NHKの名画劇場で放送されたもので、ヘレン役をパティ・デュークが熱演。以前、テレビ東京でも放送されたが、その時は吹き替えだった。今回は字幕だったわけだが、やっぱり違うと感じた。以前は泣かなかったのに、今回は。。。吹き替え版を否定する人もいるが、私は違う。でも、この映画は字幕で見ていただきたい。

 この映画は、三重苦のヘレン・ケラーがサリバン先生と出会う6歳の頃のお話。人間としての扱いを受けていなかった(家族は、同情から甘えさせていたわけだが)ため、マナーを知っているわけもなく、ましてや言葉を教えるなんてことを出来るはずがないと諦めていた。しかし、サリバン先生自身も目に障害があった。劇中で「人間が生き埋めになったら、仲間がそれを助ける」という台詞が出てくる。それを胸に、サリバン先生はヘレンを救うことを決意する。

 以前泣かなかった映画だったわけだが、今回は何も考えずに涙がこぼれた。たいてい、私が泣く場合は、その主人公と自分を重ねてしまったり、こうだからうれしいとか、悲しいとか、何かしか考えてから涙がこぼれたりしていた。だけど、この映画はなぜ涙が出てくるのか説明が出来ない。たぶんうれしかったのだろう。ものに名前があると言うことをたいていの人は知っている。だけど、それを知らないが為にヘレンは家族と話が出来なかった。それまで、話したくても話が出来ず、いらだって癇癪を起こしていた。そんなシーンが何度か出てきていた。それを見ていたからか、名前が分かったシーンは、本当にうれしかった。

 ものに名前があることを知らないと、会話は成り立たない。私はたくさんのものを覚えてきた。だけど、会話が上手に出来ない。どうしても本心を隠してしまう。だから、上辺だけの会話になってしまう。そうなると、人同士のコミュニケーションとしては成り立たなくなるような気がする。ましてや、家族や友人同士ならなおさらだ。余計な知識ばかりが増え、本心を包んでしまう。そうなってしまった今、どうしたら本音をさらけ出すことが出来るのか、学ぶ必要があるだろう。

 余談だが、「ガラスの仮面」でも北島マヤ、姫川亜弓のダブルキャストでこの奇跡の人を演じている。たぶん、この映画がもとになっているのだろう。漫画のシーンと映画のシーンが重なっているところがあった。