何時も心から離れないのはムックのおしっこ。
   手術する前は垂れ流し状態で紙おむつをさせても腰周りの筋肉が落ちているので、
   落ちてくるし、病院の先生が腰にトイレシートを巻きつけておくといいといったので
   巻きつけておいてもさがってくるし、失禁の後を片付けなくちゃならないし
   一時、ノイローゼ状態でした。
   そして、手術後、自力では排泄できなくなり排泄介助するようになって
   膀胱炎、膀胱結石になったときもまたおしっこをさせなくちゃという強迫観念で
   ひまさえあればおしっこさせている状態で気が狂うかと思いノイローゼ再発。
   がんばっても報われないことばかりで(歩くことに関しても)
   私の中でムックのことを本当に受け入れることができたとき自分のせいで
   ムックが結石や膀胱炎になるわけではないことを納得できたのだと思います。
   私の中では歩けないムックはムックではなく、みんなからがんばれば歩けるようにな 
   るというこ励ましの言葉がプレッシャーになっていたということに気がついて
   楽になれました。
   みんな、軽くがんばってというけれどがんばっても結果が出ないことのほうが多いとい
   うことを、知っている人が何人いるんだろう
   でも励ますときにがんばってという言葉しかないのもわかります。
   善意のことが人の気持ちを傷つけたり傷つけられたり
   人間の心は難しいものです。
   
   今も、おしっこのことが頭から離れません。
   出かける前とかえってきてからすぐおしっこをさせる。
   朝、起きてすぐと夜眠る前はおしっこさせる。
   時々、少しずつ失禁することがあるのでみつけたらすぐきれいにする。
   自分で排泄できるなっちの世話はとても楽です。
   だけど、ムックのことを手がかかるから手放したいとは一度も思ったことがありません。
   ムックが手術を受ける前、家族で話し合いました。
   命の危険があること、(ひょっとしたらムックは家に戻ってこられないかもしれない)
   子供たちにもきちんと説明しました。
   そして、ムックがどんな姿になってもムックなんだから
   今までどおり家族の一員としてかわいがっていこうと・・・
   でも、手放したり捨てたりする飼い主さんもいて
   飼い主の手が必要な時にどうしてそんなことができるのと悲しくなります。
   散歩に連れて行けば、車椅子の犬は珍しいのでいろいろ聞かれるだけならまだしも
   いやなことを言われたりすることも多いです。
   ペットロスの本にも書いてありましたが世間の無理解と嘲笑が一番心を傷つける
   それはハンディキャップ犬の飼い主にも当てはまること
   だから、元飼い主が放棄したハンディキャップ犬や猫を引き取りかわいがって世話をし
   ている新しい飼い主さんには頭が下がるし尊敬の気持ちを持ちます。
   もし私がいなくなったらムックやなっちはどうなるんだろう、
   いつまでも元気でいてやらないとかわいそうだと思います。
   たかが犬なんだけど、でもすごくかわいくて大切な存在なのです。
   星の王子様が地球でバラの花がたくさん咲いているのを見て
   悲しくなります。
   自分の小さな星で世話をしてきた小さなバラだけがバラの花だと思っていたから・・・・
   でも、きつねに王子様はさとされます。
   「自分が手間を掛けて大切に育てたものは特別な存在だ」と。
   そして「最後まで面倒を見る約束をしたのだ」と・・・
   「約束は守らなくてはいけないよ」
   犬を飼うということも子供を育てることも同じだと私は思います。
  
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