アンが家族になるまで

 アンは九州の長崎で産まれました。 産まれてしばらくしてお母さんと別れ、お兄ちゃんと一緒に都内のペットショップへやってきました。


 アンはここがとっても気に入りました。 サークルが幾つも並び、時間になるとお姉さんが出してくれ、サークル前で他の子と遊べました。 サークルに一人で入ってる子もいましたが、アンはお兄ちゃんと一緒だったので寂しくありませんでした。 ところが、ある日、お兄ちゃんは一人でどこかに行ってしまいました。 アンはサークルで一人ぼっちになりました。


 そんなある日、アンが餌の時間を待ち遠しく、サークルの網に顔を乗せて待ってると、お姉さんがアンをサークルから出してくれました。 『あれ?また遊ばせてくれるのかな〜。』と思うと、お姉さんはアンを抱っこしたまま他の部屋へ。  『え〜っ、どこへ連れて行かれるの〜!?』 と思うと、今のお母さんとお姉ちゃんが待ってました。 『ん?なぁに?この人たち。いいや〜、おとなしくしてよ〜。ん〜、お腹空いたな〜。これ、なんだろう、ぺろっ。』 お母さんは感動してます。 『きゃあ、この子、私のこと舐めたわ。まぁ!』


 実はこの家族は半年前にヨークシャーテリア(=ヨーキー)を病気で失っていました。 ちょうどその頃、アンを迎えたペットショップがオープンしていたのですが、心の整理がつかず、半年経った今、見に行ってみよう! となったときにアンに出会ってしまったのでした。 『あれ、あの犬かわいいよ〜。キャバリアだって。車の名前みたいだね〜。大きくなるのかな〜。』 本当はヨーキー、パピヨンあたりが欲しかった二人でしたが、アンを見て一目惚れ! 他の人に買われては困る、と慌ててお父さんを呼び出しました。お父さんもアンを気に入りましたが、問題はアンがどのくらい大きくなるかです。 


3人で悩みながら他のペットショップへ行ってみました。 と、そこにはトリミングをしに来た大きなキャバリアが! 飼い主さんに『すみません、どの位大きくなるんですか?』 と伺うと、焦った様子の飼い主さん。 『え。ああああ、この子は13kgです。』『えーっ!!!そんなに大きくなるんですか〜!?』 と聞くと、『あっ、いや、その、えーと、うちはちょっとでかすぎるんです。』 ・・・13kg!?そんな大きくなるなんて!


 どうしよう、どうしよう、どうしよう!!! 3人共悩みました。おまけに、まだ会ってない人がいます。 下のお姉ちゃんです。 その間にネットでキャバリア検索です。 ふんふん、イギリスのチャールズ王に可愛がられたからこんな名前なんだって。 へぇ、心臓が悪くなる子が多いんだって。 これは、お店で親は大丈夫かどうか聞いておかないと。


 3人の迷いはお母さんの一言でふっきれました。 『みんな、可愛いって言ってた!もう売れちゃってるかもしれない!あんな可愛い子だもの!』その言葉で3人はアンのところへ逆戻り。その場で予約しました。お腹がちょっとゆるかったので翌週引き取ることになりました