1996年10月 犬猫の先生から電話が来た。
「子犬が産まれたけれど、見に来ませんか」聞けば、先生の奥様の愛犬イエローラブのサラちゃんが生んだ8頭の黒ラブだという。
2ヶ月前、我が家は始めて飼ったゴールデンのジャッキーを事故で亡くしてしまったばかりであった。
飼い主としての自信も喪失し、しばらく犬を飼う気持ちにはなっていなかった。
奥さんは「先生と話したけれど、ジャッキーを一生懸命育てていたと思うわ。不幸なことだったけれど、あなたのせいではないから・・・もういちど、育ててみない?」
と言ってくれた。
ジャッキーは生後30日足らずで、やってきた。
何にも知らない犬飼初心者の母は、やっと目が開いたばかりの子犬を譲り受けたのであるが・・・いわゆる犬としての社会性を身につけぬうちに親兄弟から離してしまったのである。それと共に血統書の確認も出来ず1ヶ月後に届いたそれを見て、初心者の母ですら驚いた!
とにかく問題が多いその子は、結局不幸な短い一生を終えてしまう結果となった。
「大丈夫よ!60日は最低置いてちゃんと「犬である」ことも教えるからね」そう言って「とにかく一度見にいらっしゃい」と話してくれた。
黒のラブラドール・・・うちの選択肢には全く入っていなかった。
黒いというだけで「怖い」イメージがあった。
犬種的には、ゴールデンかラブ・・・と言ってもイエローしか全く頭に無かったのである。
「黒か〜〜〜」と父も言った。
犬猫先生から電話をいただいてから、今まで全く気にも留めなかった黒い犬が妙に気になりだし、目に留まるようになった。
ペットショップへ行って、いままで覗きもしないケージをじっくり見る気になった。
それまでは、そこに黒いラブが居ることすら気づかなかったのである。
よく見ると、その黒いラブの子犬はとてもかわいい顔をしていた。
「へ〜〜意外とめんこい顔してるんだね」
母は、ちょっと心が揺れたのです。
「逢いに行ってみようかな・・・」