記録ノート 03’夏

Geckoは2003年夏からおよそ9ヶ月間大学付近の動物病院でボランティア活動をしていました。 これらは夏休みの間の記録です。なにぶん英語で学習していることなので中には聞き間違えや勘違いをそのまま書いてしまっているところもあるかもしれません。 もしお気づきの点がありましたらどうぞお知らせください。

5/12/03
ボランティア初日。 診察@ Anal Sacと呼ばれる犬の肛門に入ったところにある匂いのある物質を出す腺の入り口が便で塞がってしまった犬。 匂いのある物質は犬がお互いのIdentificationに使う。 この犬の場合、そのAnal Sacの入り口が塞がってSacの中に物質が溜まり腫れて便の通り道をふさいでしまった為、便ができなくなった。

Learning @ 病院でよく使われるワクチンの名前。
DHPPVC (Canine Distemper-Adenovirus Type2-Parainfluenxa-Parvovirus Vaccine) --- 犬用
Bordetella (Canine Parainfluenza-Bordetella Bronchiseptica Vaccine) --- 犬用
Leukemia (Feline Leukemia Vaccine) --- 猫用
FVRCP (Feline Rhinotracheitis-Calici-Panleukopenia Vaccine) --- 猫用
Ravies Vaccine --- 犬、猫用

Learning A レントゲン(X-ray)写真の現像の仕方。

5/13/03
手術@ Canine Neuter --- 犬の去勢手術。

  1. Testesを露出させる。
  2. Seminal Cordを縛る。
  3. Testesを切り取る。
  4. 切開口を閉じる。

手術A Canine FHO --- 後ろ足の骨が腰骨となんらかの理由でうまく接合しなくなり、それが理由で痛みがではじめ行動にも変化がみられるようになる。 この手術はその後ろ足骨が腰骨に接合している部分(Femoral head)を切断し、後ろ足を前足のように筋肉の力だけで支えるようにする。 これにより痛みをなくしその犬の行動を楽にさせる。

  1. 太ももの側面から筋肉を露出させる。
  2. かさなり合う筋肉を押し分けて奥にあるDeep gluteal muscleを露出させる。
  3. Deep gluteal muscleを切断し、Femoral headを露出させる。
  4. Femoral headを切断し、取り出す。
  5. 切開口を閉じる。

診察@ 餌を食べないヘビ(ボアコンストラクター)。 先生の話だと多分呼吸器のinfectionとのこと。 Infectionによりうまく呼吸できないため、餌を口にすると餌が呼吸を妨げ、さらに呼吸を苦しくする。 そのためそのヘビは餌を食べなくなったのだろうとのこと。 とりあえず抗生物質の投与で様子を見るらしい。

5/15/03
手術@ Feline FHO(左後足)&右後足切断。
手術A Feline OVH = Ovarian Histerectomy(Spay) --- 卵巣,子宮の除去。 

Learning@ 病院でよく使われるantibiotics(抗生物質)の名前。
Amoxi = amoxiline
Durapen = peniciline
Baytril

LearningA 病院でよく使われるanesthesia(麻酔薬)
TKX --- 猫用
Telazol --- 犬用
TRT --- 犬用

5/16/03
手術@ 犬の唇にできた鼻にまでかかる大きなmass(tumor)の除去。 切り取ったあとのmassはWSUに検査を依頼。 後に3段階ある癌の最悪Level3の悪性癌と判明。 先生の話だとあと2,3ヶ月の命らしい。

5/18/03
手術@ ウサギOVH
Learning@ ウサギは2つのCervixを持っている。 しかしUterine bodyはない。 ウサギの尿は色にVariationがある。(白っぽいドロドロしたものから透明オレンジのものまで。)

5/20/03
手術@ ACL = Anterior cruciate ligament (Dog)
手術A 爪が普通と逆の方向にはえてしまった猫の指を第一間接から切断。

5/21/03
Learning@ Flea(ノミ)のついた犬をシャワーに入れる。

  1. 犬をMycodex (Flea Killer シャンプー)を使って普通のシャンプーをするように洗う。
  2. 全身をシャンプーでこすったらそのまま5分間待つ。
  3. 洗い流してタオルでふく。
  4. スポンジを使ってPyreth(また別のFlea Killer)を犬の全身になじませる。
  5. そのまま流さずに乾かす。

5/27/03
診察@ 錦鯉の背中にalgae(カビのようなもの)が繁殖。 隔離して毎日薬を患部にぬって治療。
診察A Brucellosis --- Brucella属の細菌による感染症。 Bang's Vaccineで治療。
この日一匹の犬が安楽死させられた。 理由は飼い主が亡くなってそのあと世話をできる人がいないとのこと。 先生がeuthanasia(通常の麻酔薬の何倍も強いもの)を注入するとすぐに息をひきとった。

5/29/03
診察@ 馬の歯磨き。 鉄のやすりの様な歯ブラシで磨く。
診察A 生まれたばかりの子馬とその母馬の健康診断。 Placenta(胎盤)を見てそこに何も残ってないか確認する。 母馬のVagina(膣)にいくつかの切り傷。 多分問題ないとのこと。 もし化膿することがあれば抗生物質をとらせるらしい。

5/30/03
手術@ Canine FHO
手術A Third eyelid flap (犬には上下2つのまぶた以外にもう一つ内側に第三のまぶたがある)
手術B 便秘の猫から便をかき出す。

6/2/03
手術@ debark --- vocal cordを摘出し犬が吠えなくする。 アパートで犬が吠えて困っていたらしい。
手術A Hernia --- umbilical cordが出生ご閉じなくて大きな穴が腹部にある。 遺伝的なものらしい。 この穴を縫って閉じる。

6/3/03
治療@ Parvo virusに感染した子犬。 Parvo virus = 重症の腸の感染症。 媒介率が非常に高い。 子犬は腸をやられて嘔吐と下痢を繰り返す。 生存率は50%ぐらいらしい。 Geckoも隔離室をでるときは靴を消毒することを要求され部屋を出た後もどこも触らず真っ先に手を洗うことを要求された。
手術@ Protosis bilateral = 事故で眼球が飛び出た犬の治療。 眼球を元の位置に押し込みまぶたを閉じて固定。 初めは車に多分ひかれただろうと言われていた犬だったが、後頭部の一部分しか傷がないことからもしかすると誰かに何かで殴られたのではないかという話もでていた。

6/4/03
手術@ Rodent neuter (ラットの去勢手術) --- げっ歯類を去勢するときはinguinal canalをまず閉じる必要がある。 これは犬などの動物と違ってげっ歯類の睾丸はボディ-キャビティーと区切られていないため。 もしこれを閉じないと腸が睾丸のあった場所に入ってしまう。 この手術で重要なのはexternal sewtureを使わないこと。 げっ歯類はこれらを噛み切ってしまう。 したがってinternalで縫合しあとはtissue glueで塞ぐ。 

6/9/03
治療@ Hot spot --- ゴールデンレトリバーによくみられるかぶれのようなinfection。

6/12/03
診察@ horse neuter (馬の去勢)
Learning@ 馬の周りでは走らない。 馬に近づく時は目を見ない。 自然では捕食者は狩をする時獲物の目を見る。 これは馬をおびえさせないようにするため。
LearningA 馬のtestesを触るときはまずはお腹などをさすってやって安心させる。
この日この馬の睾丸の1つが腹部に入って隠れていたため去勢手術は見送られることになった。 両方一度にする必要があるらしい。

6/13/03
手術@ Pyometra = Pyo --- 子宮のinfection。 子宮内のinfectionで膨大な数の白血球が子宮内に集まり子宮が通常の何倍にも膨れ上がる。 子宮と卵巣を除去。 この取り出された子宮の重さはなんと8.5ポンド(4キロぐらい)。
獣医はペットの去勢を強く勧める。 これはこのような病気、特に癌にかかる可能性を低くするため。 子供を産ます気がないのなら去勢はペットにとって健康的。 よく人間に見立てて犬などの去勢を批判する人がいるが、それは大きな間違い。

6/18/03
診察@ Megaesophagusの犬。 Megaesophagusとは食道(esophagus)が何らかの原因で収縮能力を失って大きく開いた状態になること。 Megaesophagusにかかるとその動物は食べ物を普通に飲み込めなくなる。 この犬も食べ物を飲み込めず、何回も吐き戻して食べることを繰り返した。 その時に食物を地面に吐き出すので石なども一緒に飲みこんでしまったらしく、レントゲン写真に蓄積された石がはっきりと写っていた。 診察はエンドスコープ (内視鏡)を使って行われた。

6/23/03
Learning@ 心拍を計る。
     1.聴診器を使って6秒間に何回心臓が脈を打つか数える。
     2.数えた数を10倍する。
       →60秒間(1分)に何回脈を打つか分かる。
心拍は犬の大きさによって変わるが、大きな犬だと大体80回ぐらいが平均。出血が多くなると心拍数も増える。
手術@ 猫の耳にできたmass(出来物)の除去。
手術A 犬の眼球に近いまぶたにmassの除去。
手術B 耳の下のところを他の犬に噛まれて大きな傷のできた犬の治療。
診察@ Lymph(リンパ)のcancer(癌)を患った犬。
診察A 下あごが解けたように形の崩れた猫。ひどい悪臭。
安楽死させられた。先生の話だと多分Trauma(外傷)からきたものかLeukemia(白血病)。
診察B 雌犬のProgesterone(黄体ホルモン)Test。 この犬の飼い主がこの犬を人工授精させたいらしい。Progesteroneの分泌される量が多ければ多いほど妊娠しやすくなる。このテストでこの雌犬は十分な量のホルモンを分泌しているらしい。近いうちに人工授精がほどこされるらしい。
手術C 消された直後の焚き火にうっかり入ってしまってひどい火傷をおった猫。尾は切断され、特に肛門の周りの皮が焼けただれてしまったので周辺の皮を引っ張ってきてそれを縫合しきれいに傷は治された。
治療@ 誤って車のエンジンオイルが貯められていた容器に落ちて油まみれになった猫。毛を刈って全身を皿洗い用の洗剤を使い洗われた。これが油には一番いいらしい。

6/24/03
手術@ とにかく今日はOVH(Spay)づくし。初めにまとめて4匹ぐらいの子猫がOVHを受けた。
手術A 右大腿骨を骨折した猫。犬などをふくめた家畜動物は治癒力が高い。とりわけ猫の回復力は並ではない。この骨折した猫は実は先週末骨折したらしいのだが骨が折れたその形のままもうすでに引っ付こうとしていた。先生は大腿骨の中心部を縦にドリルで穴をあけそこに鉄の棒を差し込み半分になった骨の上下を突き刺すことで元の形に戻し、それを固定した。
手術B 胸の側面に大きなmassができた犬。massは切り取られWSUに検査に送られた。

6/26/03
手術@ 右後ろ足の骨がかけて腰骨とうまくつながらなくなった猫。 かけた部分をもとの位置にピンを使って固定。それぞれのパーツに穴をあけそこに長い鉄のくしのような物(pin)を差し込んで固定。
治療@ ヤマアラシ(porcupine)に噛み付いた犬の口中にトゲがささった。それを取り除く治療。ヤマアラシのトゲは鳥の羽の軸とよく似た材質といった感じだった。
治療A ヤマアラシの上にうっかり座ってしまって下腹部と後ろ足にトゲが刺さってしまった犬。後ろ足はひざの間接にまで深くトゲが入り込んでいた。取り除ける範囲取り除いて、それでも取れない物は切開して取り除かれた。肉の奥に食い込んだトゲをほっておくとそれが肺や心臓にいずれ到達して悪いinfection(感染症)を引き起こすらしい。
Learning@ 今日は縫合パターンを2つ習った。このボランティア期間中にモデルを使っていろいろな縫合の仕方を教えてくれるとのこと。いずれそれぞれをしっかり理解したらこのHPで紹介したい。

6/27/03
手術@ Feline Pyometra=子宮がInfectionにかかり大きく腫れ上がること。子宮と卵巣の除去。
今日geckoは他のいろいろな雑用をしていた為他の手術を見ることができなかった。
Learning@ 皮膚がセンシティブな犬をシャワーに入れる。特別皮膚が弱い犬用のシャンプーで洗う。
LearningA 1度使われた注射器の洗浄。半端ではない数を洗った。終わって気がつくと1時間半かかっていた。

6/30/03
手術@ 前に消されたばかりの焚き火にうっかり入ってしまった猫が再び運ばれてきた。どうやら傷がまたうまく完治せずに患部の1部が腐ってきたらしい。今日、前にわずかに残されたしっぽを完全に取ってしまうことに。患部は特に肛門の周り。皮は背中に縦に切り込みをいれ引っ張ってきたものを使って補われた。先生は、「動物は皮が余分に多くついて生まれてくるからよかった。」と、一言。この猫の手術はこれで3回目。先生もかなりうんざりしていた様子。
治療@ これも前に何回か来ている猫。心ない人にバットで殴られて脳に障害をおった。今日は朝から突然痙攣を起こしたらしい。脳にダメージがあるから先生も痙攣を抑える注射をするのが精一杯。先生も治療をしながら辛そうだった。この猫は病院ではベースボールキャットの愛称で呼ばれている。(笑っていいものか・・・)
診察@ 今日は、前にProgesteroneのテストをうけたメス犬に人口受精を施される予定だった。午前中に予定されていたのが午後になったせいでgeckoは見逃してしまった。残念。前に先生に人口受精をする時はぜひ見たいと言ったら、「それはPorno(ポルノ)を見るのと同じよ」と、言われてしまった。そして今朝、病院に行くと1日の予定の書かれている白板のProcedure(処置)の項目にPorno or AI(ポルノ、または人工授精)と書かれてあった。(笑)

7/1/03
手術@ 肩と目のふちにmass(出来物)ができた犬。小さなもので皮以外影響を受けていないようだった。それらは簡単に切り取られて、傷口も数針縫うだけという短い手術だった。手術後、それを先生に言われて半分に切った。それは脂肪の塊(cyst)だった。
手術A 背中と横腹にmassができた犬。これらは大きなものだった。一つは前に一度どこかで治療を受けた形跡があったが膿んで潰れたような状態になっていた。もう一つは皮膚の下で何かが溜まっている、といった感じだった。それも後で先生の許しを得て、切ってみたがあまり気分のよくなるものじゃないのでここで書くことは控える。とにかく大したものではないらしい。
手術B またまたOVH。しかし子宮を取り除かれた時に発見されたのだが、Feline Pyometra(子宮が化膿して腫れ上がること)だった。犬の物に比べれば小さいものだったが、それでもかなり大きく膨れていた。
手術C 猫のしっぽの除去。猫のしっぽの先が潰れてそこから腐ってきた。しっぽは全ての主な血管などを縛ってせき止めた後切り取られた。

7/2/03
最近少し疲れ気味。geckoの職場の動物病院は車で約20分のところにある。働き始めるのは8時で、朝の弱い私には結構こたえる。今日はいつもより5分ほど寝坊。遅刻はしなかったが焦った。
手術@ 犬の下腹部にできた今までで最高に大きなmass。先生達もこんなに大きなのは初めてとか。どうやら中に血が大量に溜まっているらしい。真ん中よりわずかにはずれた辺りが硬かった。先生はそれを見て、なにか悪い物ではないかと心配されていた。とりあえず除去。切り取られた時に分かったのはそのmassは筋肉と一体になっているということ。とりあえず周りの筋肉ごと切り取られることに。筋肉を切られた後は痛みが酷いらしい。鎮痛剤が手術後注射された。詳しくはワシントン州立大学の家畜病院からの検査待ち。
今日は新しい物が多かった。
手術A Rabbit Neuter(ウサギの去勢)。前にメスのウサギの子宮を取り除かれる手術があった。今回はオスのウサギから睾丸を除去することに。方法は前に書いたネズミの去勢方と同じだった。
Learning@ ウサギは本来の前歯の裏にもう一対の歯がある。他のげっ歯類とはそれで見分けることができる。
診察@ 1ヶ月ほどまえから黄色い血の混じった鼻水をたらし続けている犬。(Rhinoscopy=鼻の穴から内視鏡を入れること。)Endoscope(内視鏡)を使っての診察。今のところ原因分からず。

7/3/03
今日は病院中の切れている電球の付け替え、それから犬をシャワーにいれたり、医療具の空き箱の整理、手術の時に患部を覆う紙の布作りなどで1日が終わってしまった。結局、治療や手術をみることなく時間が過ぎてしまって、今日は特に書くことなしです。
明日から3連休。カナダのビクトリアに行ってきます。

7/7/03
昨日夜11時ぐらいにおよそ8時間のドライブを経て家にたどりついた。今日はいつも通り7時起き。旅行中の3日間毎日歩き続けたせいか足と背中が筋肉痛。この状況での今日の仕事は辛かった。体力のなさを感じた。アメリカに来てからの5年間はどうも運動不足。
治療@ あごの骨が折れて運ばれてきた猫を手術で治した後PEG tube = Feeding tubeをとりつけて食物を与える。
手術A 犬の胸から巨大なfat tumorを摘出。直径役12センチぐらいの脂肪の塊が先生が胸を切開し指でかき出すとすぐに切開口からこぼれ落ちた。脂肪の塊がうまくカプセル状に閉じ込められていたため容易に取り出せたらしい。
手術B 9匹の子猫の去勢。内7匹はオス。
家に帰ってから昼食をとるとgeckoはたえきれず夜6時まで爆睡。
旅行の写真は後日載せます。
7/8/03
今日は倉庫のドッグフードを運び出すのを手伝った。1つ1つがかなり大きな物で昨日に続いて体力の無さを感じさせられた。
今日は猫の去勢手術が主。後は何も変わった物はなかった。でも毎回思うのだが生きている動物の器官は死んだ動物を解剖した時に見られるそれとは全く異なっている。初めて子宮を見た時は驚いた。解剖学で見た死んだ猫のそれとは似ても似つかぬ物だったからだ。
昼からは久々に近くのペットショップに。ここはアメリカに来て以来見つけた店で一番品揃えがいい店。爬虫類なんかも結構売っていて、今日はフトアゴヒゲトカゲが$95で売られているのを見つけた。やっぱりフトアゴヒゲトカゲはいい。将来、絶対飼いたいトカゲの一つ。

7/9/03
今日は暑かった。まず第一の仕事は病院中の窓掃除。外から洗剤と水を混ぜた物をかけて洗い流すだけという簡単さ。天気もよく外での作業は気持ちが良かった。
それからWSUに血液サンプルを届けることを頼まれた。家畜病院のカウンターに渡すだけかと思いきやラボラトリーまで持って行ってくれとのこと。もちろんそんなとこには行ったことがないのでそう言うと案内してくれた。そこで血液の入っているチューブの蓋の色について聞かれた。蓋の色によって検査の種類などがきまってくるのだ。しかし、私はそんな知識はまだなくてこの血液を持っていくように言われただけだ、としか言えなかった。病院に帰ってから早速そのことについて尋ねた。
Learning@ 
赤色キャップ=そのチューブの中には何も入っていない。血液は普通に凝固する。
黄色キャップ=そのチューブの中にはplasma gelが入っていてserum(血清)を他の血液成分と分離するのを助ける。
紫色キャップ=そのチューブの中にはanticoagulant(凝固抑制剤)であるEDTAが入っている。これにより血液が凝固するのを避ける。これは血液細胞の検査が行われる時に用いられる。なぜならEDTAは細胞の形を変えることがないから。
青色キャップ=そのチューブの中にbuffered Cit Naが入っている。それは血液成分である何かがどれぐらいの早さで凝固するかをテストする時に用いられる。
緑色キャップ=そのチューブにはHeparinが入っている。Heparinは血液成分であるPlasmaの検査にもっとも影響を及ぼさない凝固抑制剤である。
このようにその時に必要な検査によって使うチューブが選ばれる。

7/10/03
今日も去勢手術が主。この動物病院で働き始めるまで去勢手術がこんなに頻繁に行われる物だとは知らなかった。
治療@ heart failureで運ばれてきた年とった犬。geckoもはじめ先生が治療していたのを見ていた。もう立ち上がることもできずにただなんとか生きているというような感じだった。その後しばらくそこを離れて違う作業をすることになった。もう一度戻ってきた時に先生に、"Is she O.K.?"(その犬は大丈夫ですか。)と尋ねると先生は、"She's dead"(大丈夫も何ももう死んでるよ。)と言われた。そしてその周りにいた他の先生達に笑われてしまったのだが、それから10秒ぐらいして先生が突然、"Oh my, she's come back. Now, her heart beat is about 90."(なんてことだ、この犬生き返ってきたぞ、今では心拍も90あるよ。)と叫んだ。なんとその犬が生き返ってきたのだ。このタイミングとその異常なイベントにそこにいた人皆が爆笑。結局その犬はそのあとまたも心拍停止で死んでしまったのだが、その時は本当に笑ってしまった。
7/11/03
learning@ PCV(pack cell volume) これを調べることによって輸血が必要かどうかを知ることができる。平均は大体30-40。15以下だと輸血が必要。
process:
@血液が入った小さなチューブを遠心分離機のホルダーにセットする。
A遠心分離機を作動させる。
BPCVテスト表と見比べてそのサンプルの値を出す。

7/14/03
今日は時間に余裕がある朝だった。10時半頃には大体大きなものは全て終わっていて何もすることもなく突っ立っていた感じで少し罪悪感があった。
手術@ mass removalが2,3の犬で行われた。どれも小さな物で大した物ではなさそうだった。
診断@ 目に問題のある猫。圧力を測る器具で検査すると右眼球が左のそれの倍の圧力をもっていた。しばらく薬の投与で様子を見てもし変化が見られないようならultrasoundで眼球の裏などにtumorなどがないか検査される。

7/15/03
今日はとにかく暑かった。普段、仕事中は自分の車は動物病院の前の路上に駐車しているのだけれど(駐車場は患者さん用)、なんの日よけもないので仕事後車に乗った時は地獄である。ハンドルも熱くなりすぎていて握ると火傷でもしそうなほどである。
最近geckoと同じようにボランティアをする人が増えてきている。今は合計にすると8人ぐらいになるのではないだろうか。もちろん時間帯がちがうので全員がそろって仕事をすることはないのだが、それでも今日なんかは4人もいた。人数が増えるとどうも一人一人の仕事が少なくなって病院側にはいいのだろうが私も含めて経験をつみたいボランティアの人たちには結構つらい。もうこれ以上は増えないことを願うのだが・・・。
今日も去勢手術が多く特になにも新しいことはなかった。
手術@ 皮膚病にかかったブルドッグ。首の周りが特に酷く、首周辺の皮膚を大きく切除。幸い皮膚が多い犬なので患部は問題なくふさぐことができる。
毎回ブルを見るとあの不細工さが本当にかわいく思えるのだが、ブルドッグは本当にかわいそうな犬種だと思う。人間の手によってあのような姿へと変えられてきたのだが、その体系のため呼吸器や他にもいろいろなところに問題を起こしやすい。聞いた話でもっとも酷いと思ったのは、ブルドッグは闘牛用にアゴを強くするように作られてきた。そのため大きな頭を持っているのだが、それが原因で子犬は生まれてくるときに母犬のreproductive tractを通る事ができない。そのため人間がその雌犬の腹を切開して子犬を取り出す必要があるらしい。人間の身勝手さがつくりだしたかわいそうな動物だと本当に思う。

7/16/03
今日は変わった物が多く見られた日だった
治療@ 凶暴猫の毛刈り。とにかく凶暴な猫でケージの前に立つだけでうなり声をあげ爪をむいてくる。こんな猫だからとりあえず麻酔なしでは何もできないので眠らせることに。しかし捕まえてるだけでも大変なのでその猫をバケツの中に閉じ込めてそこに麻酔を送ってやるという方法をとることに。バケツの中に猫とは本当に滑稽な感じだった。
手術@ 前からすでに2回運ばれてきた焚き火の燃え後で火傷を負った猫。前に比べるとずいぶんよくなったみたい。しかし、またわずかに皮膚を接合する必要があった。これで最後になることを先生は望んでいた。
診察@ 上唇のInfectionにかかった4匹のヘビ(ボールパイソン)。抗生物質の投与で治療。ボールパイソンはgeckoがもっとも好きなヘビの一つである。その4匹のヘビはまだ子ヘビで本当にかわいかった。しかし、疑問だったのはその飼い主はそのヘビを買ったのだろうか、それとも繁殖させたのだろうか、ということだった。ボールパイソンはそんなに飼育が簡単なものでもないはずだが・・・。謎。
診察A 歯ぐきのinfectionにかかったウォータードラゴン(イグアナに似た、しかしアガマ科のトカゲ)。どうも飼い主が爬虫類の飼い方もろくに知らずに買ったらしい。先生が作った爬虫類の飼い方のガイドラインをプレゼントしていた。
手術A Feline OVH(猫の子宮と卵巣の切除)。子宮が取り出されたあとその猫が妊娠していたことが分かった。子宮にビー玉サイズの丸い膨らみが3つほどできていた。手術後、先生が私にそれを切って見なさいといわれた。少し残酷な感じがして辛かったが切ってみた。まだ初期の妊娠ということで目に見えるような物は中にはなにもなかった。

7/17/03
最近一日がはやい。朝働いて、それから昼食をとったかと思うとすぐに夜になるといった感じ。7月になってからの時間の経ちが以上にはやくてなんか落ち着かない。
今日は何をしたのだったかあまり思い出せない。とりあえず朝仕事場にいってから昨日先生がウォータードラゴンを持ってきた人にわたした爬虫類の飼い方がかいてあるプリントをもらえないかと尋ねたところもう余りがなくコンピュータに保存してあるのを新たに刷ってもらうことになった。その後いつもどおりの掃除などをしていたらいつの間にか時間が過ぎていた、といった感じで終わってしまった。唯一の新しいものは先生のうちの1人が診察から持って帰ってこられた馬のTesticle(睾丸)を見たことぐらいだ。それはとにかくその大きさに驚いた。先生が、”You can take it home if you want."(もし欲しけりゃ家に持って帰ってもいいぞ。)と言われたが、そんな物持って帰っても・・・、ということで断った。
診察@ 前にもってこられた目に問題のある猫をウルトラサウンドで検査することに。眼球の側面にmassが発見された。

7/18/03
治療@ 前から何回か診察を受けているLymphatic Cancerの犬の治療。強い薬を血管から投与。かなり強い薬らしく、私達人間にも影響を与えるらしい。投与される時に空気中に気化したものを吸うだけでも私達の体を害するらしく先生に、”You wanna have babies? Then you'd better to get out this room." 「君は子供を持ちたいかい? もしそうならこの部屋から出て行ったほうがいいよ。」と薬の投与が始まる前に忠告されたぐらい。私は先生の指示通りそこを離れた。その犬のリンパ線はパンパンに膨れ上がっていてみていても本当につらそうだった。

7/22/03
暑い、とにかく暑い。いつもなら夕方になると冷えてくるはずのここプルマンも今日は暑さが和らぐ気配がない。座っているだけで汗が絶え間なく沸いてくるといった感じで寝苦しい夜となりそうだ。
動物病院で働き初めて早くも2ヶ月半。仕事ももうかなり慣れてきて。いつも何をやるのかがはっきりわかるようになってきた。そのせいか、最近どうも新しいと感じるものがない。
診察@ 足を骨折していた犬の包帯の取替え。骨をボルトなどで固定させてその上に包帯をまかれていたのを取り替えることに。包帯をはずしてびっくり。中にたくさんのうじ虫(maggot)がうごめいていた。この病院で働いてから何回かあるのだがいつ見てもウジが傷口などにうごめいているのは気持ちが悪い。先生も「私もウジだけはダメだ。」と苦い顔で治療されていた。
治療A hot spot=皮膚があれた状態、になった犬。毛を頭としっぽの先以外全部刈る。頭に残された毛がライオンのたてがみの様になることからlion cutと呼ばれている。
診察A 前に肩の手術を受けた犬をレントゲンで経過を見る。よくなって来ているようだ。

7/23/03
暑い。今日も夜になっても暑さが和らがない。昨夜は結局扇風機を回しながら寝た。ここワシントン州は大抵の家にはクーラーがない。それだけ暑い日がすくないってことなのだろうが、今日などの暑い日にはそれが本当にうらめしい。とは言うものの、日本のように湿気がないので日陰などに入ると本当に涼しい(普段は)。
@今日は初めて生で鼓膜(eardrumまたはtympanic membrane)をaudioscopeを通してみた。初めて見た鼓膜は透明な、しかしわずかに白っぽい色をしていた。その鼓膜をチェックされた猫は片方の鼓膜が黒くよごれていた。どうやらそれは血が固まったものらしい。鼓膜が何かの原因で傷ついたみたいだ。
A目に傷をおって白く瞳が濁った猫の治療。眼球を少し傷つけて目の代謝をうながし、それに3rd eyelidを被せ目全体を保護して閉じる。1週間ぐらい回復に時間がかかるとか。
今夏休みの計画を考え中。大学が始まる前になにかしたい。

7/24/03
今日、仕事中に獣医助手(看護婦さんのようなもの)からレントゲンの写真を現像するように頼まれた。いつものように暗室に入り、フィルムを現像装置に入れるまではよかった。新しいフィルムを次の撮影に備えセットし、暗室の扉を開いた時だった。現像機の蓋が開いている〜。そう、うっかり蓋を閉め忘れてしまったのだ。おまけにフィルムはまだマシンに入りきっていなかった。案の定重要な部分が真っ黒に。
しかしもう後の祭り。獣医助手の人たちに謝ってもう一回撮ってもらうことに。初の大失敗だった。おまけにその写真を撮られていた犬はgeckoが今までに見たどの犬より大きい個体でその写真は撮るのに時間がかかったものだったというからますます救いがなかった。結局、次に撮ってもらった写真はアングルなどの問題でボツに。合計で3回も写真をとってもらうことになって・・・、ああ、geckoの馬鹿ー。
という失敗をした日だった。
今日はちかくの町Colfaxでとりたての桃を自家販売の店で買った。スーパーなどに売っている物より大きくて安い。帰って早速食べたがまだ熟れてなかったせいか酸っぱい。残りのものは熟れるのを待って食べる。

7/25/03
今日、病院に10フィートのレインボーボアが連れてこられた。餌にはウサギをあたえてるらしく、本当に大きかった。何か呼吸をする時に妙な音が聞こえるとのこと。
先生は以下のことからrespiratory infectionと診断。
診断理由:
@口内に普通より多く粘液がでている。
Aアゴの下、のどにあたる部分が膨らんでいる。
B鼻腔からではなく、口を開けて呼吸。

7/28/03
暑い、本当に暑い。私のアパートは西日が夕方4時ごろから入り込んでくる。それが部屋の中の温度を上げる。その高温は太陽が沈んで寝る時間になってもほとんど下がることがない。座っているだけで汗が体中から沸いてくるような感じ。
今日の内容:
@猫の爪の除去。
AFHO=Femoral headの除去。今日ので働きはじめてから6回目のFHO。
Bmass removal=正体はCyst=腺が詰まって皮膚下に分泌物が蓄積したもの。
今日の内容に猫の爪の除去とある。これは猫の爪を付け根から取り除いて生えなくするというもの。先生から聞いたのだが昔この病院でボランティアをしていた人でこの手術を見ると失神する人がいたらしい。この手術だけでなく出血の多い手術をみると倒れる人が結構いるらしく、ここで働く時に先生に言われたのは気分が悪くなったら遠慮なくその場に座りなさい、というものだった。geckoは今のところ失神したことはないのだが、6月に私と同じように働き始めた人が手術中に私の側で突如倒れた。どうやら気持ち悪くなっていたのに我慢していたらしい。これは私の人生の中で初めて失神した人をみた経験だった。驚いた。

7/29/03
今日の1つ目の手術は犬のvocal cordの除去。ようするに声を出す器官を取り除く手術。先生いわく、今までで一番マニュワル通りにできた手術だったそうだ。
2つ目の手術は犬のAnal glandの除去。Anal glandが詰まって膨れると犬にとって不快なものになるらしい。(Anal glandについては前の日記参照)。
process:
@まずシリコンを注射器でanal glandに肛門脇から注入。これによって空洞のanal glandを固めてそれの位置を手で触って感じることができる。
Aanal glandを切り取る。そして縫合。
この手術の途中で先生の手術用の手袋に取り出したanal glandがひっついた。先生はそれを手術用の覆い布の上に落とすつもりで手を振ったのだがその拍子にanal glandがあさっての方向にとんでしまった。それがなんとgeckoの頭に直撃。ああ〜、よりによってなんでanal glandなんだ〜。
3つ目は銃で撃たれて右前足の骨が粉々に砕けた猫の手術。治すことは不可能として切断することに。
銃での怪我はアメリカでは結構頻繁にある。私がここで働き始めてからすでに3回ぐらいあったと思う。銃の所有がみとめられているアメリカ特有の物だと思う。多分日本ではそんなにお目にかかれないのでは。今回はどうやら猫嫌いの人が撃ったのではないかということ。犯人は分かっていない。この猫の飼い主は病院に弾丸をとっておいてもらうことを要求した。その弾から犯人が分かるかもしれないからだ。なんとgeckoは先生から切り取られた後の足から弾丸を探しだし取り出すことを頼まれた。レントゲン写真を頼りにメッツェンバームと呼ばれる先の曲がっているはさみを使って取り出した。猫のひじにあたる部分から取り出した弾丸は衝撃でひしゃげていた。ひじの骨は粉々になっているのが認められた。

7/31/03
今日、一匹の犬が消化器官に何か物を詰まらせたということで運ばれてきた。とりあえず先生が内視鏡を使ってその物が何かを調べることに。内視鏡を進めていくと何やら緑色をした物体が胃の辺りで見つかった。そこでそれをかき出す試みがなされたのだがどうやらそれが無理だったようだ。そこで胃を開いてその物体を取り出すことになった。胃の壁をわずかに切り開いて先生が取り出したものはなんととうもろこしの芯の部分。それも一つや二つなどといったものではなく次から次へと出てくる。最終的にとうもろこし3つ分丸々ぐらいの量が胃から取り出された。そして胃を縫合された後の事だった。先生は十二指腸のあたりにまだとうもろこしがつまっているのを発見。今度は十二指腸を切り開き取り出すことに。この数のとうもろこしには皆が目を丸くしていた。先生も、"This dog is greedy!"「とんだ欲張り犬だな。」とあきれていた。

8/1/03
今日はまたもや猫のSpay(子宮除去)の手術があった。今回はお腹が前のものよりさらにふくれているもの。これはhumane societyからの依頼であったため先生も手術をするか迷ったのだが結局することに。
手術後は例のごとく好きにしなさい、といわれ切ってみることを促すような言われ方をした。今度のは胎児が形ずくられている可能性が前に比べて大きくかなり抵抗があった。勇気をだして子宮の丸く膨れている部分にメスで切り込みを入れた。するとそこから透明な液体があふれ出してきてその後にゼリーのようなものが現れた。それも切ると中から小さな猫の形をしたものがでてきた。胎児は全部で5,6匹。その内一匹は小さく他の物より成長がおそいみたいであった。それを先生に言われ他の大きいものの中の一匹と一緒にホルマリンにつけて保存することに。少し残酷感にみまわれた経験となった。
初めて知ったのだが猫、犬の妊娠期間は6週間らしい。

8/4/03
今日は雑用で一日が終わった。大半の時間は今までの患者であるペットの飼い主に予防注射などの必要性を知らせるはがきの切って貼りなどをしていた。全部で500枚ぐらいあったであろうか。かなりの数であった。
今日はいつもに比べると幾分涼しい。

8/5/03
今日は昨日と同じく特に何も無く雑用で終わった。時たまこのような手術という手術もなく暇な日が続くことがある。かと思うと次の日からはとてつもなく忙しくなったりする。
今日は夏休みの計画が立った。来週火曜からラスベガスに4泊で行くことに。その間、グランドキャニオンも訪れる予定。ラスベガスははじめて。今から楽しみだ。
今日の気温は25度ぐらい。昼からは曇りで夜になってから少し嵐のような感じ。風が強く涼しい。

8/6/03
今日は初めて手術前の犬にチューブを気管に入れる作業をさせてもらった。このチューブを麻酔装置につなぐことによってその動物を手術中眠らせることが可能になる。さらに酸素もそれによって補われる。手順はまずは犬の舌をひっぱりepiglottis(喉頭蓋)がみえるようにする。次にepiglottisをチューブの先で押さえつけtrachea(気管)の入り口を広げそこにチューブを入れる。あとは包帯のような布をチューブと結びつけそれを犬の上あごに巻くことによって固定する。そして空気入れのようなものを使い気管の奥にはいっているチューブの先を膨らませてそこにロックする形で固定。
今日旅行計画を完了した。ホテル、飛行機の予約はもちろん、ベガスで見るショーやグランドキャニオンツアーの予約も終え、あとは行くだけ。それがすべてインターネットでできてしまったのだからこんな楽なことはない。

8/8/03
この週になってから気温が急に低下した。とはいっても日中はまだまだ暑いのだが夜になると本当に涼しい。
今日は病院の獣医補助の人が飼っている犬の足指の内の一つを切断することに。ある日ふと犬を見ると歩き方がおかしかったらしい。調べてみるといつの間にか足指の一つが骨折しておりそれが変な風に自然治癒してしまったため犬は関節に歩行時に痛みを感じ始めたらしい。それが原因で歩き方に変化が見られたのを発見された。
今日はその他にもう一つの足指切断の手術がおこなわれた。これは特に問題があるわけではないのだが、犬には今は使うことがなくなり退化した足指が他の指のわずか上に存在する。それらの指は地面に接することもなくそれらを切られたからといって犬の歩行になんら障害をあたえることはない。むしろそれらの指をどこかに引っ掛けておこる怪我のほうがあとあと問題となってくる。そこで一部の犬種(今でもそれらの指を歩行時に必要とする種)を除いてよくその足指の切断手術が子犬にほどこされる。

8/11/03
今日でこの動物病院で働き始めてちょうど250時間になる。長いようで短いこの夏のボランティア経験だったがこれも24日まで。25日からは新学期で多分働けるのは週3日になると思う。当初の予定ではこの夏休み一杯で終わるつもりでいたが、今では病院の人たちとも親しくなってできたら卒業するまで働きたいという気持ちが大きくなった。
今日もかなりのんびりとした月曜となった。見学した治療は2つ。どっちも猫のabscessの治療。どちらも他の猫とのけんかか何かで怪我をしたところに血や膿がたまって腫れてきたというもの。その腫れた部分を切り開いて中の膿や血などを抜き取り、後で同じ箇所に同じようなものがたまらないようにわずかに穴を開けておきそれらが流れ出るようにしておく。
明日は朝の5時からラスベガスの旅へと旅立つ。帰ってくるのは土曜の深夜。したがって次回の日記は来週の月曜日。それでは行ってきます。

8/18/03
土曜日の夜中にベガスから帰宅。ベガスはとにかく暑くて、帰ってきた時にプルマンが本当に涼しいことを実感した。このベガス旅行はまた後ほどPhotoのコーナーで紹介する予定。
今日の最初の手術はAnal Glandの除去。この手術は前にも見たことがあったのだが、今回は手術の一番初めに使われるシリコン?(前に聞いたところによると、しかし今回は先生はジェルと言われた。)をgeckoが用意することに。とは言ってもチューブに入っているジェルを熱湯に入れて溶かすだけという作業。この手術はこのジェルをAnal Glandに注入し固めることでその位置を明確にしそれを取り出すというもの。
その次は年とったコッカーに点滴を施すのを手伝うことに。geckoが犬が暴れないように押さえている間に獣医補助の人が針を刺すというもの。しかし年取った犬で血圧が低い為か静脈が見つけづらくさらに犬は暴れると言うことで結局先生に頼んでしてもらうことになった。
今日は次のセメスター中の予定が決った。セメスター中は忙しく今のように毎日というのは無理なので週3回2時間ずつ働くことになった。

8/19/03
今日来た犬の中に餌の付いた釣り針を誤って飲み込んでしまった犬がいた。その犬のレントゲン写真にははっきりと胃の辺りに釣り針の影が写っていた。そして今日の午後、その犬の胃からendoscopeを使って釣り針を取り除く作業が行われた。胃までendoscopeを進めていくとたくさんの食べ物の残留物の中に埋もれるようにして釣り針があるのが見つかった。そこからはまるでゲームセンターにあるユーフォーキャッチャーのようだった。内視鏡についているピンセットのようなつまみでその針をつまむことが試みられた。そこにいる全ての人が「右、左、そこだ」と興奮し気味で先生とそれを助ける獣医補助の人がその針をとるのを応援する。何度その試みがなされたか、ついに針を捕らえることに成功。その針が犬の口から内視鏡とともにでてきたときは皆が、"Good Job!"とその作業をした先生と獣医補助の人を褒め称えた。内視鏡という器具のすばらしさを垣間見た出来事だった。
今夜は本当に寒い。半袖で外にいると寒くて震えてくる。もう夏も終わりだと感じさせられる。

8/22/03
今日は久しぶりに朝から曇り空。私が仕事に向かう最中にもわずかに雨がふっていた。今日でこのボランティアもとりあえず終わり。秋のセメスター中も週に3日2時間ずつ働く予定だけどとりあえず今日で一段落。
今日のスケジュールはいつものように2,3の去勢手術に加え、犬の首の辺りにできたAbscessの除去などが行われた。
今日は一つ奇妙な犬が一匹病院に連れてこられた。とはいってもその犬は既に死んでいてその死因を調べるために持ってこられたのだが、実はこの犬は先週に予防注射のためにうちの病院にきていたのだ。それが突然理由もわからず死んでしまった、というので死因を調べることになったのだ。しかし、特に原因もわからず先生方も首をかしげておられた。
来週からはいよいよ新学期。教科書もすでにかってあり用意も万端。これが最後のセメスター。がんばらなくては。

8/25/03
今日から新学期。多くの人はクラスが始まったようだが、geckoは今学期が最後ということで2つしかクラスをとっていないこともあり最初のクラスは明日から。
今日は朝の9時から12時まで夏と同じように働いた。今日の最初の診察は肝臓に問題があると思われる犬からendoscopeを用いてBiopsyをとることだった。これは前と同じようなendoscopeについているつまみのようなもので肝臓から小さな肉片を摘み取るのだ。この方法だと腹部にわずかな切り込みをいれてendoscopeを差し込むだけなので傷の回復も早く、犬にとっても負担が少なくてすむ。前にも思ったことだがendoscopeはすばらしい。endoscopeを入れて分かったことなのだがどうやら肝臓にtumor(腫瘍)ができていたらしい。
次に行われた手術は犬の片方の眼球を取り出すことだった。この犬は何かで眼球を傷つけ、それがtraumaとなって眼球を潰していた。もうどうすることもできないというので眼球を取り出すことに。眼球の周りのまぶたを切り眼球を取り出し、それにつながる血管などを縛った後眼球を切除。そして縫合。このような手順で手術は行われた。
明日は朝から授業なので仕事は休み。いよいよ新学期開始。

8/29/03
この学期が始まってから次の進路についてなどいろいろ忙しく日記をさぼりがちだ。この学期中は月水金に2時間だけ働いているだけなのだがその日記すら書けていない日がある。
今日運ばれてきた犬の中にスカンクにガスをかけられた犬が二匹いた。geckoはその犬をスカンク用に特別つくられたシャンプーで洗うことを頼まれた。スカンクの匂いはオリンピアにいたときに一度嗅いだことがあったのだが、今回はそれを間近でかいでその匂いの強さにあらためて驚かされた。シャンプーをしてからは特別な薬品を犬全体にふりかける。そうするとほとんど匂いは消えてしまった。しかしそのような臭い犬を二匹も洗ったgeckoの手はその日一日中スカンクの匂いが染み付いて臭かった。
その後はこの秋から来た新しいボランティアに注射器の洗い方などをおしえることを頼まれた。もうgeckoもここで働き始めて3ヶ月。一応先輩きどりなのである。

これがgeckoが夏の間に体験した事の記録です。今でもgeckoはこの動物病院で働き続けているのですが最終学期の始まった今多忙の為日記を書く時間がないとの事で8/29/03の日記を最後に休業させて頂くことになりました。この状況が一段落いたしましたらまた違う形になるとは思うのですが日記を再開したいと思っております。その時はどうかまたよろしくお願いいたします。


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