昔は秘密が増えていく度に、 少しだけ心が痛くなった。 だけど今はその痛みさえも、 甘い痛みへと、換わっていく・・・・ ◆ ◆ ◆ 「人に嘘付くのいややなぁ」 そんなことを思いいながら、自分達が付き合っていることを隠していたあの頃。 そんなことを自分が口にする度に光一は、 「しゃあないやろ〜」と笑いながら支えてくれていたのを思い出す。 人に嘘を付く事自体が苦しかった。 そうしなければ自分達が終わってしまうことも分かってはいたけど、 それでも心が叫んでいた。 それなのに最近は、2人で秘密を共有しているということに優越を覚える。 彼は自分のもので、自分は彼のものなのだと、 誰にも言えない苦痛、そして悦楽。 心の中に閉じ込めているこの言葉を暴き出してしまいたいと思いながらも、 ずっと封じ込めておきたいと思う自分がいる矛盾。 それは自分が変わったのか、それとも大人になったのか・・・。 本能に忠実な子供から理性に忠実な大人へと変った瞬間、 きっと何かが自分の中で弾けたのだろう。 「嫌でも大人になってく・・・か・・・」 そう呟きながらも、それを楽しむ自分もいる。 「ん?何か言うたか?」 そう聞いてくる光一に「なんでもない」と答えると、 彼に口付けを仕掛ける。 彼に甘いくちづけを贈ろう。 真夜中に・・・甘いくちづけを・・・・。 ◆ ◆ ◆