「光一らしいな」 収録が終わり、俺の楽屋に来た剛がいきなりそう言った 何が俺らしいのか、話の意図が掴めず「何が?」と聞き返すと 「さっきの話」 と言った。 さっきの話ってどの話や?と必死に自分の記憶の糸を手繰り寄せる しかし、剛の言葉には主語が含まれていない為、さっぱり分からなかった。 剛は、座ってジュースを一口飲むと、”さっきの話”をしゃべりだした。 「愛する人が死にそうになってる時まで仕事してるなんてさ、めちゃくちゃ光一らしいなぁと思って」 「あぁ〜、それね」 本番中に自分がゲストに言った話だ。 でもそれは例えばの女の話であって、剛がもし死にそうになったりしたら、 自分は何をしていても、どこにいたって剛の側へと飛んでゆくだろう 俺の可愛い恋人は、またそんなことで心を痛めていたのだろうか・・・? 「もしお前が死にそうになってるときに俺が仕事してたら嫌か?」 もちろん答えは分かっていたし、ちょっとからかってやるつもりで言ったひとこと 大きな瞳に涙を溜めて、剛はきっとこう言うだろう・・・ 『僕が死にそうになってる時は、側にいて欲しいよ』と しかし、剛の答えは、光一の予想を裏切り、思いがけない言葉をあっさりと口にした 「光一には・・・仕事してて欲しいか・・・な」 「え?」 予想もしていなかった言葉に、光一は驚いた 焦る光一は、剛に問い掛ける 「だってお前、前に言ってたやん、光一が死にそうになったら、仕事なんてほっぽって側に行くって」 それって逆んときも同じやろ? 思いがけない言葉・・・ それは剛が大人になった証拠かもしれない 昔の言葉を含みながら問う光一に、剛は今の心情を話した 「うん、前はそう思ってたし、今だって光一に何かあったら仕事どころや無いと思う。 けどな、もし、もしも僕が死にそうになったとしたら、そんときは光一には仕事してて欲しい。 ちゃんと責任を果たしてから僕んとこに来て欲しいな・・・例えそれで間に合わなかったとしてもさ・・・ やって、僕がいなくなってからも、kinkikidsは続けて欲しいから・・・」 約束なといって微笑む剛を俺は堪らず抱きしめた 「あぁ、約束や、絶対守るからな」 そう言った俺、俺の腕のなかで微笑む剛 そんな2人を静かな空気が包み込んでいた・・・ 君がそばにいるだけで、強くなれる気がしたんだ・・・・ だからその強さで、君を守れると思ってた。 でもそうじゃなかった・・・ この約束をこんなに早く守ることになるなんて、このときは思いもしなかったけど 今俺は思う。 君と最後に交わした約束を俺が守らなければ、もう一度君に逢えたかもしれない 君の最後の笑顔が、俺の心から離れないんだ・・・ その時はこれでいいと思ったけど、 俺に約束を破るあと少しの勇気があれば、 また違った未来を見ていたのだろうか・・・? 今となっては、もう分からないけれど *********************************************** 最後は、ちょっとビューティフルライフ風に終わってみた。 後編では、はっきり言ってつよつよが死んでしまいます。 だから、読みたくない人は読まない方がいいかも・・・。 でも暗いだけじゃないからさ・・・(と思う) 大目に見てやってください。