心出来るような感覚に似ていて、 剛の腕の中は、不思議と俺を落ち着かせてくれる。 この腕がなかったら、きっと俺は生きていけない。 世の中の悲しみや苦しみや憎しみに負けて、踏み潰されてしまうだろう 俺は本当は弱い人間だから・・・ お前みたいに自分をさらけだすのが怖くて、 自分の中身を見られるのがとても嫌で・・・ だから時々こんな風に感情が壊れかけてしまうのかもしれない。 それでも、お前のこの腕がある限り俺は生きていける もしも俺を信じることが出来なくなって、 不安になったとしても、 俺がその不細工な形になってしまったお前の心を切り裂いて、 必ず助け出してみせるから ずっと2人でこの手を離さず戦っていこう だから今はもう少しだけ、 このままこの腕から離さずに抱き締めててくれ 明日になったら世の中という戦場で、 また2人で戦い始めなければならないのだから・・・・・ +++end+++