夜中に目が覚めて、ふと隣を見る。 自分が剛の家を訪れたのだから、 隣に剛が眠っているのは当たり前なのだが、 突然不安になって目が覚めてしまった。 舞台中に全てを出し切っている分、 今は無くならない不安や責任が襲ってきて、 1人でいたくなかった・・・。 【幸福論】 連絡もなしに来た俺に、一瞬驚いた表情を見せたものの、 すぐに綻んだ笑顔を見せてくれ、抱き締めてくれた。 ただ手を繋いで抱き締めて眠って欲しいなんて、 まるで恐い夢を見た子供のようだと自分で苦笑すると、 「俺もそうしたかった・・・」と、剛の腕に力が篭った。 ・・・あぁ、俺だけじゃないんだ・・・。 不安なのも苦しいのも俺だけじゃない。 剛も自分のことのように不安になって、苦しんでる。 今更ながらにそんなことに気が付いて、 少しでも油断したら涙が零れ落ちそうになった。 しばらくすると、肩越しに剛が泣いているのを感じた。 「どした・・・?」 「分からへん・・・分からへんけど止まらへんねん」 そう言って涙を零す剛の顔を、手を握り締めて正面から見た。 あぁ・・・俺の代わりに泣いてくれてるんや。 自分の代わりに泣いてくれる人がいるという幸福。 その幸せは、俺の胸に染み渡っていった。 そして俺達は、まるで子供のように手を繋いで、 お互いの温もりを確かめながら眠った・・・。 ◆◆◆ 【孤独という名の我侭】 寂しい、淋しい・・・。 震える指先を握り締めながら 君が闘いを終えるのを待つ。 今はまだ寂しいけれど、 君が僕の下に帰ってくれば、 僕はまた簡単に救われるだろう・・・ そんな単純な僕を君は笑うかい? でも君はきっとそんなところも好きだと言ってくれる。 いつものように、言ってくれる・・・。 そんな幸せが保証されているから、 僕はいつも耐えることが出来るんだよ。 君が傍に居てくれることを・・・ 君と出逢えたことを、心から感謝します。 ◆ ◆ ◆