《人魚姫》

とっても、とっても、大事な子が出来たの。
でも、何も言えない・・・
たった一言『大好きだョっ』って伝えたいだけなのに・・・
他人から見れば、とっても軽くて、気軽に言える言葉が、私には無い。
『大好きだョっ』って、たった一言の言葉も、私には重くて遠いものなの。
だから私は考えた・・・
言葉が無いのなら、別の方法で私の想い、全部伝えるから。
私は貝殻に歌を託して伝えたわ。
全部、全部、歌にして、貝殻に託してはあなたに贈った。
あなたは聞いてくれたの。
あなたの贈る『大好きだョっ』は、好きとは違う、別の何か。
言葉の無い世界で、あなたは心で会話してくれた。
いつか、一緒にふざけ合って遊んだね。
あの時一緒に食べたアイス、美味しかった。
お客も居ない遊園地で、意味も無く踊った事、忘れない・・・
言葉が無くても会話出来る事を、この時初めて知った。
言葉は、自分の言いたい事だけ言って、隠す事が出来る。
心での会話は違う。
言葉は人を傷つける事も言うよね?
なら、言葉の無い世界へ行こうか・・・
一緒に行こうか・・・
とっても平和で、自由な世界へ行こうか・・・
もう、あなたが居れば、新しい世界も、始めての所も、怖くなんか無いよ・・・
あなたが居るから、私が居るの。
あなたが居なければ、私も居ない。
ゴメンね?
あなたにばっか、頼ったりして・・・
私はあなたの重荷ですか?
それでも私は、あなただけが頼りなの・・・

ネェェェ・・・?『大好きだョっ』
とっても、とっても、『大好きだョっ』