3.無謀な旅日記

【はじめに】

事のはじまりは私の単なる"気まぐれ"だった。(^o^)v

この年の7月、私は従兄弟"P"に内緒で密かにバイクをレストアしていた。 (レストアについては1の「Live Dio−ZXを復活せよ!!」を見てほしい) せっかくレストアしたんだもの。走りたいじゃない。それが人間の心理ってもの。 で、小旅行をしようと思った。
でも1人で行くのもつまらないから強引に従兄弟"P"を連れていく事にしたのよね。フフッ

私と従兄弟は6つ歳が離れている。もち、私が年上なんだけど昔から変に気が合う。 (本当は向こうがこっちに合わせてたりして・・・)彼は私の母の妹の子だ。 家も近くて車で10分程度。信号がうまく変われば5分で行く事も不可能ではない。

こ奴も誰かさんと同じく車バカ。去年初めて念願の自家用車を手に入れた。 今はアルバイトをして一生懸命車のパーツを買うことだけの為に働いている。 いつも逢えば「金ない〜」と金穴宣言。当たり前だ。車は維持費だけでもバカにならないんだよ!

この後ろ姿とサイドの綴りを見ただけで何ていう車か解った人は車種をよく知っている人だ。 私はこの車に"P"が乗ることに特別反対はしなかったが周囲が相当うるさかったようである。 まぁ、"そういう車"なのだ。

1のコンテンツでも述べたが、従兄弟"P"には私が大切にしていた先代のDio−ZXを譲った 事もあり、パートナーとして旅に連れていくのには誠に都合が良かった。それに学生だから 丁度「夏休み」だし、いい想い出になると思ったのだ。

それでは我ら2人の無謀ともいえる旅日記をお楽しみアレ。

【目指すは三河の豊橋!!】

さて、旅の目的地について書こう。目的地にはいろんな候補があった。東に行こうか西に行こうか・・・ 迷ったあげく私の結論は西の愛知県豊橋市に決定。(ちなみに私は静岡県富士宮市在)

豊橋にはお袋の兄貴が居を構えている。もう20年近くになるんじゃないのかな。 叔父にはとても良く可愛がってもらった。私がまだガキの頃はよく一緒にいろんな所へ遊びに連れていって もらった。感謝・感謝。

叔父の趣味はパチンコだ。よく勝っているらしい。私は全くやらないので良く解らないが、台を見極める のが難しいんだそうな。盆や正月にはこちらへ帰ってくるので(嫁さんの実家もこちらなので)嫁さんの 両親とよく出かけるらしい。(このご両親も趣味パチンコだって)
叔父の応援するプロ野球の球団は中日。嫁さんは根っからの巨人ファン。 シーズンが始まるとテレビチャンネルの奪い合いらしい・・・(汗)
私は野球よりもサッカーの方が好きだ。 自分も少々かじっていたという事もあるが、ここは別名"日本のブラジル"と呼ばれるサッカー王国。 テレビ観戦していても皆小言が多い。下手なプレーをすると野次がすごい!!

あれ?話がそれたな・・・元に戻そう。f(^o^;;

豊橋までの距離は直線距離で片道約300km弱。東京へ行くよりちょっと遠い。 まぁ一口に300kmなんて言うけれど、車で走るなら大したことはないが原付で走るとなると 気合いが必要だ。
目的地の事を"P"に話すと第一声は「バカじゃない」だった。でもこういったバカは若い頃にしか できないんだよ。目的地を変える気なんて"みやっち"にはサラサラなかった。(結構強引)

出発日は9月1日。一泊二日の強行日程。雨天決行。
かくして「無謀静岡横断原付小旅行」は幕を開けるのであった。

【いざ豊橋へ!!】

ちょっと小言を書こう。

従兄弟"P"は"雨男"の噂が高い。「学校行事やイベントの時はたいてい雨が降る」という伝説を持つ男だ。
私が学生時代、縁あって東北地方にいたのだが、学生生活も終わり最後の引き揚げという引っ越しの日の事。 春だというのにその日「雪」が降った!!お手伝いには"P"の姿が・・・
さすがに焦った。だってこっちからはレンタカーだったので冬の装備は積んでいない。タイヤはノーマルだし チェーンもないんだから!!もう皆必死!!本当はゆっくりと引き揚げてくる予定がそれどころではなくなった。 雪が降っているときはまだ大丈夫だ。積もり始めたらもう身動きがとれなくなる。その前になんとか関東地方へ 脱出しなければならない。
結局、荷物を静岡へ運んだまでに「雪」「雨」「晴れ」「曇り」の全ての天気を一日で経験して帰ってきた。 また彼は新たな伝説を作ったのである。

それにしても彼が関わった行事は晴れた試しがないのである。
正直今回の旅も雨が心配だった。雨は人間の体力を容赦なく奪う。 特にバイクで長時間に渡り雨の中を走行すると体温が奪われて衰弱し危険だ。
密かに"みやっち"は即席テルテルボウズをこしらえてバイクにつるした。

神様のご加護があったのか?!決行日は快晴とはいかなかったが晴れた! きっと日頃の"みやっち"の行いが良かったからだと本人は信じている。(笑)



集合場所は旧国道1号線富士川大橋の手前。上がその時の集合写真。左が私で右がP"。 まだどちらも余裕。(-。-)≠oO

バイクで長距離を走るときは薄着では駄目だ。夏であってもウインドブレーカー等の風を通さない素材の服を 着用すること。これは鉄則だ。風は雨と同じく人間の体力を奪う。そしてバイクのように体剥き出しの乗り物 では身を守るすでとなる。もしバイクや自転車でツーリングを楽しみたいと思うならば夏でも嫌がらずに 長袖を着用してほしい。

集合は朝の6時だったという事もあって夏とはいえ肌寒かった。これより走る旧国道1号線は「東海道」である。 「蒲原」「由比」「興津」といったかつての宿場町にはまだ昔の名残が所々に見られる。

ツーリングにおいてペース配分は非常に重要な要素だ。一定の速度を保って走ることで体力の低下を押さえることが できる。行きのほとんどは私が先頭で走った。むろん"P"に「走り方」を教えるためである。 以外と私は優しいのよネ☆

50km走る毎、休憩をする事に打ち合わせの段階から決めていた。今は便利だ。ほとんどの停車駅はコンビニ。 行きはどれ位の時間がかかるか予想がつかなかったので(それに道だって知らないし地図を途中で見ながらの走行だったから) 結構頑張って走ってしまった。
1回目の停車は「清水」だったと思う。もう静岡市目前のコンビニだ。お互いに「トイレ」「給油」「トラブル」等の 提示をするためにサインを決めた。「グー」「チョキ」「パー」だったかな?もう忘れた。

長らく休憩したのは富士からもう120km以上も走った「島田市」の島田署前だった。



よりによってなんで警察署の前になんか止まったんだろう・・・未だに謎。
右に写っている人には丁度いいスローガンが後ろにあるな。 それにしてもそのガッツポーズはいったい何のためだ・・・?(汗)




どちらも私が手掛けたバイク。並べてみると先代の方が男らしくシャープなシルエットだ。 現行の方がメスっぽい。
Dioは"仮面ライダー"が乗るバイクの様なシルエットをしていると思う。昆虫バイクだな、こりゃ。

写真からみてとれるがだいぶ"P"君お疲れのご様子・・・。 「なんで俺はこんな所まで走ってきてしまったんだろう・・・」という悲壮感が漂っている。
一方"みやっち"は"タフ"なのか"バカ"なのか本人すら解らない。(爆)

【豊橋到着!! その後・・・】

思ったよりもスムーズに走ってこれた為、島田を後にしてからはペースを緩め、休息も2〜30km毎を目安に とるようにした。というのは豊橋を目前にして「潮見峠」という山登りが待っているからだ。
そのポイントへ入る前に浜松「弁天島」でのショットを掲載。



弁天島はこの日も潮干狩りで賑わっていた。湖の中に浮かぶ鳥居がここのスポット。
近年「浜名バイパス」が開通した事もあって風景の中に高速道路が写ってしまうのは時の流れか? (ちょっとおっさん臭いか?!)とても残念に思う。

弁天島からは潮見峠をいっきに登り愛知県に入る。途中自動車事故が起きたばかりの現場に遭遇した。 潮見峠の上り坂である。道は左へタイトにカーブする所だった。おそらく下ってきた車がオーバースピードで カーブへ進入してしまい、曲がりきれなくて横の石垣へとヒットしたと思われる。もし反対車線側まで 飛ばされていたら・・・数百メートル下まで崖を転がり落ちることになったであろう・・・。
正直、お互いにとてもいい刺激になった。事故は予測ができないから起こるもの。ヘルメット越しに サインを取り交わし運転により集中した。

長距離を走る時はコミュニケーションがとても大切だ。"P"も私も終盤は体力の消耗等で襲う睡魔と戦っていた。 そういった中も車がこないことが明らかであれば2台で併走してみたり、あれだこれだと指でジェスチャー を取り交わして周りの景色を眺めたり、気分転換をしながら走っていった。
次第にペースができると"P"にも余裕がでてきたようだ。中盤から終盤にかけては「走り」を楽しんでいるように 感じられた。おそらく本人も楽しかったと思う。

峠を越えれば豊橋まではもう近い。一旦少休息しラストスパート。だいたいこの辺りで富士から約250km 制覇した事になる。よくここまできたもんだ。
さすがは原付、とても燃費が良かった。フルタンクで富士を出発し静岡を横断するのに要した給油は2回のみ。 1,000円しない。(単純に計算してリッター30km) しかも有料バイパスなんて通れないから通行料金の負担もない。手間と時間と体力については触れないでおくれ・・・(苦笑)

午後も14時近く、おバカな2人は豊橋市内へと無事到着した。(富士を出発して8時間)
豊橋市内へ入るには今までずっとお世話になってきた東海道(国道1号線)から国道23号線に入る。 豊橋には今も"路面電車"が現役だ!(すみません、また路面電車の写真撮ってきます・・・)
路面電車が走るので信号も違う。黄色い矢印信号は路面電車専用の信号。間違っても車は進んではいけない。

15時前に叔父の住むマンション(豊橋市菰口町)へ到着した。

(祝)無謀静岡横断原付小旅行無事到着!!

叔父も叔母も「おいおいマジかよ・・・」と驚きの声をあげた。そう、マジなのだ。
私達二人は原付でこの豊橋までたどり着いたのだ。"みやっち"の心には安堵と達成感がこみ上げた。 "P"と堅く握手。ヘルメットをとるなり「疲れたぁ〜〜〜腰痛てぇ〜〜〜〜!!」

夕食は贅沢にもカニ料理を食べに叔父達が連れていってくれた。("みやっち"カニ好物です) なんか座敷に通されちゃって・・・あんまりこういうお席に座ることがないので私ドキドキしてました。 「カニ寿司」に「カニ汁」、豊橋は海の幸がおいしいのでたまりません!!バクバク食べていたので 他に何が出てきたのかもう忘れました。ただ1つ「これは☆」と思った一品は「カニ雑炊」。こりゃ うまかった!!カニの出しが利いていてすんばらしかった!!今でも思い出すとヨダレが出てしまう。

1つ暴露してしまおう。従兄弟"P"はお店のアンケート用紙に一言という欄があり、書いているのを ちらっと覗いてみると「接待のお姉さんがステキだった」と書いていた。 (年上が好みなのか・・・)まったく困った奴だわい。f(-。-;;

【叔父宅にて】

その夜、私達は叔父や叔母に道中のエピソードを話した。風呂にはいると途端に疲れがドッと出た。 やっぱり1日は無謀だったかな・・・なんて思ってみたり。
"P"はとても寝付きがいい。3カウントで寝れるからだ。特技といってもいいだろう。 だがこの日は私も負けていなかったようだ。布団に入り、気が付くと朝だった。しかも皆起きているし・・・ 一番早く寝て、一番遅くまで寝ていたのは私だった。我が家にも確か"そんな動物"がいたような気がする。 (あっ、隣でくしゃみした)(^o^)



お世話になった叔父と叔母だ。叔父は相変わらずお茶目だ。叔母はこんな写真撮られている事を知らない。 結構決定的瞬間だ。「いやぁ〜写っちゃって申し訳ねぇ〜」っていっているような仕草だ。(笑)



叔父宅ベランダから見た豊橋市内だ。特別不思議な光景ではないが見晴らしが良かったので撮影した。

叔父も叔母も朝はスポーツ新聞から始まる。さらに叔父は競艇ニュースを読んだりと情報を朝一気に蓄える。 どちらもあまりじっと座っていない。なんかする事を見つけ動いている。叔父は客人のみならず 周りに対して常に気を使っている。良く疲れないなと思う。私や"P"がボ〜っとしていると「○○食べないか?」 だの「お茶もっと飲むか?」だのと聞いてくれる。至れり尽くせりの旅館にいるようだ。そういえば家の お袋もそうだ。なんだか良く解らないけれどひっきりなしに動いている。兄弟よく似ている。

叔母は洗濯や掃除が好きだ。洗い物も念入りにやる。山のように洗濯物が入ったカゴを持ってベランダで 干している。何をそんなに洗っているのかちょっと不思議だ。まぁ、自分の家ではないからあまり触れない ようにしよう・・・

予断だが私は「人間観察」をよくする。人の癖や仕草は見ていてとても面白い。 それに相手に対する接し方の勉強にもなる。「こういった言い方は良くないな」 「この場でこの振る舞いは好ましくないだろう」など観察から得た分析結果は自分の肥やしとなる。 私は営業マンなので相手の考え方や特徴を短時間で見抜かなければならない。 だから常日頃第一印象には気を付けている。親父はとうてい超えられないがこういった日々の 積み重ねは大切だと思う。
おっと、偉そうなことを書くのはこれくらいにしておこう。いつ足下を掬われるか解らないからネ。

【復路〜旅の終極】

さて、いよいよ静岡へ向けて約300kmの復路だ。
"P"もちょっと"うんざり"しているように見えたが来ちゃったんだから帰らないわけにはいかない。 朝寝坊をしてしまったのでその分出発は昼前になってしまった。 でも今度は地図を見なくても道が頭の中にインプットされているので気が楽だ。
叔父に私や"P"の親戚用に「お土産」の「ちくわ&蒲鉾セット」を郵送してもらうようにお願いした。 豊橋は練り物が有名である。最近はいろんなアイデア商品が店頭に並んでおり、正直私が顔をしかめる 素材が入っている商品もある。この不景気に生き残るには「変わり種」が必要なんだろう。 そしてここにも「変わり者」の二人が再び無謀な復路へと旅だったのである。

まずは腹ごしらえ。お馴染み停車駅のコンビニで飲み物を購入しフロントポケットへと放り込んだ。 バイクにも腹ごしらえした。2回の給油で走りきったので復路もそう長くは走れない。確か浜松だったと 思う。店員さんが私達のナンバーをみて首を傾げた。「富士?お兄ちゃん達どうしたの?」
その問いかけに「僕たち静岡横断してきたんです。今は帰りで豊橋から来たところです。」というと 「原付でかよ・・・」と苦笑い。通り一遍のお客ではあったとしても珍客だったに違いない。 二人で愛想を振りまいてそこを後にした。

さらに途中腹が減ったのでファミリーレストランで肉も食べた。"P"の食欲はすさまじい。馬のようだ。 生気を養った二人は満腹による眠気を振り払いながら再びバイクにまたがる。
「よし、一気に藤枝までいっちゃおう!」"P"に先行を譲りいざ出陣。

私の友達が当時藤枝で高校の教師をしていた。まさか彼も私がこんな無謀をしていたとは思わないだろう。 本当は逢いたかったのだが教師という職業はなかなか時間がありそうでない職業だ。 迷惑をかけてはいけないと思い今回は逢うのはやめた。彼には旅をすることは伝えていなかったからだ。 後の話だが静岡を原付で横断した事を話すと「あらぁ〜」という返事しか返ってこなかった。 その彼は今福島にある大学院で学んでいる。とても優秀な友だ。

藤枝で一息ついた後もロングラン。辺りが暗くなる前になるべく知っている道を走りたかったからだ。 一気に蒲原まで走った。もう辺りは暗かったが蒲原からだと富士まではしれている。 夏とはいえ日が落ちるとやはり寒くなる。寒いのが大嫌いな"みやっち"は一気に家路へラストスパート する事を提案。
再び富士川大橋の先で停車し"P"と堅く握手を交わし旅の成功と無事帰還を喜んだ。 家路に着いたら携帯電話のメールを取り交わす約束をして。

数日後、クール宅急便で「ちくわ&蒲鉾セット」が届いた。旅の成功を改めて実感した瞬間だ。
もうあの旅から1年経ったが今でも語り草である。"P"はこの話題になるといつもぼやく。 「も〜嫌だ!○○ちゃんまたこんな事言い出したら俺は辞退するよ!!」と。

なになに、また私が提案すればきっと行きたくなるさ。 こんな事いっているけど結構楽しかったくせに。それに良くも悪くも絶対に想い出になったと思うし。 今しかできないんだもの。
今度はどこにしようかな☆(にやり)

これで「無謀な旅日記」は終了だ。第二編がもしかしたら今後登場するかもしれない。
全ては"みやっち"の"きまぐれ"次第だが・・・

PS:正直な事を書くとですね、今度は東に行きたいと思ってるんですよ。 実は行き先決めてあるの。また行こうゼ"P"ちゃ〜〜ん。\(^o^)/


【END】