10月末。
母は娘と気になる黒ラブを見に出かけた。
前にいた子は、ゴルの男の子だったので、奥さんは「飼い易いのは女の子よ」とすすめてくれた。
全部で7頭の子犬は、ママの濃い目のベージュの毛色を受け継いだ子がいなく、全てが見事にパパ似のピカピカの真っ黒な被毛であった。
♂が4頭♀が3頭。その3頭の♀のうち、1頭はパパのところで引き取られるのが決まっていたらしく、残りの2頭と対面させてもらった。
まだしっかり歩くこともままならない2つの黒い子犬は、まるで熊の子のようである。
取り合えず今日は決めるわけには行かず、父に見せるべき写真に収めた。
今回は、必ず父に決めさせたかったのである。
以前のゴルは、母と娘で連れ帰り名前も決めてしまったことで、トラブルが起きると「おまえが決めてきたんだから・・・」と皮肉を言われたりした経緯があったからだ。
「今度の子は名前も父に決めさせる」と母は固く思っていたのである。

生後40日を過ぎた頃、やっと、父と見にでかける機会ができた。
子犬は随分犬らしくなって、活発に動きまわっていた。
一匹は決ってしまっていたが、最初に子返しに決っていたはずの子がフリーになっていた。
やはり♂の方がいいということになったらしい。
決っていたはずの飼い主を失った♀の子犬は、もう1頭がスリッパを銜えて引きずり回したりあたり構わず噛み付いて歩くのをよそに、ぼんやりと父の足元で父を見上げているだけであった。
その子を抱き上げて父は「写真で見たより可愛いな」と、大人しいその子が気に入った様子だった。
考えてみれば・・・この子は写真に写っていないのである。
これも何かの縁である。この子に決めよう・・・スリッパがボロボロになるのもイヤだから。
そうして・・・半月後。
この子は我が家の娘となった。
実は、どちらもローラじゃありません。姉妹です