自作

変態スキマー自作2000年記

水槽が60cmから90cmに変わり、シークロンでは完全役不足です。
そこでスキマーをパワーアップする事にしました。
市販品を買えば済む事なんだけど、「水槽と壁の間10cmのスペースにしか置き場所無い」と言う制約が有るので制作する事になりました。
制作と知恵の拝借はオーシャンライフの豆蔵氏にお願いいたしました。<(_ _)>

――まずはお勉強! スキマーとは?――
通常ろ過装置では、魚のフンなどのたんぱく質は好気性バクテリアによりアンモニアに分解され、さらに亜硝酸、硝酸塩と形を変えていきます。
スキマーは分解される前のたんぱく質(プロテイン)を除去する装置で、ろ過を持たないベルリン方式ではよく使われます。
泡がマイナスに帯電してプラス電荷の物を吸着して浮上するといった原理です。

しかしゴミ以外にも有用な微量元素や微生物まで取り除いてしまうので、餌やりの少ない水槽では稼動させなかったり、非常時だけ稼動する人も居ます。
餌やりの多い水槽や、立ち上げ中の水槽では効果が有るので使用をお勧めします。

うちの水槽はミドリイシ水槽で、200Lにちっちゃい魚2匹しか居ないので餌も2〜4日おきに残さない程度しか与えません。
だから、スキマー回しても回さなくても殆ど変化無かったのですが、何か有った時の保険として常時回す事にしました。
ま、言われてるほどイオンバランスも崩れないらしいしね。

詳しくはココを見て下され。

――ポイント――
・細かい泡をたくさん作る
泡の総表面積が広いほど効率が高くなりますので、大きい泡少量より細かい泡たくさんの方が総面積が増えて効率が高くなります。
この辺はベンチュリ部分のノウハウですな。

・泡の滞留時間(海水と泡の接触時間)を長くすると効率が上がります。
水路を長く取れば(スキマー本体の長さを長くする)滞留時間が長くなりますが、スキマーが大型になります。
細かい泡にすると滞留時間が長くなり効率よくなります。(泡の直径と浮上時間は反比例します)

・ポンプの水量を増やすと処理能力が上がります。
かといって増やしすぎると、泡の滞留時間が短くなって効率が下がったり、泡を含んだ排水が水槽に戻されたり、コレクションカップから噴水状態になります。
バランスですな。

・コレクションカップ(汚水が溜まる上部の器)の泡の吹き出し口の直径と供給するエアーの量は微妙なバランスです。

供給するエアーに対して、この直径が小さいとオーバースキム状態になってしまいます。
供給するエアーに対して、この直径が大きいとなかなか泡が上がってくれません。
この辺がスキマーのノウハウですね。

――スキマーの種類と特徴――
スキマーにはいろいろ方式が有りますので、まずは方式を考えましょう。
注意!この図面は適当に書いた物なので、このまま制作しても動作の保証出来ません<(_ _)>

エアーリフト式
もっとも原始的なスキマー。 
テトラのサンダーがこれですよね。

これ結構良い泡が出るのですけど、水位の上下で泡の出方が大きく変わってくるのでオーバーフロー水槽のメイン水槽か、自動給水装置付きの水槽なら安定するんだけど・・・そんな水槽持ってる人は使わないか?

ウッドストーンが良く詰まるので、定期的に交換が必要。
普通のエアーストーンだと泡が大きすぎて効率悪いのよねぇ。
これペットボトルでも簡単にできます。
大型エアーリフト式。
大型エアーポンプを使った物です。
スキマーへは別のポンプを使って給水します。
この手の商品は見ないですねぇ。自作してる人はみた事有りますけど。

結構間違いなく作れるので自作向きかも??
泡が大きく効率が悪いので、なるべく高さを稼いだ作りにしましょう。
ベンチュリ式その一
ポンプの吸入口の所にベンチュリが付きます。
この利点は、吸い込んだ空気がポンプのインペラで叩かれて細かくなる事です。
比較的小型のスキマーに多いです。
シークロンがこの方法。但し海水のバルブは付きません。調整はエアーだけ。

プリズムのこの方式を変形した物です。
プリズムの場合、12枚羽根だっけ??羽の多いポンプでさらに細かく空気を砕きます。
エアーバルブは無く、海水バルブだけの調整となります。
ベンチュリ式その二
こちらはポンプの排出側の圧力を利用したベンチュリで泡を作ります。
ですからへなちょこポンプだと能力が発揮出来ません。

この手の代表はレッドシーのベルリンかな?(使った事無いけど)
ベルリンの場合、排出側の水位バルブは有りません。

後は東熱スパイラル。
東熱の場合はコレクションカップが螺旋状になっており、汚水がぐるぐる回りながら上昇します。
このようにする事により、汚水の通路が長くなり、通るに従ってだんだん汚水が濃くなっていく訳ですね。
ディスパセレイター方式その一
基本的には上記(ベンチュリ式その一)と一緒です。
違うのは剣山のような特殊なインペラを持ったポンプで、さらに細かく空気を砕く事です。

H&S社のスキマーや、アクアメディック社のターボフローターがこれ。
昔はあこがれのスキマーでした。
ポンプの入手に難があるので、自作は無理・・・
ディスパセレイター方式その二
基本的には上記(ディスパセレイター式その一)と一緒ですが、特殊インペラ付きポンプでスキマー内部の海水を吸って出す所が違います。
スキマー本体には別のポンプで汲み上げます。

これもH&S社のスキマーが有名。
ハイパワーポンプは必要ないのですが、ポンプが複数必要。
水族館級のスキマーでは、ドラム缶のようなスキマーに、特殊インペラポンプがずらっと並んでます。
特殊インペラじゃなくて普通のポンプ使ってこれ作ってる人は沢山居ます。
ダウンドラフト方式
強力なポンプで海水を汲み上げ、ノズルから出た海水をバイオボールと呼ばれる穴ぼこの沢山有るボールにぶつけて泡を砕く方式です。
ホースの先を細くして、水面向けて発射すると泡が沢山出ますよね?あれに近い原理です。
代表格はETSS ハイパワースキマーの先駆け?? 昔から人気が高いです。
自作でも多くの人が作っています。

調整はエアバルブと排水バルブでの水位調整。
強力なポンプが必要なのが欠点。
ベンチュリ式その三
上記(ベンチュリ式その二)と、ダウンドラフトを組み合わせたような方式。
特徴は、ベケットヘッドと呼ばれる噴水用のインジェクターを利用した事で、ハイパワースキマーに使われてます。
代表格はHSAとバレットのシリーズですね。
ベケットヘッドさえ入手出来れば作れます! 結構自作してる人も多いです。

調整はエアバルブと排水バルブでの水位調整。
強力なポンプが必要なのが欠点。

――選択――
製作仕様として
・ 設置場所の関係で、横幅10cm以下で高さの有る形状にする。
・ 水道配管用の塩ビ部品を多用し、シークロンの使える部品は使って安く簡単に仕上げる。
・ ポンプは強力な物を使用する。
・ クーラーやメインポンプとは別配管にして、スキマー専用ポンプとし単独でON/OFF出来るようにする。
・ 出来るだけ効率の高い物を作る。

色々考えましたが、憧れのダウンドラフトを製作する事になりました。

――作戦会議&製作1号――

以下豆蔵氏との会話

「シークロンの部品使えるかいの〜?」
「とりあえずぶった切ってみるか」 ギコギコ・・・・
「ををを! 外側のパイプは75φの塩ビ管にピッタリじゃ!」
「て〜事は、このまま塩ビパイプで延長してみょ〜か?」
「このままで強力ポンプを使うと水路の断面積が狭いけー水流が速すぎるで!」
「シークロンは3重管じゃが、2重にしてみるか?」
「そうじゃのぅ!」
「ポンプはどれ行こう?」
「サンソーPMD−311で行こうか?」
「行こう行こう!」

てー事で出来たのが右の図。 画像は残ってません。

「さ〜てポンプを接続して実験してみようや!」
「電源お〜ん!」 シュボボ・・・( ̄□ ̄;)!! 一瞬でコレクションカップいっぱいになった!
泡と言うより、コレクションカップを噴水状態で突き抜けた!
失敗です。 やっぱ水路の断面積を広くして水流の速度を抑えないと・・・


――製作2号――

てな事で考えたのが右の図面
75φの塩ビパイプの断面積すべて使えるので、水流も穏やかなはず。
電源入れて・・・をを!動く! 泡が出る! このまま設置して様子を見ましょう!

調整は水位調整用のジョイントで排水口の高さを可変します。 
水位が高いとカップに汚水が貯まりやすくなりますが、湿ったオーバースキム状態の泡が取れます。(この状態では微量元素もバンバン取れてしまうので良くありません。 透明に近い汚水が貯まります)
水位が適切だと汚水の量は減りますが、乾いて凝縮された濃い汚水が取れます。
水位が低すぎると、カップに汚水が貯まりません。

エアーの調整でも泡の量は調整出来ますが、あまり意味が無いので通常は全開です。
水中ボンドなどを使用し、泡が大量に吹き出し始めたらエアーを絞っています。

まさかベースがシークロンとは誰も気づくまい。
でも、かなりイビツな形になった物だ・・・・(;´д`)トホホ
何とかもうちょっと見栄えが良くならない物か・・・

――で・・・こんなん出来ました!――
自作スキマーの最高傑作!(見た目)
名付けて女王様!

見てください!この高慢な面構え。 メーカーじゃこんな物作れません!(当たり前)
言うこと聞かないと
ピシ〜!ピシ〜!っとホースで叩かれます。
お許し下さい女王様〜 ヒィ〜     (__ ) ハンセィ

――失礼しました。 設置その後です。――

気を取り直して行きましょう!

思ったほど泡が出ていないのと、カップに汚水が貯まらない。
なんでかな? どうもノズルの口径が大きすぎるみたい。
ノズルは高圧ホースの細いやつ(口径不明)を塩ビパイプに差し込んで使ってるんだけど・・

やっぱ口径の調整が出来るノズルにして、いろいろ実験してみるべ〜
用意したのは2種類。 左が電線をロックする物で、ねじを締め込んで行くと口径が小さくなります。 右はホームセンターで売ってる園芸用散水ノズルです。
実験の結果、散水ノズルより電線ロックの方が勢いの有る水が出て泡がたくさん出るようになりました。
ちなみに電線ロックのねじ部分は13Fの塩ビソケットのねじにピッタリなので、無改造で取り付けられます。

教訓! ポンプの能力に合わせたノズルの口径が必要です。
口径が大きいと泡が出なくなり、小さすぎると水量が減って処理能力が落ちます。


詳しい事は画像をクリックね

一応カップに乾いた泡が上がっています。
これだけ茶色く乾いた泡が出れば文句は無いんだけど・・・・
いろいろな人の自作スキマーを見たけど、カップから下の泡の量がすごい!
女王様はノズルからカップまでの水路が長いので、途中で泡が消えてるみたい。
ただ、水路が長くて泡の滞留時間が長いので効率良く??カップに泡が上がってるんだろうけど。

カップとカップの下の状態は右の画像の通りです。

シークロンのコレクションカップはあまりにも小さく、泡が吹き出したらすぐいっぱいになってしまいますので、ドレンパイプを取り付けました。
オーバーした汚水はペットボトルに貯まります。

ノズル部分を本格的なダウンドラフトみたいな形に改造してみました。
透明なパイプはシークロンの2番目のパイプを利用しています。
泡を撹拌する為にバイオボールを入れたかったんだけど、手持ちが無いのでデニーボルを入れて見ました。(左)

結果
バイオボールの部分では非常に細かい泡がたくさん出てるんだけど、カップの下では逆に減ってしまいました。  失敗。 又元に戻しました。(右の画像)   (>_<)

どうもバイオボールから下の立ち下がりパイプの径が大きすぎて、水流が遅く泡を本体に遅れないんだと思う。
せっかく出来た泡も本体に行く前にノズルの方向へ戻って行くんでしょうね。

ん〜 ダウンドラフトって難しいね。 まだポンプのパワーが足りないのか?

今後の予定

ポンプの水量に対して立ち下がりパイプの径が大きすぎるんだと思う。
次回改造はもう少し細くしてみます。

やっぱシークロンのカップは小さすぎる。
泡がたくさん上がってくると、カップが泡でいっぱいになってしまう。
泡はすぐには消えないので、下から上がってくる泡の邪魔になってるよ〜 何とかしなくては・・

戻る