ねこ専門のサイトです。ねこイラストをお借りしました。


《 ファミネコのいる風景 》



 家族は血のつながりだけじゃない。ひとつ屋根の下で暮らすことをお互いに望む者は、イヌだってネコだってサルだって、みんな家族だ。
と言っても、ゴキブリやダニは違う。ひとつ屋根の下で暮らしてはいても、あれは勝手に押しかけてきた居候である。

 というわけで、そんな新しい家族像を、関東で放映している「いなばのキャットフード」(チャオ)のCMはさりげなく描いてみせた。




 手押し車を押してくるおばあさんの横をちょこちょこついて歩くネコ(“”という字が入る)。

 老いた職人さんの仕事をそばで見ているネコ(“3代目”)。

 編み物をする老婦人の下でぬくぬくするネコ(“連れ合い”)。

 お父さんと台所の食卓をはさんで向かい合うネコ(“小姑”)。

 女性の腕に抱かれてイチャついているネコ(“ダーリン”)。

 一家4人の記念撮影に、お母さんのひざの上に乗って参加しているネコ(“末っ子”)。



と言ったふうに、家族の風景に溶け込んでいる様々なネコの姿をとらえながら、それを“”とか“ダーリン”とか家族のだれかに見立てたアイデアがいい。
こうなるともう“ペット”なんてもんじゃない、“家族の立派な一員”であるという感じが、ほほえましく伝わってくるのだ。

 それにしても、家族ってナンなのか。家族の崩壊とか再生とか、いろんなことが言われるようになってから、ずいぶんたつ。
時代とともに家族の意味も変わっていくのは当然だが、よくも悪くも、いまは家族の体温が低くなっていく傾向にある。
バラバラに住んでいても、ケータイというキズナでつながっている家族だっているくらいだ。
ま、家族というもののあり方について、たったひとつの正解はないという時代になってきたのだろう。

 が、そういう時代になればなるほど、一日中一緒に暮らせる家族として、ネコやイヌの持つ意味が大きくなってくる。
で、たぶんそういうところから、“飼い主とペット”という古典的関係を超えた“人猫関係”や“人犬関係”が、さらには、新しい家族像が生まれてくるんじゃないかと思う。
 いや、近頃は人が寝静まったあと、ケータイをかけているネコやイヌが増えていると言う話もあるけれど、そこまではもう、わしゃ知らん。


       <平成14年11月14日 朝日新聞家庭版(CM天気図 天野祐吉氏)より抜粋>



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