自作

ニ式超ウルトラ・スーパークール(白色LEDスポットライト)自作(2003年3月記)

前々から気になってた白色LED。 これで照明を作るとどうなるのか?
え〜い! 作ってやれ! てな事で作ってしまいました・・

さて、そもそもLEDとはなんぞや? って思ってるあなた! 目の前のパソコンの電源ランプがLEDです。
携帯電話の照明もビデオデッキの表示ランプも、交差点の最新信号機もす〜べてLEDです。
LEDとは、フィラメントに電流を流して発光する白熱電球や、メタハラや蛍光灯のような放電による発光とは全然違う半導体による発光物体なのです。
LEDの特徴は
  ・ほんのわずかな電流で光る。
  ・単色光LEDの場合、発光効率が良い!
  ・熱線が前に出ないので、水槽の水温上昇が少ない。
  ・赤外、赤、黄色、オレンジ、緑、青、紫外、白色の色バリエーションが有る。
  ・超小型
  ・低電圧で発光可能
  ・寿命は半永久的(使い方、種類による)
短所は
  ・LED1個当たりの光量は微々たる物。
  ・照度の割に高価
  ・非線形素子なので、電源を直接接続出来ない。 安定器みたいな物(電流制限回路)が必要。
  ・温度係数は負なので、設計ミスると熱暴走する。

どうです? 使ってみる価値有りでしょ?

−−−白色LEDについて−−− 
LEDは元々単色光源で、赤外線、赤色、黄色、緑色、橙色、青色、紫外線などが有ります。
あれ??白色LEDは?とお思いでしょう。
実は白色発光するLED素子は世の中には無いのです。
現在売られている白色LEDの中身は、実は青色なんです。
青色LEDの後ろに黄色蛍光体の反射板を組み合わせて、反射板に飛び込んだ光は黄色に変換されて前方へ飛び出します。
そして青色+黄色が混ざって白っぽい光に見える訳なんです。
本来、白色の光を作るには青、赤、緑の3色(光の三原色)が必要なんですが、2色で無理矢理作った光ですので演色性が非常に悪い。
特に赤色の被写体の色がうまく出ません。
しかも黄色蛍光体で光を変換するのに、かなり光量が落ちますので単色LEDより効率が悪い。
但し最近になって緑色、赤色の蛍光体を使い、光の三原色で白色を作る高演色LEDが発表されたみたいですが、こちらはさらに効率が悪いみたいです。
また、反射板に塗られた蛍光体がLEDの出す紫外線と熱で劣化し、使っている間に色温度が変化したり光量が落ちる現象が報告されてます。
特に中○製の安い白色LEDには気を付けた方が良さそうです。

白色LEDには「赤」、「青」、「緑」 の3個のLEDチップを使って白色を出す物も有ります。
携帯電話のカメラ用補助ライトがそれですね。
3個のチップに流す電流をそれぞれ調整する事でいろんな色を出す事が出来ます。
これはさらに結構な値段が致しますので、今回のライトには使いませんでした。

−−−今回買ったLED−−−
今回買ったのが日亜化学工業のNSPW500BSです。
秋月電子通商でも売ってますよ〜!
秋月では安価な中国製も売っていますが、ちょっと品質がイマイチっぽいです。
詳しくはうつきさんのHPを見て下さい。

最近安くなったとは言え、赤や黄色のLEDに比べて約10倍の1本百数十円(-_-;)
1個の照度は屁みたいな物だから、今回は54本並べました。
百数十円×54本=岩崎メタハラ250Wブルー球よりも高い!!(T_T)
何とかしてくださいよ日亜さん!
ま、ランニングコストは無茶苦茶安いけど・・・・・

アクア用に使うと言う事は、色温度が気になりますよね。
残念ながらLEDには色温度データが無いので、実際の色温度は不明ですが、見た目ちょい青っぽい8000Kぐらい・・かな?
これがNSPW500BSの発光スペクトラムです。 青色と黄色にピークが有るでしょ?
青色はLED本来の色で、黄色が反射板の色です。
凄いのは、紫外線も赤外線も熱線も殆ど出てないって事! 目に見えない無駄な光が無い!
LEDのデータシートはここをクリック
    データシート1
    データシート2


まずはLEDの点灯回路を考えましょう!
LEDは白熱電球と違って非線形素子なる物です。
LEDの両端の電圧は順方向電圧と言う固有の物で、何ボルトかけても殆ど変わりません。
だから3.5VのLEDに6Vの電源を接続する事は、3.5Vの電池と6Vの電池を並列に接続したような状態になり、過大な電流が流れショート状態になるのです。
良くLEDに直接電源を接続してる人が居ますが、やめなはれ〜! 過大な電流が流れて居ますよ! 寿命が極端に短くなりますよ〜!

以下技術的な話しになりますので、興味無い人はすっ飛ばして読んでくだされ。
LEDには絶対最大定格と言う越えてはならない電流値が有ります。 
今回使用したNSPW500BSは25℃で30mAです。温度が40℃では23mAまで下がってしまいます。
これを越えないように回路を設計すれば良い訳ですね。
では標準的な回路図

上にも書いたけど、LEDに直接電圧をかけると過電流が流れてしまいます。
ええ?だったらLED固有の電圧Vfと同じ電圧をかけてやれば問題無いのでは? と、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
残念ながらLED固有の電圧Vfは温度により変動するんですよ〜。
ぴったりの電圧をかけたつもりでも、温度変動によりVfが下がると過大電流が・・・

普通は図のように電流制限抵抗Rを直列に接続し、電圧では無く電流値で設定します。
NSPW500BSの場合、温度を25℃ 電流を20mAに設定すると、Vfは約3.3V
電源Vinを12Vに設定すると、Rの両端にかかる電圧はVin−Vfだから12−3.3=8.7V
LEDに流れる電流が20mAなので、Rにも20mA流れます
オームの法則により、R=8.7÷20mA
R=435Ω

435Ωって抵抗は売っていないので、近い値の430Ωを直列に接続します。

普通はこれで良いんだけど・・・・これじゃ効率悪すぎ!
上の回路でLEDでの消費は、3.3×20mA=66mW
抵抗Rの消費は8.7×20mA=174mW
効率27.5%・・・・これじゃ抵抗での消費の方が全然大きい!
対策は電源電圧を5V程度に落とすか、LEDの直列駆動です。
でもLEDを54個並べると抵抗も54本。 こりゃめんどくさ過ぎ。

結局今回の回路は電源電圧を24Vにして、LEDを6本並べる事にしました。
こんな感じ

電流を20mAに設定すると、R=(24−(3.3×6))÷0.02
R=210Ω
効率は82.5%!!
電源電圧24Vだと、7本直列出来るのですが、温度によるVfの減少を制限抵抗Rが吸収しきれなくなるので危険です。

欲を出してもちょっと光を強くする為に抵抗Rを150Ωで実際に光らせて見ると・・・・・時間と共に電流がどんどん増加!
ついに絶対最大定格越えても、どんどん増加・・・・・(T_T)
LEDを点灯させると、わずかですが熱が出ます。
熱が出ると、Vfが下がって電流が増加します。
電流が増加すると熱が増えて・・熱が高くなると電流が増加して・・・・無限
これが熱暴走ですわ・・・
難しいですね〜


最終的な回路はこれ。


LEDが54個!!!
設定電流は輝度より安全を重視して15mA
実際電流を測定しながら抵抗を決めるとRは310Ωでした。
計算通りにはなりませんねぇ。


大袈裟だけど、測定器を付けてデータ取り。
測定データは

時間 全体の電流 LEDの順方向電圧 Vf
0分 125mA 3.25V
5分 143mA 3.156V
10分 148mA 3.130V
15分 150.0mA 3.125V
20分 150.7mA 3.121V
25分 150.7mA 3.121V

電源投入から電流はどんどん上昇し、約20分で安定してます。
これ普通の電球と逆なんです。
普通の電球は、電源投入時に突入電流が流れて、温度の上昇と共に電流は下がっていきます。
これLEDが扱いにくい要因の一つですな。

一番良いのは抵抗による電流制限では無く、定電流回路を挿入する方法です。(下の図)
3.3V 3端子レギュレーターを使用した定電流回路。
3.3V三端子レギュレーターを使用した場合、電流の設定は
R=3.3÷電流I
で求められます
20mAに設定すると、
R=3.3÷20mA
R=165Ω
定電流回路による駆動の場合、温度によるLEDの順方向電圧Vfの変動をレギュレーターがすべて吸収してくれるので、電流が安定します。
電流が安定すると言う事は、絶対最大定格電流の近くに電流を設定しても安全です。

その他にも定電流ダイオードを使用する方法が有ります
定電流ダイオードを使用した方法

図のCRDと書いてある素子が定電流ダイオードです。
たとえば15mAの定電流ダイオードを直列に接続すれば、LEDに流れる電流はそのまま15mAになるのです。 ああ簡単
20mAに設定したい時は・・・20mAの定電流ダイオードなんて売ってないので、10mA定電流ダイオードを並列に2個接続すればOK
難点は、定電流ダイオードがなかなか手に入らない事と高価な事(>_<)
但し最近は秋月電子通商などで売られています。


やっと製作!

ユニバーサルボードにLED54個と抵抗を並べてみました。
なんじゃこりゃ〜

電源は秋月電子通商でGF−NT24って24V1Aのスイッチング電源を購入しました。
¥1200です。 24Wのスイッチング電源がこの価格。 安い・・・
パソコンのACアダプターみたい

適当な灯具にLEDを乗せた基板を取り付けると
それっぽいでしょ?

下側から見ると
灯具が大袈裟やな

水槽を照らしてみよう!
こな感じ
それっぽい! クリックで、でかくなるよ!
結構スポットで直線的なな光です。
3.6Wの照明としては明るいと思いますが、250Wメタハラ点灯すると屁のような物ですね。
ま、消費電力1/70近くなんだから仕方無いけど・・・

照度計で測定すると、LEDから約15cmで5000LUX
250Wブルー球が200000LUXだから、1/40。
こんな物か・・・見た目はもちょっと明るい気がするんだけど・・・・

色は・・・
LEDの特性上、赤色と蛍光色が全然駄目です。
サンゴ向きでは無いですね。
魚用?

次回青色&紫外線LEDに期待してくだされ。

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