これはクララが家族になったいきさつを
絵本にしたものです。


この犬はずっとつながれています。
散歩もしたことがありません。
誰も名前を呼んでくれないので
自分の名前も忘れてしまいました。
犬はいつもひとりぼっちでした。
ずーっと長い間ひとりぼっちでした。

ある日のこと、お家の人が荷物を積んで
どこかへ行ってしまいました。
犬は追いかけましたが、
追いつくことができませんでした。
今度こそ本当にひとりぼっちになってしまいました。

これからどうしたらいいのでしょう・・・。
犬がとぼとぼと歩いていました。
乱暴な子供に棒でつつかれたりたたかれたりしました。
犬は子供が怖くなりました。
犬はだんだん汚くなって、
とっても臭いにおいがするようになりました。

お腹がすいてたまりません。
でも、誰もご飯をくれません。
ゴミ箱をひっくり返して腐った魚を食べました。
汚い犬は皆に相手にされません。
犬はフラフラと歩き続けました。
お腹が痛くて、もう死んでしまいそうでした。

よろよろと歩いていると、
知らない女の人がこの犬を拾いました。
車に乗せられて、
今から病院に連れて行かれるところです。
犬は心細くてブルブル震えていました。

犬はお腹が痛かったのですが、
お医者さんが治してくれました。
犬はすっかり気分が良くなって安心しました。
ご飯も食べさせてもらって
少し元気になりました。

女の人はお家に帰ると犬をお風呂に入れました。
ノミとシラミが100匹もとれました。
汚れて臭かった犬はきれいになって
セッケンのいいかおりがしました。

女の人はこの犬に「くらら」という名前を付けました。
時々みんながくららをギュウっと抱きしめます。
くららは抱っこされたことがなかったのでびっくりしました。
でもなんだかいい気持ちになりました。

意地悪な子もいるけど
優しい子もいることがくららには分かってきました。
子供達と遊んでいるうちに
くららの心が柔らかくなっていきました。
足も強くなって走れるようになりました。

もうくららはひとりぼっちではありません。
お友達もたくさんいます。
おいしいご飯も食べることができます。
いつまでもみんなと一緒に暮らしたいなあ・・・。
くららは思いました。
